最も印象に残ったのは、挨拶をしたリオ・オリンピック組織委員会会長のカルロス・ヌズマンの、カンペを持った手が終始一貫ぶるぶる震えていたことである。あれは世界中の観客に見られている緊張からの震えなのか、或いは老人性の手の震えなのか、アル中なのか。ともかく、わずかな時間の挨拶なのに、紙を読まなければ覚えられないのがみっともなかった。風のせいではなかった。
マリオに化けた安倍晋三が筒の中から出てきたことを褒めている外国メディアもあるが、筆者は違う。あそこまでお笑いに協力するのなら、背広なんか着ずに来て、もっとニコニコ笑顔を作るべきだった。ダサーい。それと、ディレクションが椎名林檎とは情けないなあ。電通のクリエーター集団が「どんなもんだい」と鼻をピクピクさせているようで嫌みである。
視覚的に日本を一発で感じさせて、尚且つ世界に通用するものといえば、浮世絵だろう。例えば、葛飾北斎の「富嶽三十六景」から『神奈川沖波裏』の波の絵。フランスを代表する作曲家、クロード・ドビュッシーが心酔して楽譜の表紙に使ったくらいの傑作だ。彼らは先人のことを知らないのか。
小池百合子都知事の着物はいささか地味過ぎて勿体なかったが、彼女は堂々としていたし、着物姿も乱れていなくて合格! 都知事が四角い石臼みたいな顔の増田寛也でなくて助かった。開会式同様、閉会式もブラジル人が案外垢ぬけた仕事ぶりでよかったと思う。(放送2016年8月22日8時〜)

(黄蘭)