「水分補給」ではなく「体液補給」 ――赤ちゃんとポカリスエットにまつわる疑問をきいてきた

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うだるような暑さが続くここジャパンは残暑まっさかり。大人ですら参ってしまうこの気温、体温調整機能が未熟な赤ちゃんにとっては危険極まりない環境……。

「こまめな水分補給を」と言われても、何を、いつ、どれくらい与えれば「適切な補給」といえるのか。今回は「ビーンスターク ポカリスエット」を販売する雪印ビーンスターク社のご協力で、夏の赤ちゃんをカラカラにさせない「イオン飲料」との付き合い方をレクチャーしていただいた。レッツ、イオンサプライ!


■私たちの身体には「内なる海」がある


「最近ようやく認知されてきましたが、熱中症は外だけではなく、家の中にいても起こりうる現象なんです」。そう話すのは雪印ビーンスターク広報担当の田中健一さん。

年次別男女別熱中症死亡数を見てみると、明らかにここ数年で一気に上昇している。
「急に気温が上がったというより、生活の快適化により、全体的に暑さに弱くなっている……ということがあるかもしれません」。

出典:厚生労働省人口動態統計より中井作図
「熱及び光線の作用」(T67)による死亡数を集計

さらに年齢階級別・発生場所別患者数割合(2013年)のグラフに目をやれば、0歳〜6歳までの乳幼児、そして65歳の年配者がとくに多いことが分かる。


「乳幼児は汗腺が未発達で、体温調節がうまくできないのはもちろん、たとえば気温が32度のとき、地面から50cmの高さでは35度、5cmの高さでは36度になっています。ベビーカーで移動することが多い赤ちゃんは大人よりずっと「暑さ」を感じているわけです」。そしてこう付け加える。「何より、赤ちゃんは『暑い』とか『水が欲しい』とか言えないので」。
たしかに夏でも冬でも「暑さ」を感じたときに子どもはグズグズする傾向にあるかも……。

私たちの身体は多くの水分で成り立っている。田中さんいわく、「身体の中に『内なる海がある』なんて言われるくらい」。
海……そう身体の水分(体液)は、真水ではなく、ナトリウムなどのさまざまな“イオン”が含まれているということ。汗がしょっぱいのはこのためで、「大量の汗をかくことで水分と一緒にナトリウムも奪われてしまう。そうすると、身体のイオンバランスが崩れてしまい、健やかな生活が送れなくなります」。

たくさん汗をかいたらその分たくさん水を飲めばいいというわけではない。
「自発的脱水といいまして、ただ水だけだと、身体は『ナトリウムが薄まった』と判断してしまい、さらに水分を排出しようとしてしまうんですよ」。なるほど、汗をかいたら「水分」というより、「身体の中の水分=体液」を補わないといけないというわけだ。

■ポイントその1“ナトリウム量”


それでは本題。暑さに弱い乳幼児にとって最適な「水分補給」について伺う。
よく、「赤ちゃんは母乳やミルクで水分は取れているので、それ以上とくに与える必要はない」なんて話はよく聞くが……「もちろん、赤ちゃんにとっての基本は母乳やミルクです。ただし、先ほども言いましたように赤ちゃんは『水分が欲しい』とは言えませんので、お風呂あがりやお散歩のあと、汗をよくかいたときは、出来る限りこまめに与えたほうがいいと思います」と田中さん。

ポカリスエットを販売する大塚製薬のサイトに、こんな実験が紹介されている。健康な成人9名を対象に体重の4%を脱水させた後、脱水したのと同じ量の水を与えたグループ、同じ量のポカリスエットを与えたグループ、何も与えなかったグループで、血漿量(血液の液体成分で、本当に身体の中に水分が入ったかを見る指標)の変化を調べたところ、何も与えなかったグループは言わずもがな、水分だけを摂取したグループよりポカリスエットを与えたグループのほうが速やかに回復したことが示された。


厚生労働省も、「熱中症対策として推奨する飲料の塩分濃度は0.1〜0.2%」としている。これはl00ml中に40〜80mgのナトリウムが必要という計算だ。ちなみにポカリスエットには100ml中に49mgのナトリウムが含まれている。「汗とポカリスエットのイオン構成はほぼ同じ。つまりポカリスエットを飲めば“出ていったものと同じものが入る”ということになります」。


そして目安にすべき量については、「1日に必要な水分量は1歳の子どもで1.1リットルくらいと言われています。そのうちの2割前後であれば問題ないのではないでしょうか。その日の気温や赤ちゃんの健康状態(発熱など)で、状況に応じて調整してあげてください」。

ただ、「気を付けてほしいのは、6ヵ月未満の赤ちゃんに白湯やイオン飲料を与えすぎて、肝心のおっぱいやミルクが飲めなくなってしまうことですね。味が濃くて浸透圧(※)が高いものも、かえって赤ちゃんの身体に負担になるので、注意しましょう」とのこと。
(※体液は薄い膜をはさんで細胞の内と外で同じ圧力で釣り合っていなければならず、その圧力を《浸透圧》、そして釣り合っている状態を《等張(アイソトニック)》という。浸透圧は年齢によって異なる)

■ポイントその2“赤ちゃんに即した浸透圧”


ということは、汗っかきの赤ちゃんにはポカリスエットをあげればいいの?
田中さんはこう話す。「3か月頃からの赤ちゃんにより適したイオン飲料として開発したのが『ビーンスターク ポカリスエット』です。普通のポカリスエットとの違いはいくつかありますが、最も大きいのは『浸透圧』ですね」。


赤ちゃんの浸透圧は285m0sm。「砂糖を使用せず、カロリーや炭水化物、添加物も極力抑え、浸透圧を赤ちゃんのそれに合わせたものが『ビーンスタークポカリスエット』です。まさに赤ちゃんのためのイオン飲料です」。おっぱいやミルクをのまなくなってしまうことがないよう味は薄くしつつ、機能はポカリスエットと一緒なのがポイントです。

「大人用のポカリスエットを水で薄めて与える方がいらっしゃいますが、そうするとイオン濃度が変わってしまう。薄めてもビーンスターク ポカリスエットにはなりません」。

この時期、汗っかきな赤ちゃんに適した水分補給に適したイオン飲料があることは分かった。ただ、イオン飲料を与えるときに頭をかすめるのが「むし歯問題」……。「むし歯はミュータンス菌が栄養とプラークによって増殖して引き起こされるもの。物理的にキレイにしておけば問題ないと思います。元々赤ちゃんは唾液が多いので、むし歯にはなりづらいですし。ただ寝る前に与えてそのまま寝てしまう……などはリスクが高いかも。その後少量でもお水を上げるなどしてください」。

夏は「水分」より「体液」補給。それは赤ちゃんのみならず大人でも同じこと。実際「ビーンスターク ポカリスエット」を試飲してみると、シンプルで飽きのこない味だった。ママパパと赤ちゃんの健やかなサマーライフのために、適切な水分補給知識を身につけておきたい。


ビーンスターク ポカリスエット
http://www.otsuka.co.jp/bst/product/poc/

西澤 千央(にしざわ ちひろ)
フリーランスライター。二児(男児)の母であるが、実家が近いのをいいことに母親仕事は手抜き気味。「散歩の達人」(交通新聞社) 「QuickJapan」(太田出版)「サイゾーウーマン」などで執筆中。