軽自動車レースのK4-GPにルノーキャトルで出場する理由とは?

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大人が忘れた団結して何か一つのことをしていく大切さ

夏の自動車大運動会「K4-GP」は軽自動車をベースにしたクルマで楽しむレースだ。そこに普通車のルノー4(キャトル)をもちこみ、今年で参戦10年目を迎えるチームARD(仮)に密着取材をしてきた。今回は残念ながらリタイアしてしまったものの「仲間で何かをすることに意味がある」と、来年に向けて再出発を誓った。

K4-GPは、基本的に軽自動車が主役となりサーキットを走行するイベントだ。だが、5つのレギュレーションがあり、そのなかの一つ、自然吸気エンジンで1200cc以下、さらに主催者が認めた車両は参加することができる。今回、取材をしたキャトルもその1台である。

「知人がミニで出場していて、そこに相乗りをしたら凄く楽しくて、自分たちでも出てみたいと思いました」と語るチームメンバーのHさん。キャトルにした理由は「チーム全員がルノー車乗りだったからですね。構造がシンプルで楽しいんです」

2006年から参戦をし始めたキャトルチームは、これまで目立ったトラブルがなく完走をし続けていた。

「今年はマシンを少し変えて、キャブレターからインジェクション(燃料噴射量を電気的な動作で噴霧器する機能)に変えたので、燃費や耐久性などが気になるところです」とSさん。

予選で乗った印象は「走りやすくなりました。少しだけラクになった気がします。燃費が向上するかどうかは不明ですが、楽しみ」と嬉しい意気込みもあった。

レースが開始し、一同マシンの走る姿を見守る。キャトルの走る姿は、なんとも愛くるしく、目立っている。30分、1時間と時間を重ねていき、1時間30分を経過したあたりでキャトルがコース上に現われなくなった。急いでピットに戻ってみると、ボンネットを開けてチーム全員がキャトルを見ている。

「急にアクセルを踏んでも反応が悪くなってしまって……。コースサイドに止めて牽引車で運んでもらいました。原因は、ガスケットが抜けてしまったようです。10年目にして初のリタイヤです」

キャトルチームは勝敗よりも仲間と楽しむことを優先している。「これは夏祭りなんです。主催者もレースじゃない、皆で楽しむレースごっこだと公言しているので、そこに皆で乗っかったんです。それに、こういう事がないと仲間とずっと繋がっていくことができないんですよ」

1台のクルマが人間関係まで紐付けていく。

K4-GPにキャトルで出場する魅力を訪ねると「団結して何かひとつのことをしていく……。大人になると小っ恥ずかしいといいますか、そういう機会がなくなってしまうので、童心に返って楽しめるんです。なにより、キャトルは運転していて楽しいクルマですから」

どんな状況でも、皆で楽しむ。帰り際に「来年に向けて改善をして、次回は11回目の完成を目指します! また取材に来てくださいね」と意気込んで、ローダーを走らせた。