総統府、「真の交流に前提いらない」  上海市高官の92年合意発言受け/台湾

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(台北 24日 中央社)中国共産党上海市委員会の沙海林常務委員が23日、台北市内で行った講演で「一つの中国」の原則をめぐる「92年コンセンサス(合意)」を、両岸(台湾と中国大陸)関係発展の政治的基礎とする発言を行ったことに対し、総統府の黄重諺報道官は同日、「真に意義のある交流は前提を必要としない。そうなって初めて真の相互理解が進む」と語った。

沙氏はこの日、台北市と上海市による都市フォーラムに上海側の代表として出席。講演では、両岸は過去8年間「92年コンセンサス」の政治的基礎を堅持し、関係の平和的発展を推し進めてきたと指摘。さらに「目下の台湾海峡情勢には、広く知れ渡っている原因で中国大陸が見たくない局面が現れている」と述べ、同コンセンサスを認めようとしない民進党・蔡英文政権を暗に批判していた。

一方、沙氏は中国共産党上海市委員会で、両岸統一に向けた工作などを行う統一戦線工作部の部長も兼任していることから、会場の外では抗議活動が起きた。

台湾では2008年以降、中国大陸との融和路線をとった国民党・馬英九政権(当時)が92年コンセンサスを基礎に交流を促進。だが、今年5月に発足した蔡政権は事実上これを拒んでおり、受け入れを迫る大陸側が圧力を強めている。

<92年コンセンサス> 1992年に台湾と中国大陸が窓口機関を通じ確認したとされるもの。「一つの中国」を前提としているがその解釈には触れておらず、国民党は「一つの中国=中華民国」との立場を示している。

(呂欣ケイ、顧セン/編集:杉野浩司)