今年5月、27歳になる張峰さんは末期の悪性軟部腫瘍(がん)と診断され、余命半年を宣告された。その半分が過ぎた今、張さんは自分に奇跡が起こることを固く信じ、末期がんの身体をおして、四川・チベットへの自転車の旅に出たいと考えた。

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今年5月、27歳になる張峰さんは末期の悪性軟部腫瘍(がん)と診断され、余命半年を宣告された。その半分が過ぎた今、張さんは自分に奇跡が起こることを固く信じ、末期がんの身体をおして、四川・チベットへの自転車の旅に出たいと考えた。成都商報が伝えた。

チベットに行った経験はなく、自転車旅行の経験もなかった張さんにとって、途方もない大胆な計画だった。「自分自身に挑戦すると同時に、がんは決して恐ろしい病気ではなく、何よりも大切なのは自分の心の持ち方であることを、他のがん患者に伝えたかった」と彼は話した。

張さんの計画リストは、四川・チベットへの自転車旅行、ソロ公演、一風変わったお葬式など、さまざまな項目で埋め尽くされていた。自転車旅行に行くと決心したとき、家族は最初反対したが、何度も話し合った末、ついに実現の運びとなった。今年8月、張さんは3人の友人とともにチームを組んで装備を整え出発した。成都を出て、雅安、康定、理塘の各地を経由し、最後にはラサに到着するという計画だ。

他の自転車旅行者とは異なり、張さんのバッグには8箱分の薬が入っている。北海からやって来たバナナさん(仮名)は、今回の四川・チベット自転車旅行の同行者の一人だ。「私は『お手伝いさん』兼『用心棒』だ」と話すバナナさんは、6月、張峰の病状を聞いたとき、大きな悲しみに暮れた。2カ月後、友人たちとの自転車旅行の計画の話を聞いて、自分も何かすべきだと彼は感じた。そして、深く考えずに仕事を辞め、飛行機で成都に飛び、張さんに同行した。道中、張さんの面倒を見て、彼を保護する役目を引き受けたバナナさんは、「このチャンスを逃すと一生後悔する」と話す。バナナさんは、今回の自転車旅行を撮影し、ドキュメンタリーフィルムを制作するつもりだという。

張さんの家族は、彼の身体を何よりも心配している。張さん本人も自分の身体についていろいろ考えている。「私はもはや無理をすることはできない。自分の身体のことは、自分が誰よりもよく知っている」と話す張さんは、雨の日と夜間は決して自転車に乗らないと決めている。診断を受けてからこの3カ月間、張さんは一度だけ泣いたことがある。手術が終わり、退院して自宅に戻った時、家族が心配するのを聞いて、耐えられなくなり涙した。「私が最も残念に思っているのは、結婚して子供を作り、両親に孫を抱かせてあげられず、親孝行できなかったことだ」と張さんは語った。(提供/人民網日本語版・編集/KM)