ジブリグッズコレクターがゆく『ジブリの大博覧会』六本木編

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現在、六本木ヒルズの52階では『ジブリの大博覧会〜ナウシカから最新作「レッドタートル」まで〜』が開催されております。
昨年(2015年)から愛知を皮切りに、新潟・東京と好評を博しつつ巡回しているわけですが、この東京展では愛知・新潟ではなかったジブリの新作映画「レッドタートル展」「空とぶ機械達展」の二つの展示も追加されてさらにパワーアップ!

今回は、その新しく追加された展示の見所をご紹介しつつ、7月に行われた報道関係者向け内覧会時にスタジオジブリ制作業務部取締役部長であり、「ジブリの生き字引」としても有名な野中晋輔さんの話も絡め、ジブリグッズコレクター(筆者)らしいレポートをお届けしますヨッ(笑)
ということで、ジブリの大博覧会六本木ヒルズ編スタートです。

※本稿に掲載している写真は報道関係者向け内覧会時に撮影したものです。

【関連:『ジブリの大博覧会』行ってきた!マニア目線で見所解説】

ジブリの大博覧会

まず地上から会場である52階までエレベーターで上がるのですが、受付でならび、エレベーターに乗るのでならび…とナカナカ会場までの道程は長いです(笑)この記事を書いている8月7日現在での公式ツイッターによる最長待ち時間は150分待ち。あまりに暑い日は覚悟を決めて行ったほうが良いかと思われます。
ただ比較的、夜になってくると空いてくる傾向にもありますので、22時まで(最終入場21時30分)
やっている大博覧会ですからそちらで行くのもオススメです。

会場へ無事に到着すると、スタジオジブリの最新作である「レッドタートル ある島の物語」の展示から始まります。展示にはマイケル監督が影響を受けた画や絵コンテの一部などが展示されており、その創作の過程を垣間見ることができます。

レッドタートル展 入り口

次はジブリの大博覧会に移り、バーカウンターでは皆さんお馴染みのトトロがお出迎え。

入り口のトトロ

そこを抜けると過去のポスター郡やセル、原画、キャッチコピーが決まるまでの鈴木敏夫さんと糸井重里さんのFaxでのやりとり等と、それこそココでしか見られないようなものが盛り沢山!
やはりココではじっくりと、本物の持つ力強さや繊細さを感じ取ってほしいと思います。
特にセル画にいたっては、トレス線と呼ばれる輪郭線の劣化や退色がしやすく、30年前の作品のセル画がこのような良い状態で残っていることがまさにキセキ!
その保管状態からも、いかに今まで大切にされてきたのかが良くわかります。

セルの保存状態が良い

よく見ていると気が付くのですが、ここで展示されているセル画のほとんどがポスター用に使用されている一点モノなので、動画用のセル画でよく使われるベタ塗りオンリーではなく、ハーモニー処理が施されているセル画が多いのも見所のひとつ。
ハーモニー処理とはセル画に絵画的な処理を施すことを指し、ジブリ作品ではそのほとんどを高屋法子さんが担当しておりました。
普段見ているベタ塗りのセル画の印象とは違い、一手間も二手間も掛かっているこのセル画。じっくりと堪能してください。

そこを抜けると日清製粉のキャラクターであるコニャラのコーナーがあり、CMコンテの一部やコニャラグッズが展示されております。ちなみにコニャラグッズの大半が非売品なのです!

こにゃらコーナー

そのすぐとなりにある壁一面には、鈴木敏夫さんが今までに筆を走らせたキャッチコピーやロゴなどの一部が展示されており、「ジブリの大博覧会」のタイトルロゴやスタンプラリー用に書き下ろされた各キャラクターの名セリフがあります。名セリフを見て何の作品だったのかと思いをめぐらせてみるのも楽しみ方のひとつ。トリッキーでありながらも力強い筆の走りも楽しめます。しかしちょっと肩に力が入ってしまったのか、一部のセリフに間違いがあるのはご愛嬌。そこを野中氏にすかさず質問っ!

くろすけ「この名セリフ…途中で校正入らなかったんですか?」
野中さん「……!? ハッ!!」
くろすけ「飛べないじゃなくて…飛ばねぇ…ですよね(笑)」
野中さん(苦笑)「もう完全に思い込みで書いてますよねー(一同爆笑)」
そーゆー意味でもこの名セリフクリアファイルは貴重カモ!?

正しくは「飛ばねぇ」

鈴木敏夫さんの仕事場を再現したコーナーでは、鈴木敏夫さんの好きなサイコロや似顔絵の入っている花札、過去に発売されたいろいろなジブリグッズが所狭しと置いてあります。
なかには、本展覧会の入場料を値下げしたときの筆文字も飾ってあるので探してみてください。
本博覧会では、前売券の発売後に値下げを敢行したため、値下げ前に入場券を買った人は受付で差額の500円の返金を受けられます。それも大博覧会特製のかわいいポチ袋に入っているところがまた心憎いところですね(笑)

と、会場を進んでいきますと、ジブリの倉庫にたどり着きます。
ここでは過去の記事にも書いたのですが、膨大な宣伝グッズがひしめいており、まずその数に圧倒されることでしょう。本博覧会の製作プロデューサーである青木さんから聞いたお話では、二ヶ月間という短い期間でコレだけのものを揃えたそうですが、その大部分が鈴木敏夫さんの私物であるということもあっての展示であり、それがなかったらまず二ヶ月という短期間でこの展示はなかったのではないかとお話しておりました。
今回の記事では、私見ではありますがその中でも特に珍しかった「これだけは見ておきたい3品!」と題しましてグッズのご紹介をさせていただきます。

▼アリエッティのカップ&ソーサー

これは懸賞品の中でもかなり珍しいもの。なんせ30客という非常に狭き門なゆえ、僕自身も実物にお目にかかるのは初めて!プレゼント告知の段階では、お品が完成していなかったのか、イメージイラストでの告知だったので感動もひときわ。今博覧会で僕が楽しみにしていた一品でもあります。カップ系ですと、HMVでアリエッティのDVDなどの予約購入すると先着でもらえたのがハートのマグカップ。劇場店舗での販売用デミタスカップではアリエッティの絵柄が入っているので、ハート・ダイヤ・クローバーの絵柄で劇中に登場したものを忠実に再現しているのはこれだけなんです。ノリタケさん作ってぇぇぇ〜〜。

アリエッティ カップアンドソーサー

▼平成狸合戦ぽんぽこの大ヒット記念腕時計

こ、こんなものがあったのか!とカルチャーショックを受けたお品の一つ。まったく存在を知らなかったとはいえ、以前に「非売品腕時計コンプリート!」とツイートしてしまった自分が恥ずかしい(笑)野中氏いわく、非売品腕時計はこの「ぽんぽこ」から始まったと記憶しているそうで、ということはその次回作である「耳をすませば」もあるのかと思いきや、こちらは見た記憶がないとのこと。
その証言を元に時系列で見てみると、ぽんぽこ〜山田くんまではシリアルNO入りの記念品という扱いですが、2000年以降の作品からはローソン限定でシリアルNO入りの同型腕時計が販売されていたのもあり、千と千尋以降はシリアル無しのプレス向けのお土産色の強い感じを受けます。

ぽんぽこ 腕時計

▼耳をすませばのアラームクロック

こ、こんなものがあったのか!!第二弾。とゆーことで(笑)こちらも存在すら知らなかったグッズの一つ。メーカーはキャノンであることと、携帯用の目覚まし時計であることぐらいしかわかりません。私自身も見たことがないので、プレゼント系のものではなく、関係者へのお土産の類ではないかと思われます。
この手の宣材物の一部は過去に鈴木敏夫さんの発案により「宣伝グッズ資料を一度まとめよう」という話のもと、スタジオジブリ関連資料集という本としていくつかまとめられているのですが、1995年公開の「耳をすませば」以降の作品では作られなくなってしまいました。

耳をすませば アラームクロック

というのも「もののけ姫」以降の作品では、製作委員会資料という分厚い冊子が内部資料としてきっちりと作られるようになり、(もののけ姫の時はまだ、コピーをホチキスで綴じたようなものだった)わざわざ本を作る必要性がなくなったというのが実情だそうです。
ただこの製作委員会資料でも、劇場公開以降の宣伝展開によるグッズまでは網羅されてはおらず、その時のチラシなどの資料を全て販売元が管理しているかというと、それも残っているわけではない為、資料収集も実はハードルが高いものばかりです。
ジブリの倉庫にある宣伝グッズなどはとても貴重なものばかり。これはご自身の「曇りなき眼」でしっかり見定めると新しい発見もあるカモ!?(笑)

このジブリの倉庫を抜けると関係者用の記念品などが一部展示されております。
「千と千尋の神隠し」で第75回アカデミー長編アニメ賞を受賞した時の本物のオスカー像や第52回ベルリン国際映画祭で金熊賞(熊はベルリン市の象徴)を受賞した時の本物の金熊像などの超貴重なお品が展示されており、プレス関係者でも撮影禁止エリアとなっております。

空とぶ機械達展 

お次は東京展で初お披露目である「空とぶ機械達展」。入り口にはラピュタのオープニングを模した動く歯車の展示物や、中には巨大な動く飛行船の模型があり、その展示スケールの大きさを感じさせます。2002年にジブリ美術館で開催された「空想と空とぶ機械達展」では、宮崎駿監督が案内人の声をやっている5分ほどのショートフィルムや宮崎駿氏による漫画の解説が入った掲示物が主になっていましたが、今回は六本木ヒルズの52階というロケーションを活かしたビジュアル面で魅せるような展示になっています。この展示とネコバスルームのみが本博覧会での一般撮影スポットとなっているので、カメラは必須!特に飛行船のジオラマは夜になるとライトアップされるのでオススメの撮影ポイントです。撮影している人の中には、ガラス越し夜景と、そのガラスに反射して映った飛行船やネコバスをうまい角度で撮影して、六本木上空を飛行船やネコバスが飛んでいるかのような写真を撮る猛者もいるので試してみる価値アリですネ♪

ラピュタのオープニングみたい

ネコバス

大人気のネコバスルームを抜けると一通りの展示が終了します。しかしこれだけでは「まだだ、まだ終わらんよ」というのがジブリの大博覧会(笑)
このあとはお好みで、ジブリの大博覧会の開催を記念した、オリジナルメニューを提供してくれるカフェに行くか…お土産に突っ走るかは…あ・な・た次第。

お土産コーナーでは大博覧会限定商品がたくさん!
今までの大博覧会で限定商品がほとんど出なかったのは何だったのか!?と、言いたくなるぐらい販売されています。
そんなお土産コーナーからも筆者の独断で2つばかりご紹介♪

▼タケヤ式自在置物「蛇螻蛄(ヘビケラ)」

4年前の巨神兵のフィギュア化に続き、またもや「風の谷のナウシカ」よりの立体化。
自在置物と銘打っているだけに、45箇所も可動しちゃうというまさにグネグネの多関節野郎なわけです(笑)アニメ版とは色が異なりますが、こちらの燻し銀的な質感もまた渋くて高級感を漂わせております。お値段こそ13824円ほどしますが、「お値段以上!」であることは折り紙つきです!

▼茶色のトトロのぬいぐるみ

1993年に一度だけ販売されたものの、あまりの人気のなさに一次出荷分だけで生産を取りやめたという、いわくつきの茶色いトトロ(笑)今でこそ時代が追いついてきたのか、茶色いトトロのぬいぐるみも販売されてはいるのですが、当時としては「早過ぎたんだ!」というセリフがよく似合います(笑)

ジブリの大博覧会六本木編はいかがでしたでしょうか。
この記事執筆中に「だいぶ長いな…」とも思ったのですが、これでもだいぶ端折ってます(笑)
残りの部分は大博覧会へ足を運んでいただいて、実際に展示密度の高さやジブリの歴史の深さなんかをそれぞれ感じ取っていただければと思います。

『ジブリの大博覧会〜ナウシカから最新作「レッドタートル」まで〜』は六本木ヒルズにて9月11日まで開催されています。

(文:くろすけ)