大人の階段を昇りたい。そう思いつつも、会社と自宅の往復ばかりで鬱屈とした日々を送っている。新卒から早数年、十数年。変わらない毎日に時折、むなしさをおぼえる人たちもいるのではないだろうか。そんな人におすすめしたいのは「行きつけの個人店で飲む!」という選択肢だ。

行きつけのお店をつくり、常連になるための4つのステップ

 飲み屋の常連になるというのは、ある意味“粋な大人”の代名詞にも感じられるが、ビジネスパーソンとしてのメリットもいくつかある。その場所で出会う人たちはお酒を共に楽しむ仲間であるが、ふとしたことから、ふだんとは異なる繋がりが生まれる場合もある。また、様々な世代が今何を考えているのか、関心があるのかにふれる絶好の機会にもなりうる。

 そこで、記者自身の経験から、ビジネスパーソンにもきっと役立つ「飲み屋で常連になる」ためのステップを紹介してみたい。

◎カウンターがあるお店ならば誰とでも自然に仲良くなれる

 飲み屋とひとくちに言っても千差万別だ。近頃は、安さをウリにするチェーン店も数多く見かけるが、常連になるならやっぱり個人店をおすすめしたい。

 選ぶならば、できればカウンターのあるお店。店主やスタッフと仲良くなりやすいし、隣り合った見知らぬお客さんとも交流を図りやすい。入口付近がガラス張りになっているお店ならある程度、店内の雰囲気も分かるから安心。あとは扉を開ける勇気があれば大丈夫だ。

行きつけのお店をつくり、常連になるための4つのステップ

◎店主やスタッフに「これってどんなお酒ですか?」と尋ねてみる

 勇気を出してカウンターに座ったものの、周囲では常連さんたちが和気あいあいとしていて気まずい……。初めのうちはどうしても緊張してしまうものだが、まずは第一歩として、カウンター越しに向き合う店主やスタッフに声をかけてみよう。

 例えば、注文時に「これはどんなお酒ですか?」と聞いてみたり、さりげなく「このお店っていつからやってるんですか?」と質問してみるだけでも十分。味方に付けるというのは仰々しい言い方とはなるが、後々、お客さんとの仲を取り持ってくれる場合もある。ただし、忙しそうにしていたりするときは、作業の邪魔にならないよう気を配ろう。

◎勇気を持って会話に加わり“聞き役”に徹するのがポイント

 店主やスタッフと打ち解けられたら、今度は常連さん同士の輪に飛び込んでみたい。お店の人たちが仲を取り持ってくれる場合もあるが、やはり、自分から会話に加わろうとする“積極性”も大切だ。

 心がけておきたいのは、周囲の話に耳を傾けつつ会話の“隙”を伺うということだ。相手がどんなものに興味があるのかをじっくりと聞いて、共通する話題がありそうならさりげなく「◯◯好きなんですか?」と声をかけてみよう。

 どんな場面でもそうだが、人間同士が心を開くには時間もかかる。勇気を持って問いかけてみたら、聞き役に徹するのも大切。イメージとしては「10ある話題のうち9つは聞き、自分の思いを1つ話す」ということ。お酒が入っているとはいえ、向き合うのは“人と人”である。ついつい気が大きくなり、自慢話を延々と繰り返すようなことはもちろんタブーだ。

行きつけのお店をつくり、常連になるための4つのステップ

◎ある程度定期的に足を運ぶのも大切

 お酒はあくまでもコミュニケーションの手段である。結局、そこにあるのは人と人の繋がりなので、定期的に足を運んで店主やスタッフ、他のお客さんたちに顔を覚えてもらうのも大切だ。

 もちろんお財布と相談の上だが、初めのうちは週1回ほどの頻度で短時間でも顔を出すだけでなじみやすくなる。決まった曜日に行けるなら、よりいっそう印象付けられる。何らかの事情で、足を運べなくなったときに「最近見なかったけど何かあったの?」と声をかけられたりすると、やっぱりうれしいものである。

 また、社会人になれば転勤などで引っ越す機会もあるだろうが、初めて住む街で行きつけのお店を作れれば“心の支え”にもなる。

行きつけのお店をつくり、常連になるための4つのステップ

 ある飲み屋の店主に“常連さんの心得”を尋ねてみたところ、「お店に対してもお客さん同士でも、気を配ってくれる人は嬉しい」と応えてくれた。何度も何度も繰り返すことではあるが、やはりそこには“人と人”の繋がりがある。無礼講などとは自分から口にせず、最低限の礼儀やマナーをふまえた上でお酒を楽しむというのが何よりも重要だ。

 飲み屋とは“社会の縮図”であり、さまざまな世代や職種、たくさんの思いを抱えた人たちが行き交う場所でもある。疲れたり落ち込んだり、そんなときにも自分を支えてくれる存在。日常が何だか面白くない、毎日に変化がなくてつまらないと嘆く人たちにはぜひ、勇気を持ってその入り口を開いてみて欲しい。

取材・文=カネコシュウヘイ