神宮球場で目撃したヤクルトナインの感謝の気持ち

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 高校野球を見ていると思うことがある。“礼に始まり礼に終わる”。これが大事なのだと。相手を敬う気持ちや、感謝の気持ちの現れだ。今回は筆者が今シーズン、神宮球場で目にした感謝の表現をご紹介しよう。

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■試合前の坂口智隆

 今シーズン、センターのレギュラーを担っている坂口智隆(=写真)は、神宮球場で1回表の守備に入るとき、必ず帽子を取って一礼をする。

 この一礼は、ヤクルト応援団のいるライトスタンドに向けて行われるだけではない。ビジター側のレフトに向けても一礼するのだ。対戦相手のファンに向けたものなのか、それともグラウンドに向けたものなのか、はたまた野球の神様に向けたものなのか。真相はわからない。しかし、何かに礼をしているのは間違いない。

 オリックス時代からのルーチンワークなのだろうか。いつか、ヒーローインタビューでその謎にせまって欲しいものだ。

■試合中の山崎晃太朗

 イニング間のキャッチボール。神宮球場のヤクルトベンチは一塁側にあるので、ライトとベンチの選手がキャッチボールを行う。ベンチから出てくるのは三輪正義がほとんどだ。ライトは雄平が離脱してから日替わりでスタメンが変わっている。「感謝の気持ち」を目にしたある日は、新人の山崎晃太朗がライトについていた。

 いつもどおりキャッチボールが終わり三輪がベンチに戻るとき、山崎が帽子のつばに手をやり一礼をした。三輪は手を上げて返礼する。新人の山崎にとってはどの先輩選手に対しても行う振る舞いなのかもしれない。

 だが、イニング間のキャッチボール後に一礼をする姿には好感を抱いた。何気ない仕草だが礼を重んじる姿勢は素晴らしい。外野レギュラー争いにぜひ加わってほしいものだ。

■試合後の山中浩史

 8月13日の巨人戦、山中浩史(=写真)が7回1失点の好投を見せた。ヒーローインタビューは山中とホームランを放った女房役の捕手・西田明央だ。

 山中は「結果が出てよかった」と語り、続けて、西田に対して「いつも、ありがとう」と、奥さんに感謝するようなセリフをサラッと言ってのけた。

 ヒーローインタビューで感謝の言葉を述べることはよくある。それは両親に向けたものや、ファンに向けた「ご声援ありがとうございます」といったコメントが定番だ。

 だが、山中はうまくリードしてくれた捕手に対しての感謝。九州男児ならではの心意気だろうか。次回以降の登板も期待したい。



 高校球児のときは爽やかに挨拶をしていたにもかかわらず、プロの世界に入るとそれができなくなってしまう選手も多い。見ていないようでファンは意外に見ている。

 集中しているなど様々な理由はあるだろう。しかし、周囲への感謝の気持ちを忘れずにプレーしてほしいものだ。

勝田 聡(かつた さとし)松坂世代のひとつ上にあたりサッカーの黄金世代となる1979年生まれ東京育ち。プロ野球、MLB、女子プロ野球、独立リーグと幅広く野球を観戦。 様々な野球を年間約50試合現地観戦し写真を撮影する。プロ野球12球団のファンクラブ全てに入会してみたり、発売されている選手名鑑を全て購入してみたりと幅広く活動中。【関連記事】