時代が変わり、人間を取り巻く環境が変わっても、人間の本質は変わらない。だからこそ歴史から学べることは数多く存在する。過去から教訓を学ぶことで、将来に備えることも可能だ。中国では現在、1980年に中国で出版された「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という書籍が注目を集めているが、これは中国が過去の日本から学ぼうとする姿勢を示すものと言えよう。(イメージ写真提供:123RF)

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 時代が変わり、人間を取り巻く環境が変わっても、人間の本質は変わらない。だからこそ歴史から学べることは数多く存在する。過去から教訓を学ぶことで、将来に備えることも可能だ。中国では現在、1980年に中国で出版された「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という書籍が注目を集めているが、これは中国が過去の日本から学ぼうとする姿勢を示すものと言えよう。

 中国メディアの晶報はこのほど、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の著者エズラ・ ヴォーゲル氏と、当時この本を中国語に翻訳したスタッフの間で交わされた会話を紹介する記事を掲載した。

 記事によれば、中国で同書籍が出版されて間もないころ、ある翻訳スタッフはヴォーゲル氏に「中国が日本から学ぶべき最も主要なものは何か」と訊ねた。これに対してヴォーゲル氏は「日本人の団結力の強さ」だと回答。記事によれば教授は続けて「中国人も思想統一を強調するが、思想は抽象的なものでしかなく、思想に頼るだけでは社会の団結力は弱い」と指摘したという。

 また記事によれば、ヴォーゲル氏はこの翻訳スタッフに、ハーバード大学を訪れた日本の研究チームは良く準備しているため「ABC」からではなく「QRS」から教えることができたが、中国の研究チームには「ABC」から教える必要があるだけでなく後続チームにもまた「ABC」から教える必要があったと説明。記事によれば教授は「日本チームは研究結果を後続と共有するが、中国チームは結果を後続に共有しない」という観察を翻訳スタッフに紹介した。

 研究成果を後続に共有する、しないという点にも「団結力の強弱」が反映されていると言える。考慮に値するのは、ヴォーゲル氏が「ただ思想に頼るだけでは社会の団結力は弱い」と中国人の特徴を指摘したのとは対照的に、「日本人の団結力の強さ」を中国は学ぶべきだと回答した点だ。

 「日本人の団結力の強さ」や「中国人の団結力の弱さ」とは、どのような違いをもたらすだろうか。日本人は集団の利益のために自らの利益を犠牲にできるが、これは個人主義的な中国人には実行不可能なことだろう。自らの利益を最優先にする人だけが集まっても団結は不可能であり、それぞれ異なる価値観を持つ人間同士が団結するには、自らの利益を犠牲にして集団の利益を優先すべき場面が生じる。多くの人が団結して協力すれば、より大きな成果を生み出すことができるが、日本人は「集団の利益を優先する」という単なる思想を超えた特質を有していると言えよう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)