米ツアー2015−2016年シーズンのレギュラーツアー最終戦となるウィンダム選手権(8月18日〜21日)が、ノースカロライナ州のセッジフィールドCC(パー70)で行なわれた。

 同大会では、過去2年予選落ちに終わっていた松山英樹(24歳)だが、今年は初日に8位タイとまずまずのスタートを切ると、4日間コンスタントにスコアを伸ばして3位タイという結果を残した。

「(最終日は)バーディーを取りたい、スコアを伸ばしたい、というときになかなかチャンスにつかなくて、ちょっともどかしかった。それでも、自分の調子がよくない中で、いい感じでスコアを作れていた。順位的には上位を保ててよかった。今年(のコース)はフェアウェーが固かったし、ティーショットでドライバーを持たなくてもいい状況が多かった。そういう意味では、コースに助けられたのかな、と思う」

 今季メジャー最終戦の全米プロ選手権(4位)を終えたあと、2週間のオープンウィークを過ごした松山。その間、一度日本にも帰国していたそうだが、アメリカに戻ってきてから時差ボケに苦しんで、試合に臨む状態は決してよくなかったという。

「(全米プロのあと)日本に帰って、1週間くらいゆっくりしました。ただ、こっちに帰ってきてから、あまりにも時差ボケがひどくて......。寝て、起きたときに体がだるくて、また眠い、みたいな。それで、練習をしたくても、なかなかできなくて。フィジカルトレーニングすらできなかったですから。試合に向けては、今までで一番整っていない感じで入ってしまいましたね」

 そんな状態にありながら、松山は初日「66」をマークして8位タイ。2日目も「64」とさらにスコアを伸ばして、トップと2打差の10アンダー、2位タイまで浮上した。

「(初日は)一発もいい球を打っていない。スコアはよかったけど、内容的には満足していない。練習でも普通にミスショットが出ていて、ミスが出ても『そんなもんだろうな』と割り切ってプレーしていた。ショットに関しても、ピンを毎回狙う感じではなく、ちょっと安全にいこうかな、という感じでした。でもまあ、(ティーショットが)フェアウェーに行っていたので、それが大きかった。

(2日目も)調子はあまり変わらず、よくなかった。ショットも、パットも、あまり期待できなかった。それなのに順位は上がっていったので、変な感じがした。上にいるような状態ではないのに、『なんでこんな(いい)位置にいられるんだろう』って。当たりはよくないんですけど、ティーショットがうまくフェアウェーに行ってくれて、ショットも悪いなりにグリーンをとらえてくれていた。その分、楽にプレーできているんだと思う」

 決勝ラウンドに入ってからも、松山自身が納得するゴルフはできなかった。3日目は「68」とスコアをふたつ伸ばすだけにとどまって、順位は6位タイに後退した。

「(3日目は)ショットのストレスがすごくたまっていた。『ショットがよくなるかな』と思うとミスしたり、自分に期待をかけるとミスしたり、という感じでしたから。パットにしても、ひとつミスが出ると、それが続いてしまう。自信を持って打てていない? そうですね、どうすればいいですかね......。本当にもったいない。でも、それが今の自分の実力。大事なことは、どうやって(パットの状態を)上げていくか、ですね」

 最終日は「67」で回って、3位タイでフィニッシュした松山。さらに上を狙えるチャンスはあっただけに、その結果には本人も満足することはなかった。

「う〜ん......、ショットは徐々によくなっているんですけどね。昨日までがゼロ%だとすると、今日は5%ぐらいまで上がった感じはある。でもパットが......。初日の出来が50%だったら、今日は3%くらい。ちょっとしたミスが頭の中に残っているんですよね。それを忘れようとしても、今までの蓄積もあるので、なかなか忘れられない」

 いよいよ次週からはプレーオフ(計4戦)に突入する。最終戦まで残って結果を出すためには、やはりパッティングがポイントか。松山自身、「(パットは)感触も、結果も悪いし、どうしましょう......」と言って、課題に挙げる。

「昨日(自分のパットの)データも見たんですけど、すごいことになっていた。今季、3m以内のパットが入る確率は、全体の170位。7.5m以上に至っては、190位だった(笑)。課題? データ上は明らかにそうですね。

 とにかく(プレーオフで勝つには)今のパッティングじゃあ、話にならない。(2月に優勝を飾った)フェニックスオープンぐらいの出来に戻ってきてくれるか、新たな打ち方であのときのような自信が戻ってくればいい。打ち方は、全米プロのときも入らなかったので、今回も変えている。それでさらにひどくなったので、来週も変えるつもり。そこで、どうなるか、ですね」

 とはいえ、プレーオフに向けて、モチベーションは高い。

「プレーオフに向けては、お金を稼ぎにいきます。ゲスい話ですみません(笑)。不安な部分もあるけど、楽しみです。最終戦まで残って、いい位置で終われたらいいな、と思う。勢いだけはありますから。口だけですが(笑)。

 大きな試合で勝つのも、小さなことを積み重ねていっての結果。悪いなら悪いなりに、ひとつずつよくなるように積み重ねていければいい」

 今大会を3位タイで終えた松山は、年間王者を争うフェデックスカップのランキングが19位から12位に浮上した。およそ10億円のボーナスを手にすることができる年間王者の可能性も十分にある。状態が悪い中でも結果を出した松山が、プレーオフでどんな戦いを見せるのか、注目したい。

武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko text by Sportiva