写真提供:マイナビニュース

写真拡大

半導体市場調査企業である米IC Insightsは8月23日(米国時間)、半導体専業ファウンドリの2015年売上高および2016年売上高予測に基づく予想ランキングを発表した。

2014年、世界の専業ファウンドリ市場は、前年比17%成長となり、全IC市場の成長率9%より8ポイント高い成長を遂げた。2015年も同6%成長となり、-1%を記録した全IC市場の成長率に対して高い成長を遂げており、2016年の世界半導体市場成長率も2年連続のマイナス成長と予測されているにもかかわらず、同9%の成長が期待されるという。

○SMICとTowerJazzが驚異の3割成長

表1に2016年の専業ファウンドリトップ10予想リストを示すが、2015年と同じ顔触れで、5位と6位が入れ替わっているにすぎない。なお、このランキングには、兼業ファウンドリである韓国Samsung Elecronicsや米国Intelなどは含まれない。ランキングに常連の10社だけで世界の専業ファウンドリ市場の95%をカバーしている。他社よりけた違いに売上高が大きな大手4社(台湾TSMC、米国GLOBALFOUNDRIES(GF)、台湾UMC、および中国SMIC)だけで全体の84%を占めている。

トップのTSMCの2016年の売上高は前年比で8%増加し、286億ドルに達する見込みで、マーケットシェアは58%と市場の過半を占めている。しかし、TSMCよりも成長率が高く、2ケタ成長を果たすであろう企業が3社(GF、SMIC、イスラエルTowerJazz)あり、このためTSMCの2016年のシェアは前年比で1ポイント低下することが見込まれている。

中でも顕著な成長を見せるのは、SMICとTowerJazzで、それぞれ27%および30%の成長が見込まれている。SMICの2016年の予想売上高(28憶5000万ドル)は、5年前の売上高(12億2000万ドル)から倍増しており、この5年間の年平均成長率は19%である。SMICは中国最大の半導体メーカーであり、中国半導体産業の急成長ぶりを象徴している。

TowerJazzはこの数年間、業界最高クラスの成長率を続けており、2013年の売上高は5億ドルでしかなかったが、2016年には12億2000万ドルと年平均成長率35%という驚異の成長を遂げている。

○ファウンドリの中心はアジア、そして中国へ集結

トップ10ファウンドリのうち8社までがアジアに本拠をおいており、例外はイスラエルのTowerJazzと米国のGFある。TowerJazzは、日本にファウンドリ会社を所有している。旧パナソニックの北陸の半導体3工場をベースにしたパナソニックタワージャズセミコンダクター(TPSCo)で、TowerJazzが株式の51%を所有している。

GFもアジア(シンガポール)でファウンドリを運営しているうえに、2017年から中国本土でもファウンドリ事業を始める予定で、買収した既存半導体工場(重慶市)を改装中である。台湾の2大ファウンドリであるTSMも(南京市に、UMCも福建省にそれぞれファウンドリ・ファブを建設中である。

ランク外のイタリアLFoundry(図1:もとは、ドイツを本拠とした日立やルネサスの半導体工場であったが、リストラの一環で売却されたのち、紆余曲折をへて現在はイタリアAvezzanoに本拠を置くファウンドリ専業)は、最近、株式の70%を5500万ドルでSMICへ売却し、事実上SMICの欧州工場となった。LFoundryの生産能力は月産4万枚(200mmウェハ換算)で、SMICの売上高を13%押し上げることに寄与する。SMICはここを車載半導体ファウンドリサービスの拠点とし、ファウンドリビジネスの世界展開を目指すとしている。

SMICが27%成長見込みと言われているにもかかわらず、2016年の中国のすべての専業ファウンドリを併せたシェアは8.2%しかなく、ピーク時(2006/2007年)の13.3%のシェアからは5.1ポイント低下している。しかし、IC Insightsは中国ファウンドリのシェアは2020年に向かって増加傾向になるとみている。なぜなら中国中央政府や地方政府、投資集団が、中国本土の半導体市場インフラに巨額の投資を始めており、中国共産党第13次5カ年計画が完了する2020年まで継続投資が計画されているからである。

(服部毅)