中国が月面に有人基地建設を構想中。地上50mにレーダー設置、地球を監視する計画

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中国が月面に有人レーダー基地の建設を計画していると香港メディアが報じています。基地には地上50mの高さのレーダーを設置し、科学研究および国防目的で利用するとのこと。South China Morning Postによると、計画には多くの天文学者が疑問を唱えているにもかかわらず、中国政府はすでに1600万元(約2億4170万円)の予算をプロジェクトチームに与えたとのこと。計画では、レーダーは1.4ギガバイト毎秒の情報を生産する能力を有し、遠隔操作ではなく技師による操作を必要とするとされます。レーダーの用途としては月面から地球を観測し、気象の変化や地殻の変動、極地域の氷山の減少などを調査するとしています。

ただこのレーダー、地上だけでなく海面下、または地下を探ることも可能とされ、何らかのスパイ行為のために用いられるのではといった懸念も一部にある模様です。匿名の天文学者らはこのプロジェクトについて「Lunatic idea(常軌を逸したアイデア)」だと非難。非常にコストが高く付くとして、地上を監視するなら通常の偵察衛星のほうがはるかに安あがりに同じことができると語っています。

しかし中国政府とプロジェクトチームは、「月は強力な電波を照射するプラットフォームとしての安定性と、使用期限がないといったメリットがある」と主張します。電波を照射するには大きな電力が必要となるため、もしかするとレーダーのエネルギー源として、月の資源を利用するといったことも考えているのかもしれません。中国政府は2020年までにプロジェクトが大きく進展することを望んでいるとのことです。

ちなみに、1967年に制定された宇宙条約では宇宙のいかなるものも国家が独占できないとしています。ところが、米国は2015年、国家としては宇宙のものを独占できないものの、企業法人や個人がこれを主張する場合は国としてそれを認められるとする法案を成立させ、月やその他の星での採掘は可能だとする方針を示しました。また月には資源があると予想され、その資源でより遠方を目指すロケットの燃料を製造するというアイデアも考えられています。

ただ、中国が積極的に月探査を進めようとしている一方で、米国は2010年に政府が月探査を経て火星への有人探査を目指すNASAのコンステレーション計画を打ち切り、直接火星を目指すとしました。欧州宇宙機関(ESA)は有人の月面探査および資源開発を計画しているものの、実現にはまだしばらく時間がかりそうです。