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望まない妊娠や貧困などの事情により育てられない産みの親にかわり、育ての親が実子として養育する「特別養子縁組」の利用を促進しようと、民間の4つの支援団体が8月26日、「日本こども縁組協会」を設立した。参加する支援団体の代表らがこの日、東京・霞が関の厚生労働省記者クラブで記者会見を開いた。

特別養子縁組は民法に規定されている制度だが、「日本こども縁組協会」によれば「利用を後押しするような制度や法律は存在しない」。そこで、特別養子縁組の利用を広めるため、今年秋の臨時国会で審議される予定の「特別養子縁組あっせん法案」を成立させ、現場のニーズに合った運用基準となるよう、意見書を提出するなどして働きかける。

また、特別養子縁組について正しい知識を浸透させ、1人でも多くの子どもが安定した家庭に出会える仕組みとして認知されるよう、シンポジウムやセミナーを開催していくという。

●「当たり前のものとして受け入れられるよう働きかけたい」

参加団体の1つで、病児保育などに取り組む認定NPO法人「フローレンス」代表理事の駒崎弘樹氏は記者会見で「個々の団体が声を上げるのではなく、団結して政治、行政に声を上げていくために協会を立ち上げた」と設立の趣旨を述べた。

駒崎氏によると、2013年度の特別養子縁組の成立件数474件のうち、約4割が民間団体によるあっせんだという。しかし、そのような団体への政府からの補助金は1円も出ず、ボランティアに近い形で活動せざるを得ない状況にある。

「貧困や精神的障害、社会的な孤立などによって、実の子どもを捨てる、あるいは殺すしかないところまで追い込まれた人がいる。これを解決するのが特別養子縁組という制度です。

ところが現在は、特別養子縁組に対する社会的な支援がなく、制度が広まっていないがために、子どもの虐待死が今この瞬間にも起こっています。

我々は特別養子縁組を社会全体で後押しする制度を作るため、個々の団体が声を上げるのではなく、団結して政治、行政に声を上げようと協会を立ち上げました。現在は、特別養子縁組あっせん法という議員立法を成立させようという動きがあります。民間から後押しして、現場のニーズや知見を法案に入れ込み、特別養子縁組が真に社会のインフラとなり、当たり前のものとして受け入れられるように働きかけたいです。

いつの日か、虐待死が完全に過去のものになり、『そんな時代があったんだ』と言われるような日本社会にしていきたいと考えています」

(弁護士ドットコムニュース)