「熟睡」が大切な理由とは?

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人間が健康的な生活を送るうえで必要不可欠な習慣が睡眠です。不規則な睡眠時間や寝不足などは、健康の問題に限らず美容や能力の低下をまねくおそれもあります。いかに熟睡が人間の生活に重要なことであるかを知るために、睡眠のメカニズムについてポイントをチェックしていきましょう。

■ 熟睡の重要性

しっかり眠れないと人間の体に様々なトラブルが生じやすくなります。たとえば、イライラしやすくなった、肌荒れがひどくなった、体調を崩しやすくなったなどは、ひょっとしたら熟睡できていないことが原因かもしれません。睡眠不足は免疫力の低下を引き起こしたり、ホルモンバランスの乱れで精神的に不安定になったりする怖れもあるため、軽く考えてはいけない問題というわけです。熟睡できないことで生じるデメリットは多く、健康に及ぼすリスクが高いことも大学や医療の研究で明らかとなっています。

・ 免疫力の低下をまねき、体調を崩しやすい。さらに、体力の回復も遅い。
・ 脳の働きが低下し、処理能力や記憶力が悪くなる。
・ ストレスが溜まりやすく、イライラやモヤモヤを感じやすい。
・ 成長ホルモンの働きを妨げ、肌や体の機能など老化のスピードが早まる。
・ 生理機能に負担をかけ、骨髄の働きに悪影響を及ぼす。
・ 体が休まらないことで心臓に負担をかけてしまう。

これらは一部のデメリットですが、そのほかにも健康に与える被害は少なくありません。睡眠は脳や内臓、血管などのリズムを正常に整える重要な時間なのです。

■ そもそも"熟睡する"とは?

熟睡って何?と聞くと「よく眠ること」「しっかり寝ること」と答える人も多いでしょうが、実際には生物学的な視点で正しい定義があります。熟睡とは、"ノンレム睡眠"の状態でいるときを表し、これに対して"レム睡眠"のときは熟睡できていない状態です。レム睡眠は眠りが浅い状態で、脳が活動しているとき。眠っているけれど、実際は脳が動いていて深い眠りにつけていません。たとえば"夢を見る"のはレム睡眠の状態。記憶を整理したり消去したり脳が機能していることで、その一環として夢を見るという現象が起きるそうです。目覚めたときに夢をはっきり覚えている場合、ノンレム睡眠よりもレム睡眠の比率が多かったことになり、熟睡できていない証拠になります。

■ ノンレム睡眠とは?

脳が起きているレム睡眠に対し、脳が寝ている状態がノンレム睡眠です。ほとんど脳が活動していないため、非常に深い眠りについている状態となります。脳だけでなく血液や内臓、皮膚や筋肉といった組織を休ませ、体力を回復させています。また、ノンレム睡眠の最中に成長ホルモンの分泌が促されるのも特徴です。ノンレム睡眠は4段階(ノンレムステージ)に分類され、段階が上がるにつれて眠りが深くなる仕組み。同じノンレム睡眠でもステージ1よりステージ4のほうが熟睡できている状態となります。

・ 眠りについて1時間30分〜2時間後・・・ステージ4(もっとも深い眠り)
・ 眠りについて2時間〜3時間後・・・ステージ3(眠りが深い)
・ 眠りについて3時間30分〜5時間後・・・ステージ2(次第に眠りが浅くなる)
・ 眠りについて5時間〜6時間後・・・ステージ1(ほぼレム睡眠の状態)

■ 睡眠のサイクル

人間は眠っているとき、レム睡眠とノンレム睡眠を繰り返しながら深い眠りと浅い眠りを行ったり来たりしています。ノンレム睡眠の最中に約10分〜15分だけレム睡眠の状態になり、そのサイクルを起きるまで繰り返すのが睡眠のメカニズムです。ノンレム睡眠の状態に入ってから90分後に10分〜15分のレム睡眠へと移行し、レム睡眠が終わったあと1段階下のノンレム睡眠に移行し、90分後にレム睡眠へと移行するサイクル。また、レム睡眠は全体の2割と言われており、仮にトータルの睡眠時間が10時間だとすればレム睡眠は2時間ということになります。ただし、"就寝するタイミング"や"目覚めるタイミング"によってもサイクルが変わってくるため、必ずしもこのサイクルに当てはまるわけではありません。

■ ノンレム睡眠のサイクル

たとえば深夜0:00に就寝した場合、ステージ4は午前2:00。つまり、ノンレム睡眠の中でもっとも眠りが深い状態です。午前3:00頃にはステージ3へと突入し、そのあとはステージ2、ステージ1へと移行していくので朝方になるにつれて徐々に眠りは浅くなっていきます。就寝から6時間後にはステージ1ですから、ほぼレム睡眠の状態と変わらず、このときに夢を見ているので起きても覚えていることが多いんですね。反対に、夢を見たかどうか覚えていないという人は、ステージ3やステージ2で目覚めている可能性が高いと言えるでしょう。

■ いつ目覚めるのがベスト?

熟睡とは、長い時間をかけて眠ることではありません。いかにノンレム睡眠の状態を邪魔せず、浅い眠りのときに目覚めるかが重要なポイント。そのためには、ノンレム睡眠の90分が終わったあとに移行する10分〜15分のレム睡眠のときに目覚めるのがベストなタイミングです。さらに、とくに眠りの深いステージ4やステージ3では目覚めず、なるべくステージ2やステージ1など眠りが浅くなる時間帯に目覚めるのが好ましいですね。たとえばステージ4を終えたあとに目覚める場合は、就寝から1時間30分〜2時間後が深い眠りであることを考慮して3時間以内の目覚めはNG。最低でも3時間眠ったあと、90分サイクルのあとに移行する10分〜15分のレム睡眠のときに目覚めるのがベストです。

この際、ステージ3も眠りが深い状態であることを踏まえると、「3時間+90分×1セット=270分後(4時間30分)」が必要最小限の睡眠時間となります。目覚まし時計をセットするときは「最低3時間+90分」の睡眠を基準にして、90分間隔を目安にしながら起床するタイミングを計算するとよいでしょう。

・例)5時間しか睡眠時間がない人は… 最低3時間+90分で4時間30分後に起床
・例)7時間の睡眠を予定している場合は… 最低3時間+180分(90分×2セット)で6時間後に起床

この場合、7時間眠ってしまうとノンレム睡眠の状態で起きることになるため、あえてサイクルを考えて6時間で起きる。もし7時間寝たいのであれば、30分前に就寝して7時間30分後に起きるのが好ましい。

・例)30分早く就寝した場合… 最低3時間+270分(90分×3セット)で7時間30分後に起床

■ 就寝と起床の早見表

いつ寝て、いつ起きればノンレム睡眠を妨げない時間帯に目覚められるのか、目覚まし時計をセットする際に役立つのが「就寝と起床の早見表」です。

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ノンレム睡眠を妨げない理想的な起床時間は、睡眠から4.5時間後・6時間後・7時間30分後・9時間後の4段階となります。起きるタイミング(時間)から逆算して就寝時間を決めると計画しやすくなりますよね。7:00が起床時間で6時間くらい寝たいという人は午前1:00が就寝時間。この場合、睡眠サイクルは「最低3時間+90分×2セット=360分(6時間)」となります。ただし、ノンレム睡眠のサイクルは眠りについてからの時間になるので、眠りにつくまでの時間を考慮すると、その時間よりも前に就寝しなければなりません。早見表で午前1:00の就寝時間を目安にするのであれば、30分ほど前から布団に入って眠りにつく準備が必要でしょう。眠りにつくまでの時間は個人差がありますし、その点を注意したうえで早見表を活用するといいですね。

■ 正しい睡眠をとる

睡眠は人間にとって必要不可欠な習慣です。正しい睡眠をとり、熟睡することが大切。ノンレム睡眠を妨げないように意識し、毎日の就寝と起床を心がけてみていかがでしょうか。

(image by amanaimages)
(著&編集:nanapi編集部)