賃貸マンションや賃貸アパートを契約する際、だいたい敷金や礼金が必要になりますよね。

「預かり敷金」という言葉があることからもわかるように、敷金は入居時に管理会社や大家さんに預けるお金。ほとんどの場合、退去するときの原状回復費用に充てられます。

一方、礼金とは、大家さんに支払う「謝礼金」のことです。これを仕方なく支払っている人は多いはず。

しかし、実は賃貸マンション契約金を賃料1ヶ月分安くする秘策が、この「礼金」に隠されているのです!

■礼金は「なしにして」と言えば削れる

礼金が謝礼金である以上、大家さんにとっては臨時収入、いわゆるボーナスのようなもの。

私たちは、当たり前のように「支払わなければならない」と思っていますよね。

でも、「なしにしてくれませんか?」とひとこと相談すれば、意外にすんなりと「なし」になってしまうことも多いのです。

大家さんにとって礼金は、大切な「収入」。

そのため、交渉も難しいのではないかと思われがちですが、なぜすんなり削れてしまうのでしょうか?

■礼金なしでも大家さんは損をしない!

礼金が削れるとしたら、そのぶん大家さんの収入が減るように思えますが、実は収入は減っていないのです。損もしていません。

そのカギは、「募集報酬」というものにあります。

初めて聞く方も多いと思いますが、募集報酬とは大家さんが仲介業者さんに向けたもの。

「入居者を決めてくれたら、賃料の2ヶ月分を御礼としてあげるよ」という内容の、いわゆる謝礼金のことです。

たとえば、1部屋の空室の入居者募集をする際、大家さんは仲介業者(お客さんにマンションやアパートを紹介する業者)へ、この募集報酬を支払っています。

つまり募集報酬は、仲介業者にとっては利益というわけですね。

■大切な礼金が意外と簡単に削れる理由

では、お客さんから「礼金をまけてほしい」といわれた場合、仲介業者はどのような行動に出るのか。

その際には、「募集報酬を1ヶ月分削るかわりに、礼金を1ヶ月分削ってほしい」という交渉を大家さんにしています。

募集報酬を1ヶ月分削って、礼金を1ヶ月削るということを、大家さん目線で見てみましょう。

もともとの条件は、大家さんの支出が募集報酬2ヶ月分、収入が礼金1ヶ月分です。そこに礼金1ヶ月分カットの交渉が入ることにより、支出が募集報酬1ヶ月分、収入は礼金が0ヶ月分(つまりゼロ)となります。

もうおわかりだと思いますが、大家さんにとっての支出はどちらの条件も家賃1ヶ月分になるのです。

つまり、礼金1ヶ月分を削っても、大家さんにとっての家賃1ヶ月分の支出はもともとの条件と変わらないため、礼金はすんなり削れる場合が多いというわけですね。

■仲介業者はどうやって儲けているのか

ただ、ここでひとつの疑問が沸いてきます。

募集報酬を削る交渉を大家さんにするということは、同時に仲介業者の利益も削れるということですよね。

いったい仲介業者は、どこで儲けているのでしょうか。これ、実は契約時に入居者が支払う、鍵交換費用・火災保険加入費用・保証会社加入費用などで儲けているのです。

街中を歩いていると、仲介業者が店頭に出している「仲介手数料無料」もしくは「仲介手数料半額」という看板でよく目にします。

「仲介手数料」とは、マンションなどを紹介して成約したら、賃料の1ヶ月分〜半月分を、入居者からもらえるというもの。

この「仲介手数料」が仲介業者にとっての目に見える利益であり、「鍵交換費用・火災保険加入費用・保証会社加入費用」が目に見えない利益となります。

仲介業者は、目に見える利益をカットしたほうが、お客さん対してのメリットを大きくアピールできます。そのるため、最近は「仲介手数料無料」が一般的になりつつありますが、それでは仲介業者も商売として成り立ちません。

ですから、目に見えないところでちゃんと利益をとっているわけです。

このように、礼金は思っている以上に簡単にカットできてしまう場合があるのです。礼金カット交渉により、大家さんへの影響はほぼなく、仲介業者への影響も少ないといわれています。

入居者にとってはメリットしかありませんから、「礼金をまけてほしい」と仲介業者にダメもとでいってみるといいでしょう。

ただし、すべての紹介ケースに該当するものではありませんので、あらかじめご了承ください。

(文/根本愛)