テレビアニメ「アイカツ!」の天羽まどか役などを演じる川上千尋さんです。

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編集部が注目する声優に、声優を目指したきっかけや、初めてのお仕事、そしてプライベートなことまで、気になるあれこれについてインタビューを行い、さらに撮り下ろしのグラビアも交えて紹介する人気企画「声優図鑑」。

第138回となる今回は、テレビアニメ「アイカツ!」の天羽まどか役などを演じる川上千尋さんです。

――声優であり、イラストレーターとアイカツ!しての面もある川上さんが、声優というお仕事を意識し始めたのはいつ頃ですか?

川上:高校生の時です。入学式の日に自己紹介をした後に、同じクラスの女の子が駆け寄ってきて、「声が特徴的だから、声優になったほうがいいよ〜」って言ってくれたんです。その子、今では親友なんですけど、声優がすごく好きで。私もアニメはずっと好きだったんですけど、「声優さんが演じている」という認識がなかったので、すごく驚きましたけど、今思えばそれが運命の出会いでした。

――どんなアニメを観ていましたか?

川上:小さい頃は、深夜帯アニメっていうカテゴリーが私の中にはなかったので、夕方帯のアニメをだいたい観てました。両親が共働きだったので、学校や習い事に行く時間以外は、ひとりでアニメを観るのが習慣でしたね。

――アニメが好きで、イラストも描けるとなると、アニメーターを目指すこともできそうですが…。

川上:絵は小学校の頃から描いていたこともあってか、高校に入る頃までは漫画家になりたかったんです。でも、仕事にしてずっと描き続けるのはむずかしいなって思って(笑)。


――イラスト好きという観点から、絵に魅力を感じるアニメってありますか?

川上:「(美少女戦士)セーラームーン」は画集を揃えていますし、「おジャ魔女どれみ」の画集も持っています。子供向けアニメってカラフルなところがすごく好きで。あと、ストーリーはもちろん、色使いが好きな「少女革命ウテナ」。他には「刀語」とか。「モノノ怪」の画面もすごく綺麗だな〜と思います。

――漫画ではどうですか。

川上:漫画で素敵だと思うのは「ジョジョの奇妙な冒険」。漫画を読み始めてからイラスト集も見るようになりました。

――絵が綺麗な漫画やアニメはホントに多いので、影響を強く受けてしまいそうですね。

川上:それは、よくあります(笑)。素敵な作品を観たら真似してみたいと思うので。でも、真似をしたとしても描き手の感性はやっぱり違うので、結局は完璧な真似ではなく、オリジナルに近づくと思うんですけど。

――声のお仕事では、8月13日公開の「劇場版アイカツスターズ!」に出演を! 天羽まどか役は、2015年から演じているキャラクターです。

川上:まどかちゃんはキャラクターデザインがかわいくて、そのかわいさを最大限アピールしたい! と思いながら演じた役です。大人の方はもちろん、子どもたちも、まどかっていうキャラクターを純粋に好きでいてくれて、たくさん応援してくれたので、ここまで出番が多いキャラクターを初めて演じる自分としては本当に嬉しかったです。

――まどかというキャラクターの良さって、どんなところだと思いますか?

川上:まどかはすごく奥が深い子で、おばあちゃんがトップデザイナーっていう設定なんですよ。おばあちゃんが作ったドレスを着たくてアイドルになることを決めて、そうなるためには自分がドレスを着られるくらいのアイドルにならないといけないと思っている。だから、純粋にアイドルになりたいというだけではなく、現実を知った上でアイドルを目指している子だなって思っています。そうやって自分を見つめたうえで前に進んでいるところが彼女の良さかなと思います。あとはストレートに「私かわいい!」という子なのでそんなところも可愛いし、まどかの最大の良さだなと思っています。

――そういった血縁関係が描かれているキャラクターは多くはないですね。

川上:はい。おばあちゃんと孫っていう関係もデザイナーとアイドルという関係も面白いなとおもっていました。デザイナーとしてのおばあちゃんに接する時は、アイドルっていう気持ちをきちんと持って演じたいと思ってましたし、その反面で、孫としては素直な部分もあるんです。私自身もおばあちゃん子だったから、おばあちゃんが大好きっていう感じは出せたかなと思います(笑)。


――(笑)。そんな一面もファンに愛されているんでしょうか。

川上:そうかもしれません(笑)まどかが初めてドレスをもらうメイン回を過ぎたあたりから、だんだん言葉の裏にある気持ちを理解してもらえるようになって、演じる側として嬉しかったです(笑)。

――そして、ラジオ「テラ娘茶屋」も長く続いている番組です。

川上:金元寿子ちゃんとのラジオ「テラ娘屋」が本編で、「テラ娘茶屋」は私がひとりでパーソナリティをしています。(2016年)8月でもう3周年なんです。私もひさちゃん(金元)もインコを飼っているので、その話をゆるっとしたり、2人で朗読をしたり。朗読では、おばあちゃん役も幼い子ども役もすべて2人で回すので、いつも挑戦ですね(笑)。

――2人ともインコを飼っているのは偶然?

川上:先にひさちゃんが飼っていて、私も、もともと飼いたいなと思ってました。最初に飼った子たちが卵を産んでからどんどん増えて、今では8羽に。ヒナから育てた子の1羽は、顔を合わせるたびに「おはよう」って挨拶してくれるので、ホントにかわいいです。「アイカツ!」っていう言葉も覚えて、その映像はツイッターにもアップしてます(笑)。

――アイカツインコ(笑)。「テラ娘屋」の放送中に出るイラストは、川上さんが描いたものだそうですね。

川上:そうです! もう70枚くらい描いているので、アルバムが軽く作れそう(笑)。フリートーク中のイラストはあんまりうるさくないように、朗読の時は童話っぽく…とこだわって描いてます。切手シートとか、うちわとか、グッズにもしていただいてるんですよ。


――最近は、趣味で“つまみ細工”を作っているとか。

川上:つまみ細工って、浴衣を着た時に髪につける飾りなんです。「テラ娘屋」のイベントが年に2〜3回あるんですけど、去年の夏に高橋美佳子さんがゲストで来てくれた時は、美佳子さんと寿子ちゃんの2人にプレゼントして3人お揃いでつけて出演しました。「アイカツ!」で氷上スミレ役を演じている和久井優ちゃんにも。スミレちゃんの目や髪の色に似た色を組み合わせて作りプレゼントしたり、私自身も着物や浴衣を着る楽しみが増えています。

――キャラクター自身の色を組み合わせるのって面白いですね。

川上:プロが考えている色の組み合わせだから完璧ですよね(笑)。

――声優とイラストレーターという2つのお仕事、見事に両立されているなと感じます。この2つの共通点ってあるんですか?

川上:私は、この2つを両立させてきたから今があると思ってます。どちらかを選んだほうがいいのかなって考えた時もありましたけど…。どちらも“表現する”ことですけど、表現の仕方がまったく違うので、お互いに学べるところがあって。今は、両方吸収した上で表現が広がればいいなと思ってます。

――実際に、表現の広がりを感じたことは?

川上:声優のお仕事でボイスサンプルをとった時に、スタッフさんが「(そのセリフの)背景やシチュエーションがよく伝わってくる」と言っていただいたことがあって。イラストを描き続けてきたことが活きたのかな、と思いました。


――声優としては、海外ドラマの吹き替えやナレーションのお仕事も多いですね。これから挑戦してみたいジャンルや役どころはありますか?

川上:まだまだ演じたことがない役どころはたくさんあるので、貪欲にどんな役でも演じてみたいですね。アニメのキャラクターだったら、狂気じみた敵役とか、マスコットキャラとか。生死を問われるようなすごく重いテーマの作品で人間味のあるキャラクターを演じたりとか。自分がどこまでできるかを試してみたいです。吹き替えではまだ子どもの役が多いですけど、そのうち、ヒロインの女性を演じられたらいいなって思います。いつか、美術館のナレーションにも挑戦したいです。

――最後に、読者へのメッセージをお願いします!

川上:最近、「アイカツ!」のまどか役だけでなく、ほかの作品などでも知っていただける機会が増えてきていて、すごく嬉しいです。今以上に多くの場で声を聞いてもらえるようにしていきたいなと思ってます。イベントなどでもみなさんにお会いできるように、もっといろんな作品に携わっていきたいと思いますので、応援よろしくお願いします!

――ありがとうございました!

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

◆撮影協力
magic tone studio(マジックトーンスタジオ)

取材・文=麻布たぬ、撮影=山本哲也、制作・キャスティング=吉村尚紀