(写真=2018平昌オリンピック公式HP)

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韓国では最近、外国人帰化選手が増えている。

2018年に平昌オリンピック開催を控えているものの、韓国はいわばウィンタースポーツの不毛地帯だ。昔からショートトラックやスピードスケードでは一定の成果を残しているが、それ以外の種目ではフィギュアスケートのキム・ヨナのような一人の突出した選手に依存したり、戦わずしてメダルを諦めてきた。

ただ、そんな状況のまま平昌オリンピックを迎えれば、開催国の威厳に傷がつく。そこで韓国が考えたのが、2011年から実施している「特別帰化」だ。

現在、特別帰化制度によって韓国籍を取得した選手は13人。冬季スポーツ選手は10人で、そのうち9人の平昌オリンピック出場が確実視されている。言わば平昌五輪のための帰化政策だ。

詳細を見てみよう。

まず、もっとも多い帰化選手を抱える種目は、アイスホッケーだ。男子6人、女子1人が特別帰化を通じて韓国代表になっている。

カナダ出身のマット・ダルトン(30)やエリック・リーガン(32)、アメリカ出身のマイク・テストウィード(29)と元の国籍もさまざまで、いずれもこれまでは韓国との特別な縁もなく選手生活を送ってきた。しかし、彼らが韓国籍を取得し、韓国のアイスホッケークラブ「アニャンハルラ」に加わってから、同クラブはアイスホッケーアジアリーグで2連覇達成という快挙を成し遂げている。

韓国系と言えるのは、カナダ出身のキャロライン・パク(26)が唯一だ。また、韓国人の母を持つアメリカ出身ランディー・グリフィン(29)が現在特別帰化を申請しているらしい。

バイアスロンでは男女一人ずつの帰化選手を迎え入れている。2009年平昌世界選手権の金メダリストであるロシア出身のアンナ・プロリーナ(32)と、ロシアのユース代表で活躍していたアレクサンドロ・スタロデュベチ(23)だ。

このように、特別帰化選手が増える理由は何か。韓国アイスホッケー協会の関係者は言う。

「1998年長野五輪の時、日本はアイスホッケーで8人の帰化選手を出場させました。我々も平昌で良い成績を出すためには、最低でも6人ぐらいの帰化選手が必要だと考えたのです」

長野五輪時の日本強化策を見習って韓国も追随したというのが、韓国アイスホッケー協会の関係者の主張だが、バイアスロンの場合は単純な五輪対策でもないらしい。

韓国バイアスロン連盟関係者も、「もちろん平昌オリンピックの成績も大事ですが、いろいろ考慮した結果」と明かしている。

というのも、バイアスロンの場合、開催国の自動出場権がない。世界ランキング22位までの国が出場できるが、韓国は現在25位なのだ。

「オリンピックに出場するためにはまず、ランキングを上げなければならない。キム・ヨナの2011年フィギュア世界選手権2位受賞によって2012年ソチ五輪の女子フィギュアが3つの出場枠を確保したように、我々も帰化選手が出場権を確保してくれると期待しています」(韓国バイアスロン連盟関係者)

スポーツ関係者によると「平昌オリンピックを韓国冬季スポーツの発展機会にするためには、まずは出場権を確保し、最低限の成績を収めるのが切実な課題」で、韓国にとって帰化選手を増やすことは、避けて通れない道だという。

また、韓国リュージュ連盟関係者はこう話している。

「帰化選手は、選手としての活躍だけではなく、将来は指導者としても力量を発揮できます。韓国スポーツの発展に彼らが力になってくれるはずです」

もっとも、韓国の帰化手続きはそう単純ではない。

韓国が2011年1月1日から実施している特別帰化は、「科学・経済、文化、体育などの特定分野でとても優秀な能力を保有し、韓国の国益に寄与すると認められる者」に限って与えられる“特権”だ。

一般帰化の場合、19歳以上、5年以上の国内居住期間、生計維持能力といった厳しい条件を満たさなければならないが、特別帰化の場合そのような条件が免除される。

ただ、最優先に考慮されるのは血縁関係だ。親族のうちに一人でも韓国系がいれば、審査を通る確率が高まるらしい。

特別帰化の最大のメリットは、二重国籍が認められること。つまり、彼らは平昌オリンピックでメダル獲得という目的を果たせば、韓国籍を放棄して自国に帰っても何の問題もならないのだ。

それだけに前出のリュージュ連盟関係者が語っていた「特別帰化選手が将来は指導者に転身する」という部分に関しては鵜呑みにできないが、現在韓国では、アイスダンスとリュージュでも特別帰化が推進中である。

また、ボブスレーやスケルトンなど、韓国が伝統的に弱い種目でも帰化を希望するヨーロッパの選手たちからの問い合わせが急増しているそうだ。

韓国法務部は「これからも成長動力確保や国家競争力強化のために、世界的に優秀な人材を積極的に発掘し、誘致するつもり」」と言っているが、果たして…。

いずれにせよ今後も韓国スポーツ界の特別帰化は続く見込みだ。このままいくと、平昌オリンピックの成功は、帰化選手たちの活躍に委ねられることになるかもしれない。

(参考記事:メダル獲得数での日本惨敗に現実味が…韓国スポーツ界が戦々恐々とするワケ

(文=S-KOREA編集部)