隣人トラブル!「ゴミ屋敷」なんとかできないか弁護士に聞いてみた

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昨年話題になった名古屋市中区のゴミ屋敷を始め、全国各地に存在する“ゴミ屋敷”。もし引っ越した新居の隣が、ゴミ屋敷と化したら“おもしろい”では済まされない悲劇ですよね。

そこで今回、アディーレ法律事務所・弁護士の正木裕美さんに、「ゴミ屋敷って法律で取り締まれないんですか?」という素朴な疑問を投げかけてみました。

■衝撃! ゴミ屋敷を取り締まる法律は無い

そもそも、TVに出てくるようなゴミ屋敷は、法律で取り締まることはできないのでしょうか?

「ゴミ屋敷問題は全国でトラブルも発生し、各自治体が頭を悩ませていますが、ゴミ屋敷を直接全国一律に取り締まる法律がないのが現状です。

そこで、条例でゴミ屋敷を規制している地方自治体もあります。たとえば、京都市ではゴミ屋敷条例が制定され、昨年全国で初めて私有地内のゴミが強制撤去されました」

つまり、住んでいる自治体によって対応がまちまちなのです。

■廃棄物処理法はあるけれど罰則がない……!

ゴミといえば廃棄物処理法。それも適用できないのでしょうか?

「廃棄物処理法では私有地内にあるゴミの撤去までは規定されていませんし、憲法で財産権が保障されていますから、家主が“ゴミではない、大切な財産だ”というと、処理は難しくなってきます。

また、廃棄物処理法では、土地や建物の占有者等に清潔に保つ努力義務を負わせていますが、違反した際の罰則はありません」

家主が正常な判断力を持っていればそもそもゴミ屋敷にはならないと思われるので、家主が「財産だ」と主張する可能性は充分ありそうです。

■最終手段としては“行政代執行”という手がある?

では、隣の家が悪臭を放っていて蠅が飛んできても、泣き寝入りするしかないのでしょうか?

「ゴミ屋敷の周辺住民は、必ずしも我慢しなければいけないわけではありません。先ほど述べたとおり、各自治体で条例を定めている場合があります。東京足立区では、平成24年に初めて生活環境保護条例が制定されました。

以後、各自治体でゴミ屋敷の対策条例の制定が進んでいます。条例の中には、調査や行政指導・勧告、命令のほか、従わない場合には、“行政代執行”といって、本来家主が片付けるべきゴミを行政が代わりに処分し、かかった費用を家主に請求する手続をもうけたり、過料の徴収を盛り込んだものもあります」

手始めに自治体に相談して、指導してもらうのが第一歩のようです。

「たとえば、京都市では昨年11月にゴミ屋敷条例が制定され、条例に基づいて行政代執行が行われ、私有地内のゴミが強制撤去されました。また、福島県郡山市でも同様に、条例に基づく行政代執行で、ゴミの強制撤去が行われましたので、まずはお住まいの地域に条例があるか、確認してみましょう」

■ゴミ屋敷条例がなくてもあきらめないで

では、自分の住む自治体が、ゴミ屋敷に関する条例を持っていない場合はどうすればいいのでしょう。

「条例がない地域でも、私有地からゴミがはみ出ている場合は、道路法や廃棄物処理法といった法律に基づいて撤去できることもあります」

ちなみに筆者も“港区 衛生 相談窓口”というワードでネット検索したところ、保健所の生活衛生課の生活衛生相談係の電話番号がヒットしました。もしお困りの方は、お住まいの地域と上記のようなワードで検索すると窓口が見つかりやすそうです。

『VenusTap』の過去記事「4位汚部屋!男が“コイツと結婚したら人生終わり”と思う女性1位は」でも汚部屋はランクインしていますが、“片付けられない”タイプの人は案外と多く、都会のマンションでひっそり汚部屋化しているケースもありがちです。

「最近やけにゴキブリが増えて隣のベランダにハエが……」など、気になることがあれば、上記のような認知症などのケースも想定して、早め早めに地域の生活衛生課に相談してみたほうが安心ですね。