日本市場の攻略に苦戦する韓国企業。世界市場ではテレビなどで日本企業を圧倒しているが、日本ではほとんど食い込めていない。韓国メディアは無料通話アプリ「LINE」の成功を例に「攻略のカギは徹底的な現地化」としている。写真は東京。

写真拡大

2016年8月20日、韓国企業が日本市場の攻略に苦戦している。世界市場ではテレビなどで日本企業を圧倒しているが、「メード・イン・ジャパン」のお膝元では全くと言っていいほど食い込めていない。韓国メディアは無料通話アプリ「LINE」の成功を引き合いに「徹底的な現地化」をカギに挙げている。

韓国・聯合ニュースによると、対日貿易赤字は1965年の日韓協定締結当時、1億ドル(現在のレートで約101億円)にすぎなかったが、その後、持続的に増え続け2010年には過去最高の361億ドルに達した。昨年は203億ドルに減ったが、依然多い。今年上半期は105億ドルに上った。

無線通信機器、自動車部品は一時黒字に転じたことがあるが、今年上半期は赤字。主力輸出品目の半導体、鉄鋼も状況は似ている。半導体は対日輸入が輸出を約3倍上回る。韓国の対日輸出は対中輸出の拡大に伴い急減。14年は韓国にとって日本は3番目の輸出先だったが、昨年は5番目だった。

昨年の対日輸出額は256億ドルで前年比20.5%減少。輸出全体に占める割合も4.9%だったが、聯合ニュースは「韓国にとって日本はあきらめられない市場だ。技術強国という象徴性も高いためだ」と指摘している

日本市場での韓国企業の苦境を端的に象徴するのは、スマートフォン。世界シェアトップを誇るサムスン電子のスマホも日本ではシェアが低い。昨年、日本のスマホ市場でのサムスンのシェアは6%にすぎず、LG電子のシェアは統計が取れないほどだ。サムスンも「ギャラクシーS6」を日本に輸出する際に「SAMSUNG」のロゴを取り除かなければならなかった。米アップルが掌握している日本市場に入り込むための苦肉の策だった。

テレビをはじめ家電製品はさらに状況が厳しい。世界テレビ市場でサムスンが1位、LGが2位だが、両社とも日本のシェアは事実上「ゼロ」に近い。2000年代中盤、サムスンはヒット製品の液晶テレビ「ボルドー」で本格的に日本市場攻略に乗り出したが、ソニー、パナソニック、シャープなど日本メーカーの牙城はびくともしなかった。

自動車も同様。現代自動車は00年に日本に販売法人を設立し、翌年から乗用車の販売を始めたが、販売が振るわず10年で撤退。累計販売台数はわずか1万5000台にとどまった。

こうした中で、「LINE」は日本で最も成功を収めた韓国のIT商品の一つ。韓国の検索サイト最大手NAVER(ネイバー)の100%子会社だが、スマホを持つ日本人の80%が使っている。聯合ニュースは「特に文化的障壁が高い海外のITサービス分野での大成功は想像が難しかった」と指摘。「秘けつは徹底的な現地化」と強調し、「開発スタッフや経営陣の中から韓国人を見つけるのは難しい。大多数の日本の消費者はLINEを日本企業だと思っている」と言及している。(編集/日向)