障がいをもつ息子の小学校、どうやって選ぶ?【シングルマザー、家を買う/57章】

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<シングルマザー、家を買う/57章>

 バツイチ、2人の子持ち、仕事はフリーランス……。そんな崖っぷちのシングルマザーが、すべてのシングルマザー&予備軍の役に立つ話や、役に立たない話を綴ります。

 障がいを持つ息子は、来年の春に小学1年生となる。

 あんなに小さかった息子が、(いまもかなり小さいが)もうランドセルを背負うようになるとは感慨深いものだ。

 とはいえ、障がい児が入学するまでには、健常児の小学校入学とは比べものにならないほど、やることがたくさんある。それは幼稚園では年長と呼ばれる5歳児クラスになった瞬間から始まった。

◆超えるべき最初のハードル

 保育園もあと1年。年長クラスとなった息子のリュックに入っていたのは、「特別支援学級を考える保護者さまへ」と書いてあるお知らせだった。

 表出性言語障がいにより言葉を話すことができない息子には、年少クラスから保育園の先生とは別に加配(障がい児担当保育士)の先生がつけられていた。普通学級に入ることは難しいことはわかっていたが、この紙をもらうことで少なからずショックを受けた。でも、それを受け止めるのも、障がいを持った子の親だからこそ超えるべきハードルなのだ。

 そこには、住んでいる地域の教育センターへ、小学校の説明会に行くよう書かれていた。早速、私は一番近い日の説明会の予約をし、出かけることにした。

◆特別支援学級と養護学校

 自転車で20分ほど離れた教育センターでは、特別支援学級に入るために何をすべきか、という説明会が行われていた。そこで、子どもが一番どこで勉強をするのがふさわしいのか見極めるため、数々の学校を見て回ることを勧められたのだ。

 ちなみに私が住む地域では、“情緒”と“知的”、“言葉”で学級が分かれており、知的障害をもたない自閉症や学習障がいを持つ子供は“情緒”、軽度の知的障害を持つ子供は“知的”の特別支援学級を勧められる。

 そして、“言葉”は息子のように言語を持たない子供が通うのではなく、吃音やどもりがある子供が通う教室になる。さらに、肢体不自由な子供や、重度の知的障がいの子供は、養護学校という選択肢があるということも紹介された。

 その説明を聴いた瞬間、我が家の息子は、言葉がでない知的障がいとなるので、勝手に知的の特別支援学級に行くのだと思っていた。

◆特別支援学級に行くと思っていたのに…

 その知的の特別支援学級は家からとても近く、これは好都合だと思っていたのだが、次の段階の面接で、10分ほど息子をみた面接官は、「息子君は養護学校にいくのをお勧めします」と言ってきたのだ。

 あまりに予想外の返事に、胸がざわついた。養護学校。そうか、息子は俗にいう重度の知的障がいに値するのか。

 思わず言葉に詰まる私を見て、面接官は気持ちを察してくれたのだろう。

「息子くんは、完全な意思疎通ができていないので、そのレベルにあった生活の自立を促すことが第一だと思うんです。養護学校であれば、ST(言語聴覚士)やOT(作業療法士)もつねにいますし、ジェスチャーなどで意思を伝えるための勉強もしていきます。でも、普通の小学校での特別支援学級はお勉強がメインになるので……」

 言っていることはわかる。

 もちろん、息子に何がいいかなんて、母親である私はわかりきっている。でも、でも……。

 迷う私に、面接官は「一度、両方体験入学をした方がいいですよ」と勧めてくれた。決めるのは、私じゃなくて、息子。息子がのびのびと気持ちよく時間を過ごせる場所に、おいてあげたい。

 そして、息子の小学校選びが始まった。

<TEXT/吉田可奈 ILLUSTRATION/ワタナベチヒロ>
【吉田可奈 プロフィール】
80年生まれ、フリーライター。西野カナなどのオフィシャルライターを務める他、さまざまな雑誌で執筆。23歳で結婚し娘と息子を授かるも、29歳で離婚。座右の銘は“死ぬこと以外、かすり傷”。Twitter(@singlemother_ky)

ママ。80年生まれの松坂世代。フリーライターのシングルマザー。逆境にやたらと強い一家の大黒柱。娘(8歳)。しっかり者でおませな小学2年生。イケメンの判断が非常に厳しい。息子(5歳)。天使の微笑みを武器に持つ天然の人たらし。表出性言語障がいのハンデをものともせず保育園では人気者※このエッセイは隔週水曜日に配信予定です。