お金を使わなくなった若い世代が将来直面する問題と今からすべきこと

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今の若い世代はお金を使わなくなった?

今の若い世代はお金を使わないとよく言われます。
総務省「全国消費実態調査」によると、30歳未満の単身勤労者世帯の使えるお金(可処分所得)は2014年で男性23.0万円、女性18.3万円でした。
バブル期の1989年と2014年を比較すると、消費者物価指数を考慮してもなお増加傾向にあります。
最近の若者はブランド物や車、海外旅行などにお金を使うことに興味がないと言われます。
収入は増えているのに消費をしなくなってきているのでしょうか?

それは彼らが育ってきた環境がそれまでの世代と全く違うというのも原因と思われます。
まず、現在の若い世代は景気が良い時を知りません。
日経平均株価は1984年に初めて1万円を突破してから、わずか5年、1989年12月29日 最高値である38,957.44円をつけました。
この頃社会人だった方は、景気が良いという感覚を味わったはずです。
日経平均株価はその後下落し、1万円〜2万円の間で推移しています。平成に入ってからの社会しか知らない若者たちは好景気を体感したことはないのです。
景気の良さを実感できないことによる将来に対する不安から、なかなか消費につながらないのもうなずけます。


感覚の変化 時代は「持つ」から「シェア」へ

それ以外にも若い世代の消費に対する感覚の変化というのも考えられます。
昭和の時代は家や車など、「持つ」ことがステータスでしたし、働いたお金でローンを組んで家や車を手に入れることをしてきました。
しかし、インターネット・SNSが普及したことによって今では若い世代中心に「シェア」という感覚が生まれています。
これは、「持っているけれど使っていない」という人と「欲しい」人とのマッチングがITを通じて簡単にできるようになったからです。

例えば海外で普及している自家用車を使ったタクシーサービスの「Uber」や、民泊の世界的サービス「Airbnb」は空いている車や部屋をシェアする・シェアしてもらうことにより可能となったサービスです。
日本では規制がありUberはまだまだ普及は難しいですが、レンタカーの仕組みをさらに細かくした「カーシェアリング」は大都市部では時間貸しの駐車場の一角に専用の車が並んでいます。
稼いだお金を「持つ」ということ以外に使うということは、さらに今後広がっていくでしょう。


今の若い世代が直面する避けられない問題

このような背景で若い世代はお金を使わなくなったと考えられますが、それだけではなく、彼らが直面する避けられない問題も大きな要因として挙げられます。
現在の年金支給開始年齢である65歳以上の人口は、日本の26.7%を占めています。(平成27年9月15日現在推計、総務省統計局)
今後その比率は拡大し、2060年には高齢者比率は40%を超えると予想されています。
年金や医療費の支払いを受けるのは高齢者ですので、高齢者が増えることが確実な以上、これからは負担が増える一方です。今後公的なサービスは縮小せざるを得ないでしょう。

一生懸命働き、リタイヤしたら年金もあるし安心の老後生活。そんな生活はもう得られないのです。
これは若い世代にとっては大きな脅威です。
では、将来に向けて彼らはどのように今から準備しておけば良いのでしょうか?


出来るだけ早いうちから自分年金づくりを

そこで、若い人ほど一人ひとりが将来のために自分を守る年金作りをしておく必要があります。
例えば2017年から制度が大きく改定される確定拠出年金制度。
今まで毎年誕生日月に送られてくる「ねんきん定期便」で自分の年金の金額はある程度予測することが可能でしたが、そのもらえる金額がわかる国民年金、厚生年金に加えて、毎月一定金額を積立てることで利用できる年金制度です。
自分で積立てたお金を運用して60歳以降にもらえる制度ですが、その節税効果はやっていない人はお金を道端に落としながら歩いているようなものです。
お給料から天引きされている所得税と住民税に節税効果があり、運用して出た利益も非課税。
銀行預金も利子は税金掛かっているのを皆さんご存知でしょう。
この税金が非課税になるのです。
さらに、受取る時も公的年金ですから、税メリットがあります。

若い世代がお金を使わなくなったことは決して悪いことではありません。
むしろ、そのお金を時代の流れや、自分にとってのメリットを適切に見極めて自分の人生が輝く使い方をしていってもらいたいものです。


【杉山 夏子:ファイナンシャルプランナー】


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