緑茶の凄い効果がまたひとつ

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何の前触れもなく、突然激痛に襲われて死に至る恐ろしい病気「腹部大動脈瘤破裂」。

その予防には緑茶に含まれる植物由来成分である「ポリフェノール」に効果があることを、京都大学の研究チームが動物実験で突きとめ、米医学誌「Journal of Vascular Surgery」(電子版)の2016年7月26日号に発表した。

大出血してショック死する人が50%以上

日本血管外科学会のサイトによると、大動脈は、心臓から胸部や腹部にいたる、体の中心を貫く最も太い血管だ。直径は胸部で3センチ、腹部で2センチもある。動脈硬化が進み、血管が弾力を失い、壁にコレステロールや老廃物がたまると、血管が瘤(こぶ)状に膨らむ。瘤が直径5センチ以上になると、血流をふさぎ血管が破裂する。腹腔内に大出血し、50%以上が死亡する。

通常は、出血するまで痛みなどの自覚症状がほとんどない。出血した途端、胸や背中に杭を打ち込まれたような激痛が走り、気を失ったり、そのままショック死したりする人が多い。

研究では、30匹のラットをただの飲料水と、緑茶ポリフェノール(ガレート型カテキン)を飲料水に混ぜて与えるグループとの2つに分け、2週間投与した。その後、人工的に腹部に大動脈瘤を作り、4週間にわたって経過を観察した。すると、緑茶ポリフェノールを飲んだラットは、飲料水を飲んだラットに比べ、動脈瘤の直径の増大が半分程度に抑えられた。

血管のコブの発生を抑え、壁を丈夫にしてくれる

また、大動脈の血管の壁を調べると、緑茶ポリフェノールを飲んだラットは、血管壁を構成するタンパク質の合成が促進され、壁が分厚くなった。つまり、血管が丈夫になり、破裂しづらくなったのだ。さらに、動脈瘤の増大に悪影響を与える細胞の炎症反応が抑えられていた。

緑茶ポリフェノールには、これまでも体内の炎症や酸化を抑える作用があり、がんや心臓病、認知症の予防に効果が期待されている。研究チームでは、「日常的に愛飲されている緑茶の持つ健康長寿への貢献が、また示されました。大動脈瘤は症状がなく治療が難しいうえ、いったん破裂すると致命的になります。実験で使用した緑茶ポリフェノールの濃度では、肝障害などの副作用は起きませんでした。まだ、人への効果は証明されていませんが、緑茶の摂取を心がければ、予防効果は期待できる可能性があります」とコメントしている。