■連載/ペットゥモロー通信

Dr.林のにゃんこの処方箋

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今回は、猫のフィラリア症についてお話しします。え〜?フィラリア症って犬の病気じゃないの?と思う方も大勢いらっしゃると思いますが、猫にもフィラリア症はあるのです。

でも、あまり知られていませんよね。では、なぜあまり知られていないかというと…、実は犬と違って診断がとても難しいのです。それゆえに、「フィラリアに感染している猫」というのは実際はもっとたくさんいるはずですが、診断されないという現実があります。

ゾエティスという薬品メーカーが行なった調査では2008年以降に27の都道府県で51例の感染が認められました。また、猫の10匹に1匹はフィラリアに感染しているという報告や、感染していた猫の約40%は完全室内飼育だっという報告があります。つまり、実はかなり高い感染率であり、室内飼育でも感染してしまうことがわかります。

猫の感染経路も犬と同じです。それは、

1.蚊が感染している犬の吸血時にミクロフィラリアという幼虫を吸い込みます。
2.その蚊に吸血されると幼虫が蚊のさした穴から猫の体内に侵入します。
3.幼虫は皮膚を移動しながら発育し、やがて血管内に侵入します。
4.多くの場合、幼虫は血管内で死滅しますが、この死滅した幼虫が肺に炎症を起こします。
5.まれに成虫にまで発育し、肺や心臓に寄生します。

猫の場合、フィラリアに感染はするものの抵抗性が強いのが特徴です。したがって、猫の方が圧倒的に幼虫や成虫の感染数が少なく、猫体内での成虫への成長も犬に比べてゆっくりです。では、猫はフィラリアに感染してもなんともないのでしょうか???

いえいえ、そうではありません!大部分の猫さんは無徴候なのですが、主な症状は、

・間欠的な咳、呼吸困難や呼吸がはやくなるという症状
・吐き
・発作、失神、突然死

などです。

厄介なことに、この症状はフィラリア症だけに限ったことではありません。他の病気でも見られる症状なのです。

では、フィラリアに感染しているかどうかを診断するにはどのような検査があるのでしょうか?次の4つの検査法になります。

・血液を用いた抗体検査:幼虫や成虫に対する抗体があるかどうかを検出します。ただし、この検査の感度は低く本当は感染しているのに陰性と出ることがあります。
・血液を用いた抗原検査:犬においては診断のゴールデンスタンダードですが、猫においてはオスのみの感染や未成熟な成虫の感染が多いため、こちらも信憑性が低いです。
・胸部レントゲン:特徴的な所見がみられるケースは少なく、正常な画像や他の疾患の時との違いがみられないことが多いです。
・心臓エコー検査:肺動脈内に存在する虫体を検出できれば確定診断となります。ただし、検査者の技術やエコーの精度に大きく左右されます。

このように、猫のフィラリア感染を決定づける診断法はほとんどないといっても過言ではありません。大事にしている愛猫さんが実はフィラリアに感染しているのでは…と考えたら心配で心配で眠れなくなってきませんか???

では、どうしたらよいのでしょうか?安心してください。確実な方法があります。大切な事は予防です。フィラリア予防にはスポットオンタイプで月に1度、首元につけるだけでフィラリア予防することのできるお薬があります。

ちなみにノア動物病院では6月〜11月にかけて猫さんのフィラリア予防を勧めています。予防できる病気は未然に防いで長生きで健康な生活を送れるようにしたいですね。

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文/林 文明(はやしふみあき)

1988年北里大学獣医学修士課程修了。1998年コロラド州立大附属獣医学教育病院に留学し、欧米の先進動物医療を学ぶ。現在は、山梨・東京・ベトナムで5つの動物病院を経営。獣医師、日本動物医療コンシェルジュ協会代表理事。
日本動物医療コンシェルジュ協会
http://www.jamca.gr.jp/
ノア動物病院
http://www.noah-vet.co.jp/

構成/ペットゥモロー編集部