ほんとうにおすすめできるトースターはありません「とと姉ちゃん」123話

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連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第21週「常子、子供たちの面倒をみる」第123話 8月24日(水)放送より。 
脚本:西田征史 演出:安藤大祐


会社で同僚に再婚を勧められる星野(坂口健太郎)だったが、気のない素振り。
でもその日は常子(高畑充希)が家に来ることになっていた。

花山(唐沢寿明)が心血注いで書いたトースターの原稿は「情けなし」「手抜き」「情けない」と辛辣な言葉が続き、見出しに至っては ほんとうにおすすめできるトースターはありません に。
刷り上がった誌面の未来のビジョンが出てきた後、出版用語でいうところの「校了」(編集作業がすべて終わってあとは印刷するだけとなる)した編集部員たちが飲みに行く場面に。

そして、常子は約束の星野家へ子どもたちの面倒を見に行く。
ニンジン嫌いな青葉のために、すりつぶしてコロッケにして食べさせる常子。
帰ってきた星野は、かつて常子がお味噌汁をつくってくれたことを思い出す。
常子のひと工夫によって、お手伝いさんの立場なし。どんどん常子が星野家にとって必要な人物になっていく。

たとえば、再放送中の朝ドラ「てるてる家族」(03年)では家政婦の弘子ちゃん(森口博子)は住み込みということもあって家族にすっかり溶け込んでいるが、「とと姉ちゃん」のお手伝いさんは徹底的にビジネスライク。ひとくちにお手伝いさん、家政婦さんといってもいろんなタイプがあるようだが、「とと姉ちゃん」における星野家とお手伝いさんのドライな雇用関係はどうにも世間(視聴者)が許せない感じになっている。

さて、ここで疑問。小橋家や花山家はお父さんが帰ってくると、妻と子は玄関にちゃんと迎えに出てきていたが、星野家はそういうのがない。常子と子どもがきゃっきゃやってると、星野はそっと居間に顔を出す。お父さんの威光を笠に着ない、新しい時代の父親の登場を描いているのだろうか。

ひとしきり、星野と子どもたちと楽しんだ後、家に帰ると、美子(杉咲花)が結婚の話を・・・。
さて、もうひとつ疑問。美子が恋人に何か告白めいたことをされて帰宅したときの音楽がミステリーコメディか何かを思わせる調子だったこと。いったいこれはどういう意味なのか。
わーって喜ぶ常子の顔だけで美子の顔が映らないことにも狙いがあるのか。

高畑充希は、満面の笑顔の時(美子のおめでたい話を聞かされる)と、顔をちょっとくちゃっとさせて笑顔の中に複雑な心理が働いている時(星野にみそ汁の話をされる)とを鮮やかに使い分ける。

124回も楽しみです。
(木俣冬)