沖縄の応援がすごい理由

写真拡大

 全国から選び抜かれた精鋭たちが集う甲子園。熱き戦いに華を添えるのがアルプススタンドだ。華麗に舞い踊るチアガール、壮大なブラスバンド――。誰もが知る甲子園の見どころだ。

 それでも応援強豪校は数多かれど、その高校が出場できるかどうか分からないのが甲子園。しかし、甲子園ファンの間で「毎年、外れなし」と絶賛される応援がある。それが沖縄県勢の応援だ。

※野球の見方が変わるスマホマガジンでニュースやコラムが読み放題!

■甲子園出場は金がかかる……!

 実は甲子園に出るためには地方大会を勝ち抜くだけではなく、多大な出費の工面もある。

 一説にはウン千万円。移動費、滞在費、応援のためにチャーターするバス代などなど、とにかくお金がかかるのだ。

 とくに沖縄は船や飛行機で甲子園に来なくてはならない。沖縄大会の日程がほかの地区と比べて極めて早いのは、寄付金集めに時間がかかるからだともいわれている。

 そんな沖縄県勢だが、アルプススタンドはいつも超満員だ。

■ブラスバンドは市尼崎が担当

 名物応援『ハイサイおじさん』や指笛、踊りうねるスタンドで選手たちを鼓舞する沖縄県勢。

 その中心となっているのは市尼崎の吹奏楽部だ。市尼崎の吹奏楽部は兵庫県屈指の強豪として知られており、羽地靖隆総監督が沖縄出身という縁で20年前から春夏の甲子園で沖縄代表の応援を引き受けてきた。

 甲子園での友情応援はよくある話だが、20年連続となるとその腕、経験はベテランの域。高校野球と同じく部員は毎年入れ替わるが、ノウハウの蓄積は半端じゃない。市尼崎の友情応援があるからこそ、沖縄の応援はいつだって相手チームの脅威になっているのだ。

 それだけではない。毎年、沖縄代表の試合には沖縄県人会をはじめ、関西近郊の沖縄出身者が大挙して詰めかけ、さらには沖縄の応援に魅せられた“沖縄ファン”もアルプススタンドに参戦。超満員の大盛況になっているのだ。

■今大会は両校が甲子園出場!


 今大会では市尼崎も33年ぶりに甲子園に出場。沖縄代表の嘉手納と対戦する場合、応援をどうするか話題になった。残念ながら両校ともに敗れてしまったが、市尼崎の野球部員が嘉手納の応援に参加し、嘉手納の選手も市尼崎の試合ではスタンドから声援を送った。

 さまざまな人が入り組む構成が、沖縄代表アルプススタンドの美しい熱狂を生んでいる。気が早いかもしれないが、来春、来夏の沖縄代表の試合がもう楽しみだ。

文=落合初春(おちあい・もとはる)

【関連記事】