育児ストレスで夫に八つ当たりしないイライラ解消法14

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出産と同時に育児は怒涛のように始まり、子どもが可愛いだけで終わりません。育児ストレスで常にイライラしたり、ノイローゼになったりする人もいます。子どもにイライラしたり、夫に八つ当たりしたりして自己嫌悪に陥らないように、上手にイライラを解消していくのが大切。ここでは、育児ストレスの原因とイライラ解消法を紹介していきます。

育児ストレスの原因

ホルモン的問題

妊娠した女性は、胎児を育むために女性ホルモンの「エストロゲン」が体内で増加します。そして出産を機にその女性ホルモンは急激に減少するのです。この女性ホルモンの急激な変化によって、母親のストレスを助長しているのです。具体的には、孤独や不安を感じさせたり、なんでも悲観的に考え、平常心でいられなくなくなったりします。本能で「赤ちゃんを守る」ことを第一優先にするので、普段より気を張り、攻撃的になります。ですのである程度、母親がイライラしたり、攻撃的になってしまったりするのは仕方のないことなのです。

金銭的問題

妊娠が判明した時から子どもが一人前になるまで、育児はとにかくお金がかかります。出産を機に退職した人もいるでしょう。産休や育休でも今まで手にしていた金額を考えると、いきなり減って焦る人もいるかもしれません。この世の中に金銭的余裕がある家庭は少ないでしょう。どの家庭も家計をやりくりしながら生活していると思います。すると「子どもにはお金がかかる」という漠然とした不安や、実際に子どもにお金がかかり家計を圧迫しストレスになります。自分の欲しいものは後回しにし今まで自由に使えていたお金が使えない、金銭喪失を味わうのも辛いですね。

肉体的問題

育児は出産後すぐに始まります。出産という大仕事を終え、骨盤はガタガタ、身体はボロボロ、それでも母の身体なんてお構いなしに24時間の育児は一息つく間もなくやってくるのです。そんな産後からの疲労の積み重ねで身体は悲鳴を上げているけど、母親に休日なんてありません。子どもをあやし、オムツを換え、授乳をし、離乳食を作り……子どもの世話は意外とやることが多く、その上、家事もとなると完全にオーバーワークです。子どもが小さいと睡眠もまとめてとることができませんね。大きくなったらなったで、行動範囲が広がり、体力的に疲労します。年中無休の24時間育児と家事は肉体的に悲鳴をあげています。

時間的問題

「可愛い子どもと一緒なんて羨ましい」と世の男性は言うかもしれませんが、実際四六時中ベッタリとされていたら、いくら愛しの我が子でもストレスは感じます。専業主婦の育児は時間ありそうと思われますが、自分の時間なんてありません。子どもが赤ちゃんの頃ですと、お母さんは睡眠時間も、食事の時間も、無いかもしれません。しかも子どもや夫の為に家事をしていることでも、泣き声一つで中断されます。「子ども一人あたりにかかる時間的ストレスは800万円に相当する」という調査レポートがあるほどです。これはあくまで推定値にすぎませんが、24時間、自分の時間がないのはもちろん、他人の時間軸で動くのは相当なストレスなのです。

精神的問題

赤ちゃんの泣き声や育児へのプレッシャー・不安、子どもの為に言っているのに思い通りにならないやるせなさ、怪我がないように神経を張り詰めている等、子育ては精神的ストレスの連続です。さらに最近では核家族化が進み、父親が仕事に出ているときは、ずっと家で母親と子どもだけという家族も少なくないでしょう。そうすると、社会から切り離された孤独感や焦燥感がものすごい勢いで襲ってきます。身近に頼れる人がいないと、とにかく孤独なのです。育児ストレスは、色んな原因があっても、最終的には心が病気になってしまうのが恐ろしいところですので気をつけていきたいですね。

どうして夫に八つ当たりするのか

育児をしている母親は色々なストレスがあるのは分かりましたが、どうして矛先が夫へ向かうのでしょうか?

その原因の一つに、「大人なのに手がかかるから」があります。靴下を脱ぎ散らかしたり、使ったものを元の場所に戻さなかったり、些細な事でも子どもに対していっぱいいっぱいな母親にとって、さらに夫の世話まで要求されるとすぐに怒りの沸点を通り越します。

また、「夫の無神経で思いやりのない態度に傷つくから」も夫に当たる原因です。書き出したらキリがないほど例はありますが、ほとんど夫にとっては悪気がないのです。それでも、「一番身近にいて気持ちを分かって欲しいのにどうして分かってくれないの!?」と感情のままにぶつけて、八つ当たりしてしまうのです。

イライラ解消法14

育児ストレスも色んな原因がありますし、皆がなるから仕方がない……

夫に八つ当たりするのも、夫に非もあるから仕方がない……

とはいきませんね。仕方のない事ですが、夫に八つ当たりを繰り返していたら、夫婦仲だって悪くなりますし、あなたの心も不安定なままで何も解決しません。

そこで、夫に八つ当たりしない為に、育児ストレスのイライラの解消法をいくつか紹介します。

1.美味しいものを食べる

普段育児に追われていると食事も矢継ぎ早にすぎていきますが、疲れた時こそ美味しいものをゆっくり食べましょう。子どもを預けて友だちとランチでもいいですし、家族で外食してもいいです。そんなお金がないという場合は、こっそり贅沢なお菓子を買っておいて子どもが寝ているときにゆっくり味わって食べて下さい。それだけでも、だいぶ心が癒されますよ。

2.外に出かける

家に子どもと母親だけで過ごし、なんともいえない孤独感や疲労感を抱えている人はとにかく外に出かけましょう。赤ちゃんも一か月を過ぎた頃から少しずつ外に出られるので、近所の公園に散歩にでかけるだけでも気分転換になります。保育園でも、天気がいい普段の日は必ず外で遊ぶ時間があります。子どもだって家の中にこもっているとストレスをかかえるので、余計手がかかって大変です。支度など大変でも、なんとか外に出かけるのをお勧めします。

3.大人と会話する機会を作る

核家族や転勤族で夫の帰宅も遅く、意識的に外出しないと、一日中会話をしなかったという経験もあるでしょう。女性はとくにお話しすることでストレス発散することがあります。育児の大変さでも夫への不満でも、愚痴は共感してくれる人にサラッと言って、あとは忘れるのがストレス発散には大切です。その為に大人と会話する機会を意識的に作ってください。どうしても周りに知り合いがいない場合は、電話でも大丈夫です。とにかく沢山お話しましょう。

4.寝る

肉体的に疲れている場合は、寝るに尽きます。色々やりたい事ややらなくてはいけない事はありますが、子どもが寝たら一緒に寝て、とにかく睡眠時間をとって下さい。眠いと正常な思考ができませんし、身体にも悪影響が出て、なによりイライラが尽きません。まずは身体が資本ですので、「イライラしてきたな」と感じたらゆっくり休みましょう。育児で頑張っているときくらい、子どもと昼寝をしても罰は当たりません。

5.ドラマ・漫画・読書をする

できれば趣味に没頭する時間が取れれば理想的ですが、本格的に趣味をしようと思ったら時間がかかったり、途中で中断しにくかったりしますね。そこで子どもが寝て一人時間の時にする趣味にお勧めなのが、ドラマや漫画、読書です。赤ちゃんが小間切れに起きても中断しやすく、また途中から見ることができます。そして三つともレンタルや図書館、家にあるテレビを利用すればそれほどお金がかかりません。赤ちゃんとお母さんだけの世界にいる人にとっては、物語の世界に入るだけでも癒されます。感動的なものを見て、たまには大泣きして感情を出し切ってもストレス発散になりますよ。

6.家事をさぼる

完璧にやろうとして家事に疲れたり、体力的にきつくて家事ができなかったりしていませんか? そんな時は家事をさぼりましょう。子どもがいると、出産前のように家事をこなすなんて不可能です。家事ができなくても、諦めるのが大切です。そうじをさぼっても洗濯しなくても死にません。ご飯を作れなければ、買ってこれば大丈夫です。たまには家事をさぼって、元気になったらまた家事も頑張ればいいのです。

7.夫に辛さを理論的に伝えましょう

どうしても夫は男なので、妻の産後のホルモンバランスによる変化や辛さは分かりません。また実際に体験してみないと育児の精神的辛さや時間的辛さはなかなか理解しにくいものです。今あなたがイライラするのは「本当のあなたじゃないこと」を伝えたり、実際に一日夫に預けてみて体験してもらったりするのもいいでしょう。つい感情的に当たってしまいますが、その前にどうして辛いのかを理論的に伝えておくと、夫も妻の感情を理解しやすくイライラすることは減るでしょう。

8.夫にしてほしいことは具体的に言う

「気持ちを察してほしい」や「子どもみたいな事をしないで」と思っていても、伝えなければ男は分からないものです。夫が手伝いたいと思っていても、何をしたらいいか分からず言い出せない場合があります。夫へのイライラを溜め込んで噴火する前に、「靴下は洗濯機に入れてね」や「食べた物は洗っておいてね」等夫にしてほしい事は具体的に伝えましょう。

9.夫に子どもの育児を頼む

「夫は仕事をしているから、育児は母親が頑張らないと」と思ってはいませんか? それで無理して頑張り、夫は休みがあるけれど、あなたに休みがないのはストレスがたまる一方です。二人の子どもなのだから、育児は二人でするものです。夫に二日休みがあるならば、一日は夫主体で子どもを見てもらいましょう。妻に休みが一日もないなんておかしいです。夫に遠慮なんていりません。

10.定期的に夫に褒めてもらう

仕事と違い、育児は母親ならばやって当たり前と思われ褒められる事はありません。感謝されることもなく、ゴールも分かりにくいので仕事のような達成感も味わいにくいです。それでも人を育て上げるのはとても大変で、偉大なことです。ですので、夫に育児を頑張っているあなたを定期的に褒めてもらうようにお願いしておきましょう。感謝の言葉でもいいです。どんなにストレスを溜まっていても、夫からの一言でまた明日も頑張ろうという気になります。また認められると自信につながるので、ストレスも感じにくくなります。そうすると夫にも優しくなり、いいことずくめなので、お互いの為に「たまには褒めてね」と伝えておきましょう。

11.子どもを預ける

育児ストレスが溜まってきついという人は、夫や両親に子どもを預けてみましょう。誰にも頼れないけれど、限界! という人は、一時保育やベビーシッターを利用してもいいです。まだ年端もいかない子どもを他人に見てもらうのは罪悪感があるかもしれませんが、疲れた顔のお母さんを見るより、少し離れてお母さんが元気になってくれる方が子どもも夫も喜びます。海外だとベビーシッターに預けて夫婦でデートするのは当たり前ですので、一日くらい母親と離れても子どもはどうって事ありません。ストレスでイライラが限界の時は、思い切って子どもを預けちゃいましょう。

12.役場に頼る

「夫にも両親にも知人にも言いたくないし、心配をかけたくないけれど、疲れた」という人は役場を頼りましょう。どの市町村にも、「保育課」や「子供政策課」等、名前は違っても母子を支援する機関はあります。そういう機関と電話や直接等コンタクトをとると、保健師や保育士、役場の育児に詳しい人等が出てくれます。身近な人には言えない事でも、第三者になら気兼ねなく話せることもあります。また、あなたの様子をみて保育園やカウンセラー、児童館等、あなたに有益な情報を提供してくれます。1人で頑張って限界の人は、役場を頼ってみて下さい。

13.支援センターや児童館へ出かける

支援センターや児童館のいいところは、自分の子どもと同じ年齢の子どもがいることや、同じ悩みを抱える母親、悩みを克服した母親がいるところです。1人で子育てしている母親にとって、同じように悩む存在がいるのは「自分だけじゃない」と安心するものです。また、他の子どもをみていると「やっぱり自分の子が愛おしい」と再確認したり、「他の子どもみたいにあんなこともできるようになるんだ」と将来のビジョンが見えたりして、心に余裕が出てストレスも軽減します。

14.仕事をしてみる

子育てストレスが溜まって、夫にあたる生活に嫌気がさしたら、仕事をしてみるのもいいでしょう。育休中の人は育休途中でも復帰したり、専業主婦の人は思い切って新しく仕事を見つけたりしてもいいです。お金に余裕がなくてイライラしている場合は収入が増えるので、金銭的ストレスは軽減されますね。何より社会と関わることや、社会に認められることは、とても気持ちがいいものです。フルタイムの仕事がきつければ、パートやクラウドソージングから始める等、働く方法も色々あります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?母親だって人間だからイライラしたって、間違ったっていいのです。たまにはイライラを夫に八つ当たりしても大丈夫です。何十年後かは、それも笑い話になります。

それでも夫への八つ当たりに落ち込む時は、今回ご紹介したイライラ解消法を参考に、育児ストレスと向き合い、上手にストレス発散していって下さい。

あなたは1人ではありません。育児の仕方も一つではありません。あなたが楽しく育児できる方法を模索していって下さい。今しかない子どもの成長を、夫と微笑ましく見守っていきましょう!