中国の女性に好きな男性のタイプを聞くと、しばしば「幽黙感がある人」という答えが帰ってくる。「幽黙感」とはもちろん、幽霊が見えるとか霊感があるとかいうことではない。「ユーモアセンス」のことだ。軽妙なトークができたり、気の利いた洒落の言えたりする男性は、中国では結構モテるのである。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国の女性に好きな男性のタイプを聞くと、しばしば「幽黙感がある人」という答えが帰ってくる。「幽黙感」とはもちろん、幽霊が見えるとか霊感があるとかいうことではない。「ユーモアセンス」のことだ。軽妙なトークができたり、気の利いた洒落の言えたりする男性は、中国では結構モテるのである。

 広東省深セン市のメディア・晶報は20日、「日本人はジョークができるのか」とする文章を掲載した。文章の作者は台湾の著名な文筆家・呉興文氏だ。文章は、1952年に中華民国の駐日大使となった董顕光氏が日本赴任時、「くれぐれも宴席にて日本人に対して安易にジョークを言ってはならない。特にカミさんが怖いといった話は最大のタブーだ」と言われたというエピソードを紹介。その理由が「日本人にはユーモアセンスがなく、宴席でジョークを繰り出せば礼を失する危険性がある」といったものだったとした。

 そのうえで、この話を信じなかった董氏が宴席にて日本人に対してこの話をしたところ、終戦期に文部大臣を務めた前田多聞氏が「反証」を示すべくジョークを発し、これに続いて董氏も中国でポピュラーな笑い話を披露すると、同席していた日本人も笑い話をし始めて大いに盛り上がったと紹介した。

 そして、54年末には漫談家・徳川夢声氏ら日本の文化人が集まって「ゆうもあ・くらぶ」が創設されたことなどを紹介。戦後の日本において人びとの生活にユーモアが取り入れられ、鬱屈した雰囲気が徐々に取り払われていく傾向が垣間見えたと評している。文章は最後に「日本やドイツで笑い話ができるかどうかは、その国のどの時代においてかを考える必要があるのだ」と結んだ。

 当然ながら、今の日本は笑い話に溢れている。高尚でセンスのあるジョークから、周囲を凍りつかせるような「笑えない笑い話」までバラエティ豊かだ。笑いは人びとの鬱憤を晴らし、日々の暮らしを豊かなものする上で欠かせない「日用品」であると言える。文章が最後に提起した指摘は、かつて日本には正面切ってジョークが言えない時期があったことを示唆するものだ。その意味の重さを、いつまでも忘れてはならない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)