日本で唯一VHSビデオデッキを生産していた船井電機が、2016年7月にとうとうこれを打ち切ってしまった。時代がDVD、HD、さらにウェブへと変わった今、しょうがないといえばしょうがないのだが、アラサー以上の世代にとっては、やはりどこか寂しいニュースだ。

画像はイメージです(DRs Kulturarvsprojektさん撮影、Flickrより)

というわけで今回Jタウンネットでは、全国のユーザーから募った「VHS時代の思い出」を紹介していきたい。

「一時停止ボタンを押すのに全神経を集中させて...」

家庭でのVHSの主な使い道といえば、やはりテレビ番組などの録画だ。より良い状態で録画するため、また観たい番組を録画するため、今からすれば涙ぐましいほどの努力が繰り広げられていた。

まずは、北海道のAさん(40代女性・会社員)からの投稿を。

「大好きな連続ドラマを『永久保存版』にしようと、手動で途中に入るCMを『カット』していました。その時間に何秒のCMが入るかチェックし、デッキの前に張り付いて、一時停止ボタンを押す。これに全神経を集中させていました」

もう、ドラマの中身どころではない。

「空いてるテープどこ!?」

やはり録画の話題で、埼玉県のBさん(20代男性・学生)。

「直前に番組の放送を知ったときなんか、それを頭から撮ろうと思ったら大変でした。今ほどリモコンの感度も良くないし、家族一緒になってあくせくしていたのもいい思い出です」

今では番組表からボタン一つで録画予約ができるし、見逃し配信や全録、自動録画なんかも珍しくないが、VHSの時代には手動で日時指定をしたり、「Gコード」なんかを入力したりしなくてはいけなかった。ましてやBさんの思い出のように、その場で録画を始めようと思ったら、

「空いてるテープどこ!? ああ、番組始まっちゃう!!」

ダビングだってひと仕事

今なら簡単にできる映像データのやり取りも、VHS時代にはちょっとした大仕事だった。宮城県のCさん(30代男性・アルバイト)は、

「ダビングしようと、2大のビデオデッキを友達の家まで自転車で持っていったことがあります。重くて大変でした......。しかもVHSは、ダビングすると画質が劣化してしまうんですよね......」

当時マニアの間では、貴重な録画をダビングし合うネットワークがあったそうな......。閑話休題。

デッキもテープも、意外と壊れやすいのがVHSだった。神奈川県のDさん(20代女性・公務員)から。

「父親が撮りためていた、昔の仮面ライダーのビデオがどうしても観たくて拝借したんですが、うっかりテープが壊れてしまい......父親に思いっきり怒鳴られました」

岡山県のEさん(30代男性・会社員)も、こう当時を振り返る。

「観終わってデッキからテープを出そうとしたら、テープとデッキの中身が引っかかり、テープに傷が付いたり、切れて見られなくなったことが何回かありました。あと、落としてふたが外れたことも......」

思い出の録画、今も手元にあるけど...

ところで冒頭に紹介したとおり、VHSビデオデッキはすでに生産終了している。となると困るのが、当時がんばって撮りためたコレクションの扱いで......。

画像はイメージです(Violet Auldさん撮影、Flickrより)

山口県のFさん(30代男性・自由業)もこう嘆く。

「1990年代後半〜2000年代に放送された音楽番組や、ドラマの録画、好きなアーティストのビデオクリップ集やライブビデオなどたくさんのテープが、ダンボール入りで部屋の押し入れに眠っています。DVDなどにダビングしたいところですが、必要なチューナーもないですし、時間もないもので、そのままになってて......」

デッキが手に入らなくなる前になんとかしないと、まさに宝の持ち腐れ。

最後は、北海道のGさん(30代男性・会社員)からの投稿で締めくくる。

「中学生のころ、親が持ってたVHSのアダルトビデオを部活の皆で回して観ていたことが懐かしい......。今は、インターネットで気軽に観れる時代ですからね〜」

確かに。