今月初め頃、地球温暖化の影響でグリーンランドの氷床が解け、半世紀前に米軍が氷河の内部に建設した秘密基地の有害物質が露出する可能性があるとの発表がなされた。問題の基地は「キャンプ・センチュリー」と呼ばれる観測拠点で、当初は小型原子炉まで備えた本格的な施設でもあった。キャンプ・センチュリーは、文字通り氷河にトンネルを掘って建設された地中ならぬ氷中の秘密基地でもあったが、氷河の流れは予想以上に複雑で、運用開始直後に原子炉が撤去され、基地もそれからわずか数年で放棄されていた。

 また、キャンプ・センチュリーは表向き極地の気象観測などを目的としていたが、計画が順調に進展すれば氷河の内部に巨大なトンネル網を構築し、大規模な核ミサイル発射基地となる予定だったのだ。このことは1995年の情報公開によって明らかとなったが、これはかねてよりキャンプ・センチュリーには隠された目的があると主張していた(と、情報公開後に騒ぎ始めた)未確認飛行物体研究者たちの注目を集めた。

 研究者たちによれば、気象観測などはもちろん、大陸間弾道ミサイルの発射基地という計画も真の目的をごまかすための欺瞞情報で、実は地球外生命体と接触するためのロケット発射施設であったと言うのだ!

 未確認飛行物体研究者によれば、いかに北極方面がソビエトに近く、ミサイルの発射に適していようとも、グリーンランドの地理的条件はあまりにも厳しい。そのため、弾道弾発射基地の建設は不可能であり、たとえ氷河にトンネルを掘ったとしても、肝心のミサイルは発射できない。つまり、アメリカ政府はあえて衝撃的な計画を公表することで、より重大な真の目的から目をそらそうとしていると、このように主張したのである。

 とはいえ、当時のアメリカが配備を進めていた大陸間弾道弾「アトラス」は、極低温下での保管が必要な液体酸素を用いており、氷河の内部に建設された発射基地はむしろ好都合だった。さらに、アトラスは棺桶型格納庫へ横倒しに収納され、発射直前に垂直まで起こされる方式だったため敵の攻撃に対して非常にもろく、発射基地は厳重に秘匿しなければならなかった。その上、アトラスはアメリカ本土からソビエト西部の主要都市を攻撃できたが、シベリア奥地は射程外だった。

 これらの問題から、アメリカはよりソビエトに近いグリーンランドに発射基地を確保する必要があったのだ。

 だいたい、弾道ミサイルの発射が不可能と指摘しつつ、実は地球外生命体と接触するためのロケット打ち上げ施設だったというのは、いささかご都合主義にすぎる。

 しかし、未確認飛行物体研究者の仮説とは別に、匿名の情報源から極めて興味深く、衝撃的な報告が、筆者のもとへ寄せられたのである。

(続く)