元国税の税務調査官が明かす「脱税が疑われている業種とその特徴」とは?

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脱税などの不正取引を発見することを目的とした税務調査。これは法人だけでなく、個人も対象となっている。経験したものにしかわからない税務調査官が放つ威圧感は、しっかり納税義務を果たしている者でも気圧されるほどだ。ではこれが脱税をしている者となれば……言うまでもないだろう。

「教えて!goo」にも「突然税務署の方々が税務調査に来た!!!」という投稿が寄せられた。投稿者は、個人で居酒屋を10年営んでいるという。何の連絡もなく突然やってきた税務署に言われるがまま資料を提出し、その日は帰ってもらったようだが、その後いつまでたっても連絡がなく、生きた心地がしないとまで綴っている。

■税務調査をどう感じるかはやましいことがあるかないか

これに対して回答者の反応は二つに分かれた。

「さほど心配する必要はないと思います。(中略)…我流でも正しいと自信のある申告をしていれば、あまり気にしないことですね」(ben0514さん)

「やましいことしてたら、それが暴かれるからその覚悟はしておいた方が良い。(中略)…前に経営してた会社も税務調査にいきなり来られて結果的に4億持ってかれた」(bfoxさん)

どのような心構えが適切かという質問に対して、お二人の両極端な回答。実は、この内のどちらかに投稿者はベストアンサーをつけているのだが、結果はQ&Aをご覧頂きたい。

■税務調査の実態を暴露!

さて今回は、全国524ある税務署を監督指導する国税局で、税務調査官としての経歴を持つ松嶋洋税理士に、税務調査の実態を暴いて頂いた。

税務調査のピークはいつなのだろうか。

「従来は9月〜11月がピークでした。しかし、近年は税務調査の件数が少なくなっていますので、その件数をアップさせるため、7月の下旬から税務調査が多くなされます」

では、税務調査官にはノルマなど課されているのだろうか。

「調査官には、1年間にこのくらいの税務調査を行うべき、という件数のノルマが課せられています。私の現職時代は、1年に30件程度でしたが、今は1件当たりの税務調査が長くなっていますので、そこまで多くはないと思います」

とのことだが、どのような業種が狙われているのだろうか。

「狙われる業種としては、不正取引が多いと言われる、パチンコや風俗業界が挙げられます。これらの業種は、国税庁の公表するプレスリリースにおいても、常に上位にランキングされています」

さらに深堀りし、不正が行われる業種に特徴があるのかを聞いてみた。

「不正が多い業種の特徴の一つとして、売上について、現金決済が多い業種というのが挙げられます。現金決済であれば、証拠が残りにくいため、不正してもバレない、といった考えがあると思われます」

■納税は一種の恩返し!?

出来れば払いたくない、と思われがちな税金。しかしそんな税金は、普段私たちが当たり前の様に享受している公共サービスに使われている。例えば学校がその一つだ。財務省は、小学生一人が一年間学校に通う際に必要なお金は84万8000円と発表しているが、それら全ては私たちの税金で賄っている。

小学校が有料になってもいいから納税義務がなくなる方がいい、そんな考えに賛同する方は多くはないだろう。ネガティブに捉えがちな納税を少しでもポジティブに捉えるために、納税を一種の恩返しと考えてみるのもオススメである。

●専門家プロフィール:元国税調査官の税理士 松嶋 洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は税理士として事務所を運営する傍ら税務調査対策のコンサルティングにも従事。

(森)

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