75店舗を展開する居酒屋チェーン「世界の山ちゃん」の創業者で、エスワイフード会長の山本重雄さん(59)が亡くなった。名古屋メシのひとつ「手羽先」を全国に広めた立役者で、看板に描かれたユーモラスなキャラクター「鳥男」のモデルでもある。

「鳥男」(yoppyさん撮影、flickrより)

創業は1981年。最初は「串かつ・やきとり やまちゃん」だった。当時わずか1店舗だった居酒屋が、なぜ「世界」を冠したのか――。その理由を調べてみた。

アルバイト店員の電話応対がきっかけ

「世界の山ちゃん」になったワケ。その答えは公式ブログ(2011年7月24日投稿分)に書かれている。このネーミングを生み出したのは、草創期にいた男性アルバイトだった。彼は店にかかった電話に「はい、宇宙のやまちゃんです!」などと、店名をおもしろおかしく言いかえながら応対する。

「宇宙」になっていたかも!?(naka hideさん撮影、flickrより)

それを聞いていた山本さん。数あるフレーズでも、とくに「世界の山ちゃん」を気に入り、そのまま店名に採用した。テレビやネットメディアなどのインタビューで、山本さんは「夢があるなぁ」と思ったとも振り返っている。命名から30年ちょっと経った2014年4月、香港に海外1号店を出店し、名実ともに「世界の山ちゃん」となった。

看板メニュー「幻の手羽先」(Yusuke Kawasakiさん撮影、flickrより)

山ちゃんの看板メニューは「幻の手羽先」。同じく名古屋の人気居酒屋「風来坊」が出していた手羽先からあげにヒントを得て、生み出された商品だ。公式ブログ(同年8月19日)によると、こちらのネーミングは店員ではなく客発信。その美味しさから、すぐに食べ終えてしまった客が「幻のように消えてなくなる」と形容したことを受けたそうだ。

店員や客の反応を柔軟に取り入れた山本さん。「鳥男」のイラストで親近感を持っていた人も多く、山ちゃんファンからの追悼ツイートが多数出ている。

ちなみに、山ちゃんは「名古屋メシ」で知られるが、山本さん自身は岐阜県出身。2016年時点で岐阜には店舗がないが、公式サイトの会社年表では、17年以降の出店予定として「岐阜」を筆頭にあげていた。

「全国出店(岐阜、仙台、沖縄、など)世界進出(アメリカ、ハワイ、韓国、中国、オーストラリア、ドバイなど)夢の国 あなたと共につくる山ちゃんバラ色の世界...」