癒やし効果に期待!五感で楽しむ新しい森林浴「森林セラピー」

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Fuminners読者の皆さんは日頃忙しくしている人が多いはず。「日々のストレスから解放されたい!」、「日常から離れて自然の中でゆったり癒されたい!」と思うことはありませんか?そんな人におすすめしたいのが、自然の中で身体を癒す「森林セラピー」。
 
普段の生活で十分に使いきれていない「五感」をフル活用することで、心身の癒し効果が望めます。「森林セラピー」はレジャー感覚で楽しむことができ、不眠への効果も期待できるのだとか。山は慣れていないし、重装備が必要では…という心配もご無用。専門のガイドさんが案内してくれるので、迷う心配もありません。
 
今回は「森林セラピーの楽しみ方」を、森林セラピーソサエティの瀬上清貴さん、鈴木舞恋さんに教えていただきました。動きやすい服装を整えたらいざ出発!

「散策」と「安息」がベース 心と身体を整える森林セラピー

1980年代、当時の林野庁長官の秋山智英さんが、「森の中を歩くことは身体に良いに違いない」という信念をもち、それを言葉にしたのが「森林浴」。そして、森林浴から一歩進んでその癒し効果を科学的・医学的に解明し、普及させる試みが「森林セラピー」です。
 
日常の喧騒から離れて自然の中に身をおくのはそれだけでもリフレッシュになりますが、森林セラピーではさらに効果的に心身をリラックスさせることができるんですね。様々なプログラムがありますが、「森林セラピー」には「散策」「安息」の2つのプログラムが欠かせないそう。
 
■森林散策
森林を歩かないと、森林セラピーは始まりません。森林ウォーキングやノルディックウォーキングをしながら、森の癒しを体験していきます。
 
■森林安息
森林の中で横になること、休息をすることも森林セラピーでは必須。癒しの効果があるとされている森林の香り成分「フィトンチッド」は、空気よりも重いので地面の方にたまっていきます。寝転んだり座ったりして低い姿勢になることで、より多く取り入れることができます。また、リラックスするために、ヨガや呼吸法、アロマテラピーなどを体験するプログラムもあります。

「五感」をフル活用して森の癒し効果を最大限に

森林セラピーでは、森の癒しを感じるために、「五感」を使うことを大切にしています。
 
・「見る」:森の豊かな緑の景色や木漏れ日、動植物を見る
・「聴く」:そよ風が葉を揺らす音や鳥のさえずり、小川の流れなどを聴く
・「嗅ぐ」:フィトンチッドなど樹木の香り成分、葉っぱや花の香りを嗅ぐ
・「触る」:手のひらや足の裏で木の幹や葉に触れて、自然由来の心地よさを感じる
・「味わう」:キノコや湧き水など森の豊かな味覚を味わう
 
森林の中で五感を研ぎ澄ませて、森林浴を楽しむこと。そうすることで、森の癒やしを身体いっぱいに感じることができます。普段の私たちの生活では、なかなか五感をめいっぱい使うことはありません。何か作業をしながら頭では別のことを考えていたり、2つも3つも同時にタスクを片づけていたり…1つのことや1つの感覚に集中する時間を持てていない人も多いはず。
 
そこで、五感を使うサポートをしてくれるのが、セラピー基地の森林セラピーガイドや森林セラピスト。ガイドさんと一緒に森林を歩くと、何を触ってみるか、どんな順番で五感を働かせるとよいかなど、指導をいただきながら森林浴を楽しめます。

森林セラピーはセラピスト・ガイドのサポートが安心

各地のセラピーロードの中には、ガイドをつけずに自由に回ることができる場所もあります。ただ、安全に森林の癒しをきちんと感じたいのであれば、やはり、まずはガイドの適切なサポートを受けることが大切。
 
「一人で歩いた場合とガイドをつけて歩いた場合では、後者のほうが心身の健康効果がより出たという研究結果が出ています。というのも、ガイドをつけずに歩くと、ただのウォーキングになってしまう場合がほとんど。ガイドがいれば、『ここで鳥のさえずりを聴いてみましょう』『ちょっと目を閉じてみましょう』など五感を使って森を感じる方法を誘導してくれますので、一人で歩くよりもより楽しみやすいと思います」(瀬上さん)
 
また、森の中は、慣れていない人にとっては未知の場所であり、決して安全なところとは言えません。その意味でも、森林に詳しいガイドさんは頼もしいもの。一緒に歩くことで、安全をきちんと確保することができます。
 
「森の中は危険なところがたくさんあります。有毒な蛇や虫もいるので、どういうところが危なくて、どこが安全に楽しめるかは、その森のプロフェッショナルが一番よく知っています」(鈴木さん)
 
不眠にも効果があるという森林セラピー。実際、眠れない症状を抱えていた方が参加したとき、ガイドさんが少し長めに安息の時間をとる工夫などをして、森の中で「久しぶりにゆっくり眠れた」という体験ができたそうです。セラピーを受ける際は、事前に不眠などの症状を伝えておくと、それに合わせたプログラムを森林セラピストさんが調整してくれます。。

森林セラピーの成功体験が身体によい循環をもたらす

ごく短い時間であっても「自然の中でリラックスした」「よく眠れた」という成功体験が持てたなら、それは森林セラピーによるとても貴重な経験。自然がもたらす効果を体感できてこそ、普段の生活にも活かしていけます。
 
定期的に森林に通ってダイナミックなスケールで森林の癒しを受けられれば良いのですが、そう何度も定期的に通えないという人は、一度成功体験を持った後の過ごし方が大事。
森林セラピーで癒し効果を実感した後に、たとえば「近くの公園へ行く」「ヒーリング音楽を聴く」「アロマテラピーを楽しむ」など、日常に自然のエッセンスを取り入れる方法を実践するとより効果的になります。
 
「まずは、適切なガイドの指導を受けて実感し、二度三度、経験してみてください。自然の楽しみ方や五感の使い方を体感して成功体験をした上でなら、そのあとは、自分なりのやり方で活かして頂けると思います」(瀬上さん)

おすすめ森林セラピー基地

森林セラピーのプログラムの内容は、各地でさまざま。場所によっては山菜や野菜のヘルシーな食事を楽しんだり、民泊体験なども可能。森林セラピーが体験できる基地は、現在全国で62か所あります。
 
▼森林セラピーが活発な主な基地
・長野県信濃町:癒しの森
http://iyashinomori.main.jp/
 
・鳥取県智頭町:鳥取砂丘を育む源流の森
http://cms.sanin.jp/p/chizu/sanson_saisei/therapy/
 
・東京都奥多摩町:おくたま巨木に癒される森
http://okutama-therapy.com/
 
・山梨県山梨市:三富川浦西沢渓谷
http://www.yamanashishi-kankou.com/iyashi/therapy_text/therapy.htm
※フフ山梨
http://fufuyamanashi.jp/
 
・東京(代々木公園など)で森林セラピーイベントを随時開催
森林セラピーソサエティのFacebookページで随時案内
https://www.facebook.com/Foresttherapy/
 
▼おすすめの季節
・フィトンチッドの濃度が高い6月から8月(ただし、この時期は夏の暑さがきついので、出かけるならば高原の森がおすすめ)
・天候が安定しやすい秋
・冬に雪の中で行うプログラムなどもある
 
▼注意事項
・ハイキングをする程度の装備 虫よけやイバラなどによる小傷防止のため長袖が必需。
・蜂に刺されやすくなってしまうため黒い服や香水などは避ける
・雨天時は無理をせず安全を確保する
 
科学的に実証された自然の癒し効果を体感し、そこで得た成功体験を生活に取り入れていけば、心身がストレスから解放され、安定感を取り戻すきっかけになるはずです。「都会の喧騒に疲れた」「ストレスがたまっている」と感じたときは、心身からの不調のサイン。今度の休日に思いきって「森林セラピー」に出かけてみてはいかがでしょうか?
 
監修:特定非営利活動法人森林セラピーソサエティ 瀬上清貴・鈴木舞恋

photo:Thinkstock / Getty Images