「健康になりたい」ー。世の誰もが漠然と願う普遍の欲望といえば「健康」ではないでしょうか。テレビをつければ、長生きする方法や「〜すれば寿命が延びる!」といった話題で溢れかえっているこのご時世、その関心の高さを象徴しています。あなたもメディアで目にする健康法を試したことがあるはず。ただ、万人に効く健康法や考え方となると、今試していることが私たちに必ずしも効果があるとは言い切れません。あなたが信じているかもしれない健康神話について、Business Insiderからご紹介していきます。

神話1 オーガニック食材は無農薬で、より栄養価が高い

image by: Flickr

「無農薬」や「有機」は健康にポジティブなキーワードとして頻出していますが、オーガニックは無農薬でもなく、必要以上に身体に良いというわけではないとのことです。

農家は自然と抽出されたある一定の化学物質を使用して、オーガニックの食物を栽培する許可が下りているのです。

さらに、ある状況下ではオーガニックではない農作物を育てるときよりも環境に悪い場合があるというからびっくりです。

オーガニックでもオーガニックでなくても、消費に関わる農薬レベルにいそれほど差異はないようです。

そして98,727件の研究によると、オーガニックだからといって栄養価に特別有効な訳ではないとのことです。

なんだか身体にいいような気がしてたのは気のせいだったのでしょうか…。

神話2 茶色の砂糖は白砂糖に比べて健康に良い

image by: Flickr

色が茶色いからって、白砂糖に比べて「自然派」であるとか「健康に良い」という考えは間違っています。

この茶色は、糖蜜といわれる砂糖を原料から精製するときに産出される副産物のシロップから色づけされたものなのです。

ですので、茶色の砂糖は白い砂糖にこの糖蜜を加えたものと考えてもらっていいでしょう。

ただ、この糖蜜にはビタミン、ミネラル、カリウム、マグネシウムといった成分が含まれていますが、「健康になりたい」という目的で食べるには最適とはいえなそうです。

神話3 一日一個のリンゴで医者知らず

image by: Flickr

確かにりんごはビタミンCと食物繊維が豊富です。

これらの成分は、長期に渡る健康管理としては非常に有効です。

しかし、体調の悪いときにりんごだけ食べていればいいと言う訳ではありません。

というのもバクテリアやウィルスがあなたの免疫システムに入り込んだ場合、りんごはあなたを守ってくれません。

りんごを食べるのは構いませんが、その後に病院に行って注射の一本でも打ってもらいましょう。

神話4 チョコレートを食べるとニキビができる

image by: Flickr

科学者達は一ヶ月に渡り、通常のチョコレートが10倍含まれているキャンディバーを数十人に与えました。

一方で別の数十人には偽物のチョコレートのバーを配布しました。

この実験前と実験後のにきびを数えた所、なんと両者に差はなかったそうです。チョコレートと同様に脂肪もにきびへの影響がないようです。

神話5 ハチミツのような自然系の砂糖は加工された砂糖より良い

image by: Flickr

ハチミツが入っているグラノーラフレークが、高果糖コーンシロップ(果糖ブドウ糖液糖)入りのものよりも特別いいとは限りません。

例えば、キャンディにハチミツが入っていようが、工業的に作られた高果糖コーンシロップが入っていようが全く一緒だとのことです。

「ハチミツの明確な優位性について科学者が聞いたら驚くだろうね。だって、ハチミツと高果糖コーンシロップの生物学的な影響は基本的にほぼ同じだという万場一致のコンセンサスが取れているからね」とアラン・レヴィノヴィッツ教授は述べています。

神話6 アイスクリームは風邪のときに食べるのは良くない

image by:Flickr

意外なのがこのアイスクリームと風邪の関係です。

もしあなたが家で風邪を引いていたら、さっさとアイスクリームでも食べに行って下さい。

乳製品は粘液を分泌する、つまり痰が増えると思われているのは事実ではないとのこと。

Mayo Clinicの研究者と医者はこう断言しています。

「実はアイスクリームといった乳製品の氷菓は喉の痛みを和らげてくれますし、食欲のないときにカロリーをあたえてくれるのにちょうど良いのです」

神話7 砂糖とチョコレートは催淫効果がある 

image by: Flickr

砂糖を摂取すると「糖尿病になる」「異常なほど活発になりすぎる」といった噂が流れ出す前、つまり19世紀の半ば頃には、砂糖には女性や子供、そして時には論議を醸すことになりそうですが、貧乏な人の性的な欲望を喚起させると言われていたそうなのです。

あのケロッグの昔の広告にはこう記載があったそうです。

「キャンディ、スパイス、シナモン、クローブ、ペパーミントやその他の強いエッセンスは強力的に生殖器を興奮させ、自慰行為などを引き起こします」

なので砂糖について躍起になるのはやめましょう。

チョコレートも含み、いかなる食べ物に関してそのような催淫効果がある証拠は実証されていないのですから。

神話8 ガムを飲みこんでしまったら消化するのに7年かかる

image by: Flickr

これもとんだ迷信です。

ガム自体はそもそも消化しにくいものですが、万が一ガムを飲み込んでしまった場合には腸を通過し、ちゃんと別の場所から出てくれますからご安心を。

唯一問題になるのは、それこそ消化できないものや、身体に取り入れてはいけないものをガムと一緒に胃に取り込んでしまったときです。

4歳の少女がガムの塊と一緒に4枚のコインを飲み込み大変なことになったそうです。

神話9 電子レンジを使うとガンになるし、ペースメーカーを妨害する

image by: Flickr

電子レンジの電磁波はガンを引き起こしません。単に食事を温めてくれるだけです。

ただ、何種類かの電磁波にはガンを引き起こす作用がありますし、その量にもよります。

例えば太陽から出る放射線は皮膚がんを引き起こす可能性がありますが、適量であればビタミンDを生成してくれます。

また、ペースメーカーへの影響はありません。

神話10 飲酒前に食事をするとシラフを保てる

image by: Flickr

確かにアルコールを摂取する前に食事をすると、アルコールの吸収を助けてくれます。

ただ、それは単にアルコールが血流に入るのを遅らせているだけです。

でもアルコールを消しているわけではないのです。

食べないよりはヒドい二日酔いを避けられるかもしれません。

ただ、飲んだ後にたくさん食べることはあまり意味がないでしょう。

神話11 スピリッツの前にビールを飲むと酔わない

image by: Flickr

お酒の種類毎に飲む順番を変えても、どれくらい酔うか酔わないかといった違いについて実証はされていない、とパデュー大学の神経科学者であるジュリア・チェスターはNBCに対して述べています。

しかし、ビールを最初に飲んでいて他種類のアルコールが混ざった飲み物を頼む人は、その時点ですでに判断や感覚が鈍っており、自分のアルコール消費量を客観視することができなくなっている場合が多いのです。

そのことによってさらに飲む事になるのです。

これはアルコールをミックスさせることによって、ウィスキーなどのアルコール度数の高いものに比べてより早く代謝がされることが原因です。

神話12 テレビに近づきすぎて見ると目が悪くなる

image by: Flickr

恐らく眼精疲労からくる頭痛は起こるかもしれません。

でも目に悪いといったことはありません。

昔のテレビからは電磁波が放出されているという噂もありましたが、現代のテレビはそんなことはありません。

神話13 寒くなるイコール風邪を引く

image by: Flickr

濡れた髪で凍えるような寒さの外に出ることが病気をもたらすといった事実は実証されていないのです。

なぜ冬に人々は風邪を引きやすいのか、という科学的な説明があります。

私たちは冬というおよそ一年の四分の一を屋内で過ごすことが多くなります。

そうすると、他人の持つ風邪の病原菌が室内で蔓延するため、感染する可能性が高くなるのです。

このことが風邪を引き起こす要因なのです。

 

さあ、皆さんが信じていた健康神話はいくつあったでしょうか?

image by: Shutterstock

source by: Business Insider

文/臼井史佳

出典元:まぐまぐニュース!