■連載/文具ソムリエール菅 未里の「誘惑文具」

残暑お見舞いを申し上げます。

まだまだ暑さは続きますね。スイカ、かき氷、浴衣に花火と夏だけの楽しみはたくさんありますが、実は文房具にも、夏こそ味わいたいものがあるんです。

◆ガラスペンで涼をとる

見るだけで涼しくなる?ガラスペンに過ぎゆく夏を見る

涼しげだと思いませんか? 川西硝子の「ガラスペン」です。

ガラスペンとは文字通り、ガラスでできたペンです。夏になるとガラスペンをお買い求めになる方が増えるのは、やはり涼を求めてのことでしょう。なお、インクはターコイズブルーが人気なのですが、これも、色が涼しげだからでしょうか。

 ところが、ガラスペンには実用性にちょっと難があるものもあるんです。ガラスペンはつけペンのように先端をインクにつけて使うのですが、ペンを立てないとなかなか書けなかったり、インクの持ち、つまり筆記距離が短かったり。

 川西硝子のペンの優れている点は、デザインだけではなく、実用性も高い点です。書きやすいですし、なんといってもインクをたっぷり保持してくれる。A4の紙に線をいっぱい書いてみたんですが、インクはもってくれました。

見るだけで涼しくなる?ガラスペンに過ぎゆく夏を見る

 それと、ガラスペンはアフターサービスがなく、壊れたら捨てるしかないものも多いのですが、川西硝子にはアフターサービスがあります。これも素晴らしいですね(もちろん壊れ方によっては修理ができないこともあります)。

◆インクの濃淡を楽しめる

 お客様には、暑中見舞いを書くときにいかがですか、というご提案をすることが多いですね。書く際にインクが多く出るので、筆跡が太く、また、インクの濃淡が強く出るのが特徴です。文字に味が出るんですよ。

 そうそう、インクをつけるときには、インクボトルの口にペン先を当てて余分なインクを落とすんですが、その音がまたいいんです。風鈴を思わせる、涼しげな音です。暑いうちに一本、いかがですか?

見るだけで涼しくなる?ガラスペンに過ぎゆく夏を見る

菅 未里

文具ソムリエール。毎日の生活がちょっと楽しくなる文房具を紹介するウェブサイトhttp://misatokan.jp運営。大学卒業後、文具好きが高じて雑貨店に就職しステーショナリー担当となる。現在は会社員として働く傍ら文具ソムリエールとしてメディアで文房具の紹介、執筆、撮影協力などの活動を行っている。

構成/佐藤 喬 撮影/干川 修

■連載/文具ソムリエール菅 未里の「誘惑文具」