親の学歴・所得に関係なく「学歴&幸福度の高い子ども」に育てる2つの条件
子どもに「将来いい大学に入ってほしい」と期待している親御さんは多いもの。
子どもが“高学歴・高所得”になる、親の特徴が判明! あなたはどのタイプ?
しかし、東京大学の調査では、リーマンショック以降、年収400万円以下の世帯と1,050万円以上の世帯での国公立大学進学率に3倍近い差があることが明らかになっています。
つまり、親の学歴と所得が高い方が、子どもも高学歴・高所得になりやすいとの結果が出ているのです!
ただ、すべての世帯に当てはまるかといえば、決してそうではありません。
親の学歴や生活状況に関係なく、子ども自身の幸福度や学歴が高く、良好な親子関係が続いている家庭もたくさんあるのです。
一体どうすれば、親の学歴や所得に関係なく幸福度&学歴の高い子どもに育てられるのか?
実はこの条件は、たった2つ。
(1)幅広い経験を積む
(2)学ぶことの楽しさを知る
きょうは、この2つの条件についてご説明しましょう。
1:子どもの学力は幅広い経験を積むことで高まる
キャンプで大自然と触れ合う、コンサートや美術館に行って芸術に触れる、マナーが必要とされる場(コース料理のレストランなど)に一緒に行く……。
実は、このような様々な経験を積めるように意識している家庭の子どもの学力は、そうでない家庭に比べて高いというリサーチ結果があります。
これは、脳科学的にも立証されていることです。
脳の神経細胞間には、シナプスという伝達物質が存在し、これは良質な刺激(情報)によって発達を遂げます。
このシナプスは、数が増えて発達することで、ある知識とある知識を結びつけて新しいことを発見したり、自分にとって有益な情報を得たりできるのです。
そして、シナプスを増やすために必要なのが、「幅広い経験を積む」こと。
脳は、慣れる性質があります。日常的に触れていることは慣れてしまい、段々反応しなくなるのです。
例えば、ずっとつけっぱなしのテレビに子守りをさせる、ゲームばかりさせる、と言った、決まった刺激だけを与え続けていると、良質な刺激が足りず、シナプスが減ってしまいます。
最初に触れた、大自然、芸術、緊張感を伴う場は、普段とは違った経験のため、脳のあらゆる部分が刺激されます。
その結果、シナプスが発達し、「賢い脳」をつくるのです。
また、身近な経験であっても良質な刺激となって脳を鍛えます。近所の公園に行って、草花を愛でるだけでもOK。
今度の週末は、親子でそんな過ごし方をされてみてはいかがでしょう?
2:子どもが学ぶことの楽しさを知らないとダメ!
ただし、誤解してほしくないことがひとつあります。
この記事では「高学歴・高所得」をテーマにしていますが、実際は「高学歴・高所得=幸せ」ではありません。
実際、右脳開発教室の講師時代、「優等生だけど不幸」という子どももいました。
そういう子どもの共通点として、言われたことをそつなくこなす、感情の起伏が乏しいという特徴がありました。
「親に言われると素直に勉強するけれど、自分が学びたい訳ではないから、問題が解けても嬉しくない」という状態です。
こういう子どもが陥りやすいのが、いい子症候群。
この症状が出てしまうと、将来自分で物事を考え判断することができなくなる可能性があります。
中学受験・高校受験に成功して希望の学校に入学したものの、そこで燃え尽きてしまい、結局学校に行けなくなって自主退学となるケースもこのタイプに多いのです。
なぜこんなことになるかというと、本来、自分で見出すはずの学習意欲や学習目的が曖昧なまま、ロボットのように義務として勉強に取り組んでしまったからです。
本来人間には、本能的に「学びたい」という欲求があります。
「知らなかったことを知る」→「楽しい」→「もっと知りたくなる」→「調べる」→「わかったことを元に実験したくなる」→「試す」→「もっと楽しい!」
こうして、学ぶという行為を自己成長や自己実現につなげていく。
これが、本来人間に標準装備されている「学ぶことへの欲求」であり、「楽しさ」なのです。
では、学ぶことの純粋な楽しさと、将来の自己実現に必要だから学ぶという意識を子どもに教えるために、具体的にはどうすればいいのか?
それは、子どもが興味を持ったことを一緒に調べてみたり、将来何になりたいかを子どもから聞いて、それに必要な体験をさせてあげたりするなど、生活の中のちょっとした時間でできるのです。
これなら、お金をあまりかけずに実践可能ですよね。
まとめ
不幸になってまで高学歴・高所得になってほしい親はいないですよね。親にとっては、子どもの幸せが一番の願い。高学歴・高所得はその延長線上です。
決して、「こんなことも知らないんじゃ、将来◯◯になんかなれないよ!」などと言って、子どもの夢をつぶさないように……。
子どもの幸福度も学歴も高めたいと思うなら、ぜひ(1)幅広い経験を積む(2)学ぶことの楽しさを知る、の2つを意識した子育てを取り入れてみてくださいね。