政府や日銀の打つ手がすべて「裏目」に出ている観すら否めない我が国の経済政策。加えて中国による尖閣周辺海域での蛮行が重なり、日本はこれまでにない窮地に立たされていると言っても過言ではありません。このまま日本は沈没してしまうのでしょうか。メルマガ『国際戦略コラム有料版』の著者・津田慶治さんが読み解きます。

財政破綻と戦争が同時進行

国が破綻する原因は、財政破綻と戦争での敗戦の2つであるが、これが、2つともに同時進行しているのが、日本である。どうすればよいか。その検討。

中国の襲来と財政破綻

中国が尖閣諸島に漁船250隻と武装された公船数隻を送り、隙あれば、海洋民兵を尖閣諸島に上陸させようとした。これは戦争に結びつくし、日中戦争になる可能性が高い行為である。

この行為に対して、政府は中国政府に抗議しただけで、対応手段を言わないことで、中国はより強い行動を取る可能性が高まっている。

しかし、この戦争になる可能性がある現時点で日本経済は、復活できずに停滞したままである。財政破綻が起こり得る状態を引きずり、地政学リスクと財政破綻の2つの深刻な問題が同時に襲いかかってきている状態である。

この2つの問題を、同時に解決することが政府に求められていることである。アベノミクスでの構造改革が不十分というより、まったく役にたっていないことによる。アベノミクスから3年が経ち、そろそろ、構造改革の効果が出てきても良いが、その気配は全くない。

それは構造改革の方向が間違えていたことによる。一番に取り組む必要があったのは、人口減少問題、労働人口減少問題であったが、これがほとんどされていないことによる。

人口減少問題の解決は、限定された移民政策しかない。将来のテロや戦争国になりそうな国の移民はしてはいけないが、親日国や味方になる仏教国家からの移民は、運命共同体とし受け入れて良いはずである。もちろん、日本語教育などをして、文化的な問題を起こさないようにして移民することが重要である。

現時点、将来戦争になるかもしれない中国から50万人以上もの知識階層移民を受け入れているが、戦争になったとき、この中国移民の人たちを、どのように待遇するのであろうか?

多くの中国人が日本でゲリラ活動や破壊工作をする可能性があるが、第2次大戦時の米国の日本人収容所みたいな収容所を作るつもりであるのか、非常に心配な状況である。特に企業の中核にいる中国人労働者が多数退去したら、その企業は活動が出来るのであろうか?

そろそろ、企業も対応策を考えておく必要があると思うが、どうであろうか? それほど、今回の漁船250隻来襲は心配な状況になっているのである。

しかし、一方、日本の成長には、移民が必要である。人口減少は、即、経済の維持ができずに、日本は財政破綻になる。このため、移民は、少なくとも年間20万人以上は、必要になっている。それも中国人以外で、イスラム教徒以外で必要なのである。

夢も持つ国対現状維持国の戦い

世界は、「夢を持つ国家群」対「現状維持希望の国家群」の戦いになりそうである。夢を持つ国とは、1つにソ連の復活を夢見るプーチンのロシア、2つが唐や清帝国の復活を夢見る習近平の中国、3つ目がオスマン・トルコを夢見るエルドアンのトルコである。それと、ペルシャ復活というかシーア派擁護のイランが世界の紛争を引き起こすことになる。

サウジ、欧米日、東南アジア諸国、インドは、現状維持を望むが、4つの国は、拡大志向であるので、当然、この周辺諸国は戦争の準備をしないと負けてしまうし、戦争できる程体力がないなら、属国化するしかない。徐々に周辺諸国は色分けされてきている。

第3次世界大戦に向けて、世界は再構成され始めている。米国の覇権力が弱まり、また国内の貧富の差が激しくなり、国力を世界の警察として使えずに、国内の社会福祉に向ける必要があるようだ。

このため、米国は限定的な対応しかできないので世界の警察の役割を同盟国にシフトさせている。このため、日本も米国の役割の一部を分担する必要が出てきたのである。

国家破産

日本は財政破綻する可能性がある。今までに1,053兆円もの国債を発行して、それでも新規に40兆円程度の国債を発行して、税収は50兆円しかないのに、予算は90兆円にもなる。これは、いつか破綻すると小学生でもわかる。

防止するためには、税収を増やすか、支出を削るしかない。しかし、消費税増税もしないし、社会福祉予算の減額もしないというので、何も対策をしていないに等しい。税収を上げる方法として、景気を底上げして、法人税や所得税の増収を狙うが、倍にはならないので、増税をしないと難しい。

それより、国債が返せなくなる。そのため、国債が売れなくなり、国債が暴落するはずが、国債販売は順調に消化している。日銀が預金をマイナス金利にしたことで、その国債の金利がマイナスである。損をすることが確定している国債が売れる。このため、政府は国債を発行して利子を受け取れるので、国債発行を止めない。どうしてかというと、国債を日銀がより高い値段で買ってくれるからである。

このような事態になり、三菱東京UFJ銀行は、国債の買取を中止して持ち高を減らしているし、他の銀行も国債の持ち高を減らす必要がある。

日銀の量的緩和で、国債を年間80兆円も買っているので、国債に占める日銀の割合が30%程度になり、18年末には50%程度になることが確実である。しかし、いつかは、国債に対する信任が尽きる。日銀が量的緩和を縮小したら、国債の金利は急激に上昇して、銀行が持つ国債は暴落になり、銀行の安全資産は一夜にして不良資産になる。ゆうちょ銀行や地方銀行の多くが破綻すると言われている。

このため、日銀も量的緩和を縮小できないのである。しかし、日銀のマイナス金利で、国債の消化が日銀の買取を前提にしていること自体が異常であり、正常な国債消化には、国債をプラス金利にする必要があり、そのためには日銀のマイナス金利政策を止める必要がある。

もし、マイナス金利を深堀したら銀行の国債買取はできずに、海外のヘッジファンドの国債暴落狙いのターゲットにされるだけである。国債暴落(国債の金利の上昇)で、長期金利が暴騰して、円が超円安(1ドル=200円程度)になり、国民は輸入食料品価格が2倍以上になり、ハイパーインフレで貧しくなるし、日本は財政破綻することになる。そして、国債の発行ができずに、予算の大幅カットをするしかない。国民はダブルパンチを食らうことになる。

これをハイパー・インフレによる国家財政の健全化というようであるが、国民は塗炭の苦しみを味わうことになる。

金融抑圧

もう1つが、英国が戦後行った金融抑圧という方法で、金利をゼロにして、インフレを年率2%にして、30年先には、重みが半分になる。税収は倍以上になるので、全体的な重みからすると4分の1になる。国民は徐々に慣らされるので、苦しみは少ない。

しかし、現在は、このような計画でインフレ率を上げようとしているが、なかなか上がらない。

ということで、ハイパー・インフレのような急激な円安ではないが金融抑圧レベルのマイルドなレベルより、もう少し過激な方法で円安にして、インフレを作る必要があるようだ。

特に、日銀の量的緩和でも、円高が止まらず、このままにすると、インフレではなくデフレになり、国債の重みが増す方向になるので、どうしても円安にすることが必要になっている。

40年国債

このため、ヘリマネという方法が話題になっているが、政府の国債を直接、日銀が買い取ることでカネを供給しようとことであるが、国債の直接受け入れを日銀法では、禁止している。この日銀法を改正して、直接受け入れをするのは、歴史的な観点からも難しい。

そこで、40年国債を日銀が現在持っている国債と交換するという手を財務省が提案して、日銀がそれを検討しているのである。

このため、麻生財務相が、日銀黒田総裁との会談後、40年国債を作ると言ったのである。もちろん、金利はゼロである。一般にも売り出すが、金利はゼロである。相続税がかからないというメリットを付けるようである。一般に売り出すことが目的ではなく、日銀の国債を凍結するのが目的である。これで借り換えの国債発行がなくなるので、国債の販売量が少なくできる。

このような40年国債発行でヘッジファンドがどう反応するのか、また、格付け会社がどう格付けをするのかが問題である。

そして、これを擬似ヘリマネということにして、円安になるかどうかである。円安になるが、これは日本から投資が逃げることになるので、日銀はETFなどの買いで株価の下落を止めるようである。

日銀総括の内容と日銀・財務省の合同作戦の概要はこのようなことになるのではないとみている。

さあ、どうなりますか?

image by: Drop of Light / Shutterstock.com

 

『国際戦略コラム有料版』より一部抜粋

著者/津田慶治

国際的、国内的な動向をリアリスト(現実主義)の観点から、予測したり、評論したりする。読者の疑問点にもお答えする。日本文化を掘り下げて解析して、今後企業が海外に出て行くときの助けになることができればと思う。

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出典元:まぐまぐニュース!