25日、韓国で観客動員数500万人を突破しヒット中の歴史映画『徳恵翁主』で歴史が歪曲されているとの指摘が相次いでいる。写真は映画『徳恵翁主』のポスター。

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2016年8月25日、韓国・YTNによると、韓国で観客動員数500万人を突破しヒット中の歴史映画『徳恵翁主』で歴史が歪曲(わいきょく)されているとの指摘が相次いでいる。

徳恵翁主は日韓併合後の1912年、李氏朝鮮国王から大韓帝国皇帝となった高宗と側室の間に生まれた、大韓帝国最後の皇女。幼い頃から日本語での教育を受けたほか12歳で日本に渡り東京の学習院に留学、後に旧津島藩主・宗家の当主武志(たけゆき)と結婚するなど、日本との関わりが深い人物だ。

映画では史実と伝えられている通り、日本への留学や日本人との結婚、そして長く精神障害を患ったことなどが描かれているが、そこここにフィクションも盛り込まれている。例えば、徳恵翁主が「ハングル学校を設立した」「朝鮮の労働者を前に演説し独立運動に力を注いだ」「兄の英親王(大韓帝国最後の皇太子)と中国・上海への亡命を試みた」などの内容だ。そのため観客の間で、「ドラマや映画ならある程度のフィクションはあり得るが、子どもたちが真実と思ってしまうことがある」など懸念する意見のほか、「映画は映画にすぎない。創造力を加えないのならドキュメンタリーだ」とする意見が出て論争になっているのだ。

記事によれば、韓国では歴史を扱った人気ドラマや映画の大部分がこうした歴史歪曲論争に巻き込まれるという。その上で記事は「素材の貧困化でドラマや映画に歴史的事実を活用する例が増えているため、今後も論争は続くだろう」とした。

これについて韓国のネットユーザーから多数のコメントが寄せられているが、史実の歪曲には批判的な声が大勢だ。

「映画がフィクションであることは分かっているけど、子どもたちが映画だけを見て勘違いをしかねないのは問題だと思う」
「うそもほどほどに」
「国民の一人としてこんな映画は恥ずかしい」

「歴史の歪曲はどこの国であっても恥ずべきことだ。フィクション作品であっても事実を根拠にするなら歴史の基本の部分を守るべき」
「いくら映画でも歴史は歴史。面白くするためになかったことまでつくり上げるのは違うと思う」
「映画だからうそが含まれるとはいっても、ここまでくるとほとんど詐欺だろう」

「問題は、何の歴史認識も持たず、フィルターもかけずに映画の内容をそのまま受け止める無知な人間が多いということ」
「日本に頼って自分たちだけ貴族生活を続けようと頑張った人たちが皇族とはね」
「深刻な問題。『映画として見てくれ』と言うなら、徳恵翁主なんて実在の人物の名前をつけた映画を作るべきじゃない」(翻訳・編集/吉金)