華やかで、フォトジェニックで、いろいろな味を楽しめる――その存在自体がココロをトキメかせてくれるスイーツ「パフェ」。今回は数あるショップの中から一度は見たい&食べたい、絶品パフェを提供しているお店を、パフェ評論家の斧屋さんがピックアップ。また、見た目にも美しく幸福感で満たしてくれるパフェの魅力について聞きました。

2015年は年間365本のパフェを食したという斧屋さん。なかでも、注目しているというパフェを手掛けるショップを4店舗紹介してもらいました。

カフェコムサ池袋西武店

マンゴーローズブーケのパフェ(1800円) 通年展開

フルーツパーラー系のパフェです。フルーツカットが素晴らしい。その美しさは手出しできない“緊張感”がありますよね。フルーツプランナーが全国からフルーツを選りすぐっているので、市場に出回らない貴重なフルーツを使ったパフェも限定で販売されます。フルーツそのものの美味しさを邪魔することのないよう考えられた、アイスとのコンビネーションにも注目です。アイスの下にはお店で焼き上げたパイとスライスアーモンド。グラスの中で様々な味の変化を楽しめます。
日本各地の希少性高いフルーツが満喫できます。

石川県産プレミアムぶどう「ルビーロマン」のパフェ(2000円)8月5日〜9月11日予定

桃のパフェ(1,800円)

アサコイワヤナギ

白桃&葡萄パフェ(1800円)8月末まで

イートインができるパティスリーです。ご主人の実家が農園で、そこで採れた果物を使っているため、果物の質は非常に高いです。さらにパティシエとしての技術を詰め込んでいるので、色合いの美しさも味もパティスリーの感覚で洗練されたものです。フルーツパーラー系の果物のおいしさと、パティスリーの技術を合体させてハイブリッドしたようなショップです。

リール銀座

ザ・ヒートウェーブ(2000円)9月4日まで

最近私が一番感動したのが「ザ・ヒートウェーブ」というパフェ。ひまわりをコンセプトにしているのですが、ひまわりの形のクッキーを、白桃のパンナコッタの上に乗せています。グラスを動かすとそのひまわりが、風に揺れるように動くんですよ。高さもあるのでよりひまわりっぽく見えます。パフェの中身もとても凝っていて、スイカのグラニテやミントリキュールとパッションフルーツのムースアイスを入れるなど、夏を全力で表現しています。パフェの世界観にあわせて果物を加工する、アイデアと技術の見事な融合です。

ショコラティエ パレ ド オール

パフェ パレ ド オール エテ2016(1700円)9月9日まで

新発想のショコラが人気のショコラティエ。「パフェ パレ ド オール」という商品を販売しています。赤ワインとベリーのソルベやチョコレートのアイス、10種類以上のショコラパーツをふんだんに配して、見た目の美しさにもこだわっています。夏限定として、自家製すいかとレモンミントのソルベに変えたバージョン「パフェ パレ ド オール エテ2016」もリリースされており、爽やかな味わいに仕上がっています。ショコラティエの神髄を感じさせてくれる逸品です。

「美しいパフェ」の定義とは?

パフェは、上下に高く盛り付けて、あえて器からはみ出させる。だから“踊るように”飾ることで、三次元的な空間の広がりを美しく表現できるんです。それから「美しいパフェ」の条件として外せないのが何と言っても“構成”です。

パフェの“構成”とは?

全体が均一なものはパフェじゃないんです。単に縦長の器を一種類の素材で満たしただけのものはパフェと呼びづらいですよね。対比する2つ以上の素材が入っていて、かつそれらがしっかりとした対比を持ちつつバランスがいいことが、おいしいパフェの最低条件です。

パフェには大きく2系統ある

そのパフェの主流としては大きく「フルーツパーラー系」と「パティスリー系」の2系統に分けられます。フルーツパーラー系のパフェは言うまでもなくフルーツが主役。ですから、そのフルーツを活かす構成になっていれば、シンプルであっても満足度が高い場合が多いですね。

対するパティスリー系のパフェは、パーツの数が多い傾向があります。果物をそのまま出すというより、加工したものを組み合わせでおいしくする技術に長けています。フルーツパーラー系は果物以外を極力削りましょうという「引き算」、パティスリー系は組み合わせと調和を演出する「足し算」に長けているという印象ですね。

次にパフェを食べる時には、斧屋さんならではの“パフェの楽しみ方”を参考に、五感で満喫してみてはいかがでしょう?

■関連リンク
パフェ評論家 斧屋(おのや)の「パフェ道」