【長谷川豊】シャープの新社長就任会見「プレッシャーがないと成功は出来ない」

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日本が世界に誇る大手電機メーカーであるSHARP。経営状況が悪すぎて台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業に買収されたわけですが、そこから派遣されてきた新社長が22日付で就任しました。

戴正呉新社長。これで「たいせいご」と読みます。

戴(たい)新社長はまず、去年8月から行われていた給料の2%カット(役員は5%)をもとの給与体系に戻すことを報告しました。
要は少しだけですが、今まで下がっていたお給料を戻すそうです。

と、同時に社員全員にメールを送信。その内容は逆になかなか厳しい。

「信賞必罰の徹底」
「プレッシャーがないと改革などできない」
「不安など普通」

戴新社長が社員に対して送ったメールは、今までのSHARP社員たちにとって抜け落ちていた部分を指摘しているのだと思います。
厳しいことを書いてあるように見えますが、そもそもこの程度「当たり前」のこと。要は

「出来なけりゃリストラするぜ?」

ってことです。通訳すると。そらそうです。株式会社ってそういうものです。

で、再生に向けてSHARPは「新しい顔」を欲しているようですが、そもそも「世界に誇れる」という技術と工場を持ちながら液晶画面を支え続けてきた、天才的な技術者を

「お前らの研究など、SHARPの研究施設があったから出来たものだ」

と、当たり前のように年収数百万円程度で荒使いし、韓国のサムスンやLGに引き抜かれたわけです。週刊誌などで報じられたところによると、年収2000万円、家付きでスカウトしたとか。その程度で済むのであれば、サムスンやLGには安いもんですしね。

で、2005年に世界シェア1位だったSHARPは2014年にこうなるわけです。

薄型テレビ市場の世界シェア推移(台数ペース)

(注)液晶テレビとプラズマテレビの出荷台数合計。2005年1月〜3月期の総出荷台数は406万台、2014年1月〜3月期は同4,871万台。出所:ディスプレイサーチ

サムスンとLGの2社だけで世界のシェア40%です。ぼろ負け。10年前はSHARPが1位だったのにね……。

私は思うんですけれど、日本の経営者の一番足りないところって、
「優秀な一部の社員に対する感謝」
なんじゃないですかね?
自分が会社を立ち上げたのかも知れません。しかし、現場で汗を流して働いてくれてるのって、優秀な社員です。彼らが支えてくれてるわけ。

それが抜けたらこうなるに決まってるだろ。

青色発光ダイオードの中村教授じゃないけれど、日本の経営者たち……もっと現場に感謝した方がいいと思います。
超のつく天才ってほとんどいない。その天才を会社で使えている幸運をもっと感謝すべき。私は、SHARPの経営陣は、あの液晶画面を作ったチームには年収4000万円や5000万円ほど渡すべきだったと考えています。だってそれくらいの価値は当然あるのだから。

役に立たない社員もいるかもしれないですが、天才的な社員を失えば、結果はこうなります。この10年でなんでここまで落ちたのか。もっと真剣な、根本的な改革が必要だと思いますが……。

長谷川豊(Hasegawa Yutaka)