ヤラせじゃないの?催眠は存在するのか現役心理学者を直撃

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指をパチンと鳴らすだけで、一歩も歩けなくなったり、椅子から立てなくなったりする……テレビで見る催眠術番組での光景だ。しかし、こんなことが本当にあるのだろうか。「教えて!goo」に「催眠術って存在するの?」という質問があった。これに対し、「中学校の頃、同級生がこっくりさんをやって催眠に入ってしまい、覚醒しなくなって病院に担ぎ込まれて覚醒してもらったことがある」(kigurumiさん)や「身近な人達が次々に催眠術にかかってしまうのを実際に目の当たりに見ていますから、ヤラセではないことは確かです」(tpg0さん)など、驚きの回答が寄せられた。だが、「催眠術はテレビでしか見たことがないから信じられない」という人も多いだろう。本当のところはどうなのか、現役心理学者の内藤誼人先生に聞いた。

■催眠は存在する

「催眠という現象は、確かにあります。専門用語としては催眠術ではなく、『催眠』と言います。精神医学の分野で、催眠にかかりやすい言葉やフレーズの研究がおこなわれているほどです。『スタンフォード催眠被暗示性尺度』という、催眠のかかりやすさをはかるための心理テストも開発されています」(内藤先生)

催眠はズバリ、実在するとのこと。では、催眠のかかりやすさはかけられる側の気質によるものなのだろうか?

「操作することも可能です。ここでは詳しく言えませんが、さまざまな方法が研究されています。また、繰り返すほど催眠をかけやすくなることもわかっていて、腕のいい人なら長期に渡ってかけることも可能です。さすがに一生ということはありませんが」(内藤先生)

内藤先生によると、何十年もの間、催眠にかかったままだった人もいたという。それが自分だったら……と考えるとゾっとする。そもそも、催眠とはどういう状態のことなのだろうか。 

「簡単に言えば、脳がだまされている状態です。そのせいで身体が反応を起こすこともあるのです。たとえば催眠によって、『単なるボールペン』を『火のついたタバコ』だと信じ込ませます。催眠にかかった人の手にボールペンを押し付けると、やけどの反応(跡)ができることがあるのです」(内藤先生)

聞けば聞くほど恐ろしい催眠だが、使い方によっては自分を高めることもできるようだ。

■自己催眠で成功を手に入れる

「スポーツ選手やビジネスマンは、自己催眠をかけることで、自身のパフォーマンスを上げることができます。これは有名な話ですが、タイガー・ウッズ選手には専属の臨床心理学者がついていて、メンタルトレーニングを教えているそうです。これによりウッズ選手は、本番での集中力を上げているわけです」(内藤先生)

上手に使えばいいこともあるという催眠。もし自分にもいい効果が期待できそうであれば、試してみるといいかもしれない。ただし、悪用は厳禁なのでご注意を。

●専門家プロフィール:内藤 誼人
心理学者、立正大学客員教授、有限会社アンギルド代表取締役。慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。「3割しか話さないのになぜかうまくいくビジネス英会話のルール」(ジャパンタイムズ)、「ヤバい出世学」(大和書房)他、著書多数。

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)