原発をめぐって対立

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 財界の真ん中にいる経団連に対し挑戦状を叩きつけたのが楽天の三木谷浩史氏が立ち上げた新経連だ。争点は「原発」と「政権との関係」である。経済ジャーナリストの永井隆氏が解説する。

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「電力ビジネスに革命を起こす」

 そう繰り返す三木谷氏にとって、今年4月からスタートした電力小売り自由化は“革命実現”への第一歩となった。それは、同氏が率いて「脱原発」「エネルギー分野の規制緩和」を主張する新興の経済団体・新経済連盟(新経連)にとっても重要な政治的果実だった。

 対する日本経済団体連合会(経団連)の榊原定征会長は「原発が止まっているのは国として損失だ」と発言し、原発再稼働を強く働きかけている。

 これまで日本の経済団体は、経団連、個人の資格で加盟する経済同友会、日本商工会議所の3団体が中核を成してきた。特に、経団連は“財界総本山”であり、経団連会長は時の政権にも影響力を持つため「財界総理」とも呼ばれた。

 しかし、東日本大震災後の電力行政や原発政策をめぐり、2011年に経団連を脱退した三木谷浩史・楽天会長が旗揚げした新経連が財界の構図に一石を投じた。経団連を飛び出した三木谷氏は当時、「経団連は日本企業の護送船団方式を擁護」「経団連に入っている意味はない」など痛烈に批判。“オールドエコノミー”とバトルを繰り広げた。

 現在、経団連と新経連は別の観点でも争っている。いかに政権への距離を縮めるかだ。 経団連前会長の米倉弘昌氏(住友化学相談役)と安倍首相との間には確執があった。米倉経団連は民主党政権時に野党だった自民党とは距離を取り、政権復帰した自民党への献金もしなかったのだ。

 そのため本来、経済財政諮問会議メンバーの最重要候補であるはずの経団連会長が選ばれない異例の事態に発展。その間、産業競争力会議の民間議員には三木谷氏が就いた。

「新経連は経団連の敵失に助けられた」との見方もあるが、2014年6月に東レの榊原氏が会長に就任して以降、経団連は政治献金を再開。安倍政権への再接近を図っている。双方は互いをどう捉えているのか。

「新経連を軽視はしないし、経団連にもメンバーとして入ってもらいたい」(経団連・正木義久総務本部長/管理本部長)

「経団連とはひと味違う角度から、政府与党への提言を重ねていく」(新経連・関聡司事務局長)

“大人”な言い回しながら、両者はいつまた原発問題などで正面衝突してもおかしくない。

※SAPIO2016年9月号