世界各国の紙幣は大半がその国を代表する人物の肖像画が描かれている。例えば、米国の紙幣には初代ワシントン大統領やリンカーン大統領、英国はエリザベス女王、インドはガンジーなどで、中国に至ってはすべての額面の紙幣に毛沢東が描かれている。(イメージ写真提供:123RF)

写真拡大

 世界各国の紙幣は大半がその国を代表する人物の肖像画が描かれている。例えば、米国の紙幣には初代ワシントン大統領やリンカーン大統領、英国はエリザベス女王、インドはガンジーなどで、中国に至ってはすべての額面の紙幣に毛沢東が描かれている。

 紙幣に描く人物に政治家や国王を選定する国は多いが、紙幣に採用する肖像画の人物選定を通じて、それぞれの国の価値観や時代背景、文化、社会情勢が垣間見えるようだ。

 中国メディアの捜狐はこのほど、日本の紙幣に描かれている人物から日本の「教育」について分析する記事を掲載した。記事は、「国家の名刺」ともいえる紙幣について、日本が独特なのは「1人も政治家がいない」ことだと指摘。現在の1万円札が福沢諭吉、5000円札が樋口一葉、1000円札が野口英世で、以前の紙幣でも新渡戸稲造や夏目漱石が描かれており、いずれも政治家ではなく啓蒙思想家や教育者、作家、科学者といった人物だ。

 この人物選定から何が分かるのだろうか。記事は、日本が教育、科学、文化を重視していることの表れだと分析。政治家どころか天皇陛下も採用されていないことを指摘し、教育や思想を重視しているからこそ、「小国である日本が世界の強国にまで上り詰めた」のだと称賛した。

 実際、日本はかなり早い時期から教育に力を入れている。1900年には義務教育無償化を実現させ、1910年には初等、中等、高等教育の在校者数が英国を超え、世界有数の教育先進国になっていたと指摘。戦後の廃墟からの再建でも、教育には惜しまず資金を投入したことが、のちに経済復興の力になったのは間違いないと称賛した。中国では文化大革命などもあり、2008年にようやく9年間の義務教育が無償となったばかりで、大きく遅れていると言えよう。

 日本は、江戸時代から庶民も寺子屋で学ぶなど、すでに世界トップレベルの高い識字率を誇っており、小泉元総理大臣も引用した「米百俵の精神」からも分かるように、教育を重視する風潮が昔から存在する。記事も指摘しているように、こうした教育重視の姿勢が日本を短期間で復興させた要因であることは間違いないだろう。それが紙幣から垣間見られるというのは興味深い分析である。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)