昨今ますます巧妙となり、被害者が増え続けているワンクリック詐欺。無料メルマガ『知らなきゃ損する面白法律講座』では、高額な請求額とともに「端末情報を保存しました」と表示されて真っ青になってしまった相談者さんに、現役弁護士が対処法を回答しています。

ワンクリック詐欺への対処方法を教えてください

□相談□

恥ずかしながらワンクリック詐欺に遭い、有料会員登録として高額請求されました。端末情報を保存したとの表示がありましたが、怖くなりこちらから相手へは一切連絡していません。

民間の探偵会社に相談したところ「相手が端末情報から携帯会社に開示依頼して、請求書の送付や訴訟を1ヶ月以内に行う可能性が高い」と言われ怯えました。行政窓口に相談したところ、「無効な契約と思われるので放っておけば問題ない」と言われました。

今後、家に請求書を送ってきたり、(こちらが受けて立てば勝てるにせよ)訴訟を起こされる可能性はありますでしょうか。誰を信じてよいのかわからないので、ご意見伺いたいです。 (20代:男性)

□回答□

結論から申し上げますと、無視し続けて問題ありません。

法的にお答えすると、何らかの契約が成立するためには「申込」と「承諾」という当事者間での「意思表示の合致」が必要になります。ワンクリック詐欺では、相手方から一方的に契約内容を提示されるに過ぎず、それに対応した承諾がありませんので、そもそも契約が成立していないことになります。

また、仮に(ありえませんが)契約が成立したとしても、契約に基づくサービスや商品の提供がなされていませんので、対価の支払いが肯定しづらいものとなります。

今回のケースでは、おそらくパソコンか携帯端末の画面に「契約が成立しました。個体識別番号を把握しています。いつまでに支払わないと法的手段に訴えます」という類の内容が表示されたと思われます。ただ、それ以降、電話で連絡したりメールをしたりするなど相手に対してアクションを起こしていないのが幸いです。前述のように契約は成立しておりませんから、支払いなどは一切不要です。

ちなみに、詐欺サイトで表示される個体識別番号は、サイトにアクセスしたときの情報などに基づいて「それっぽく」作成されますが、実際にパソコンやスマートフォンを識別できるわけではないので、ご安心ください。ただ、サイトの閲覧にとどまらず、アプリをダウンロードさせるような場合には、端末の特定につながるような情報を提供してしまうケースもありますので、注意が必要です。

仮に、ワンクリック詐欺で相手方に個人情報を伝え、支払の督促などが自宅に届いたりした場合は、消費者センターや消費者問題に明るい弁護士などの専門家に相談されることをおすすめいたします。

ここからは蛇足になるかもしれませんが、個人情報を伝えてしまった場合、相手方が悪知恵を働かせることがあります。契約が成立しているにもかかわらず、支払いがないと主張して、支払督促という法的手続をとるのです。

この場合、裁判所から「特別送達」という特別な書留郵便が届きます。これを放っておくと法的な支払義務が生じてしまうため、ただちに弁護士と連携を取って、対応する必要があります。

もっとも、ワンクリック詐欺の事案では、「裁判所から送った風」の封筒を普通郵便で送るケースが多いです。こうした場合は、特別送達ではないことを確認して無視を決め込んでかまいません。

頻繁に相手からの接触があれば、そうした行為を止めさせる対応を弁護士に依頼するのが良いと思われます。

[関連情報]:ワンクリック詐欺とは?

image by: Shutterstock

 

『知らなきゃ損する面白法律講座』

わかりやすくて役に立つ弁護士監修の法律講座を無料で配信中。誌上では無料で法律相談も受け付けられます。

<<登録はこちら>> 

出典元:まぐまぐニュース!