Doctors Me(ドクターズミー)- 命を落とす危険も...アウトドアで気をつけたい有毒生物

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夏から秋にかけては、山や海、川などのアウトドアを楽しめる絶好の季節ですね。ただし、自然と触れ合うには、多くの危険もつきものです。

今回は、アウトドアで気をつけたい有害・有毒な動物や虫について、医師に聞いた話をお伝えします。

アウトドアで気をつけたい「ヘビ」

ヘビ
毒を持ったヘビは、水田、畑、野原、山林、水辺など、私たちの身近な環境で生息しています。

マムシ


マムシは主に「出血毒」と呼ばれるタンパク質を溶かし血管組織を破壊する毒を持っています。

マムシに咬まれるとしばらくして激痛におそわれ、内出血が広がって腫れ上がり、ひどい場合には筋肉細胞が壊死を起こします。致死率は低いものの、後遺症を残す場合もああります。

ヤマカガシ


ヤマカガシは、北海道と沖縄を除く日本全国に生息しています。

ヤマカガシの出血毒は強力で、血液を止まらなくします。腫れ・痛みはほとんどなく、咬まれて数時間~1日ほどたつと皮下出血、内臓出血が全身におこります。
ひどい場合は急性腎不全や脳出血によって死にいたる場合もあります。

また、ヤマカガシは首の部分に別種の毒を持ち、この毒液が目に入ると充血や痛みを生じ、結膜炎、角膜知覚麻痺炎、最悪の場合失明することがあります。

ハブ


沖縄諸島と奄美諸島に棲息し、ときにはネズミを追って家屋内にも侵入し、被害が発生しています。

強力な出血毒をもっていて、ハブに咬まれると血管組織が破壊され、すぐに激しい痛みと皮下出血による腫れが進行します。

症状が重篤になると内臓出血、循環器障害を引き起こし、ひどい場合には死に至ります。

ヘビに咬まれてしまったら...

【注意すること】


原則としてヘビを見かけたら近づかないことです。危険なポイントとしては以下のような場所に注意しましょう。

■草の多いやぶ
■道を外れた森の中
■湿地帯、川付近

立ち入らざるを得ない場合は、地面を叩いたりして、人間の存在をヘビに知らせてください。
また、熱に反応して攻撃してくるヘビもいるので、肌を露出して草むらに入らないようにしましょう。

【ヘビに咬まれてしまったら】


咬み傷だけでなく、ヘビそのものの姿を見て、できれば特徴を覚えていてください。

また、以下のこと以外、応急処置としてその場で一般の人ができることはほとんどありません。

■安静にする
■咬まれた局部を動かさない
■すみやかに医療施設に行く

毒ヘビに咬まれても決して慌てないことです。脈が速くなると、毒の回りが早まるので、まずは落ち着きましょう。
移動するときも走らないようにしてください。多少時間が経過しても、病院で受ける処置は十分有効です。

俗に言われる「傷口を切開して毒を吸い出す」「縛って毒を止める」などの方法は、危険なのでやらないでください

アウトドアで気をつけたい「ハチ」

ハチ
自然の山野で最も気をつけなければならない危険な虫に、ハチがあげられます。特にスズメバチが最も危険で、死亡事故なども例があるようです。

スズメバチ


スズメバチの毒には強力な溶血作用がありますが、問題なのは、免疫反応に伴うアレルギー反応です。
過去にハチに刺された経験があると抗体が作られ、二度目に刺されたときに、アレルギー反応が生じる人がいます。

アレルギー反応は、数分〜30分以内のうちにあらわれ、アナフィラキシーなどの重篤な場合もあります。

症状が短時間で、すぐあらわれるほど危険です。

アシナガバチ


おとなしい性質ですが、実はスズメバチなみの猛毒を持っているといわれています。
この毒で、痛みや腫れを引き起こし、場合によっては、アナフィラキシーショックを含むアレルギー症状や、血圧低下、組織の破壊などの症状がみられます。

クマバチ


クマバチは、日本固有のミツバチの別名です。スズメバチを「クマンバチ」と呼ぶ地域もあるので混同されやすいようです。
クマバチは基本的に温厚で、めったに人を刺すことはありません。それでも、何かの折に刺されてしまうと、痛みはかなりあり、死に至る毒はありませんが、数日程度患部が腫れます。

ハチに刺されてしまったら...

【注意すること】


いずれのハチも、巣があるのに気付かないで不用意に近づくと危険です。ハチが飛んでいる場合、その近くに巣がある可能性が高いので、注意深くまわりを観察しながら歩く必要があります。

スズメバチは9月中旬~10月中旬にかけて交尾の時期を迎え攻撃的になるので、特に気をつけましょう。
「カチカチ」という警告音・威嚇音は、スズメバチの最後通告なので、聞こえたらすぐにその場を離れましょう。

【ハチに刺されてしまったら】


ハチに刺されてしまった場合、その場で応急処置を始めてしまうと、ハチの仲間が集まって来るので、まずは安全な場所に避難して下さい。

それから、針が刺さっていれば抜き、傷口をきれいな水で洗いながら、血と一緒に毒を皮膚から絞り出して下さい
ハチに刺された場合はけっして応急処置で止めず、傷口を冷やしながら、必ず病院で医師の診断と治療を受けてください。

アウトドアで気をつけたい「有毒・有害な虫」

毛虫

毛虫


毛虫は、草むらや木のそばに行いて、直接刺されなくても、毛が風に乗って飛んでくる場合もあります。刺されると毛虫皮膚炎と呼ばれる炎症が起きます。
痛がゆく、ひりひりして、ひどい場合は水ぶくれができて、発熱したり、アナフィラキシーショックを起こす場合もあります。

ヒル


川などの淡水に多く、陸上にもいます。噛まれても麻酔成分があり、痛みを感じないことが多いようです。
しかし、血液が凝固しない成分を出しているので、ヒルが離れた後も数時間ほど出血が続くことが多いようです。

ヒル自体に毒性はありません。ただ、まれに強いアレルギー反応が起きる場合もあります。

ムカデ


ムカデは湿った場所を好み、日本全国に生息します。本能的に動くものを襲い、噛んで酵素毒を皮膚につけます。
ムカデに噛まれると、チクチクした痛みと、腫れと痒みが出てきます。もしも発熱、吐き気などが出れば、すぐに病院で受診しましょう。

ムカデの毒はハチと毒の成分が似ていて、やはりアナフィラキシーショックを引き起こす場合もあります。

有毒・有害な虫に刺されたら...

有毒な虫がいそうな場所を避けるのが一番安全ですが、どうしても立ち入る場合は、肌を露出させないことが大切です。
見えないところに手をいきなり突っ込んだりせず、必要に応じ、軍手を使用すると安全でしょう。

市販の虫除けスプレーなどでもある程度効果がありますが、ヒルにはヒル用の忌避剤もあります。

毛虫


まず、ガムテープなどで毛を取ってから、流水で洗います。そのあとは、病院で手当てを受けましょう。

ヒル


ヒルに食いつかれたとき、掴んで無理矢理剥がそうとすると傷口を広げて出血量を増やしたり、ヒルのもつ病原菌が人間の体内に注入されたりする危険性があります。
無理に引き剥がさず、ライターの火を付けたり塩をかけたりして落とします。

患部から血を絞り出しヒルの分泌物を排出し、水洗い・消毒した後に抗ヒスタミン剤などの虫さされ用軟膏を塗布し、絆創膏などで傷口をふさぎます。
アレルギー反応が出た場合は、病院にて診てもらいましょう。

ムカデ


ムカデに噛まれた場合、絶対に冷やしたり、毒を吸い出したりしないでください。
43℃以上の熱めのお湯(火傷しない程度)で、5分以上洗い流し、ステロイド系の軟膏やクリームを広めに塗ります。

ムカデの毒でもアレルギー症状が出る場合があります。噛まれた箇所の痛み以外に、悪寒、頭痛、吐き気などの症状が出た場合は、速やかに病院へ行ってください。

【医師からのアドバイス】

自然には危険もつきものですが、原則として危険な生き物や虫には近づかないことが大切です。
また、草むらなどにはいるときは気を抜かずによく周りを観察し、肌を露出させないよう気をつけてください。

万一、刺されたり咬まれたり、刺されたりした場合は、慌てずに「何に噛まれたのか」という事態を把握し、できる処置をした上で、早めに医療機関に相談してください。

(監修:Doctors Me 医師)