■連載/阿部純子のトレンド探検隊

 1984年のプレイベントからスタートし、いまや「世界最大級の造形の祭典」として知られる「ワンダーフェスティバル2016【夏】」(通称・ワンフェス)が7月に幕張メッセで開催された。日本最大のガレージキットコンベンションとして始まったワンフェスだが、現在では模型、フィギュア、トイ、工芸品の展示販売、3Dプリンター、3Dモデリングなどの展示やデモンストレーション、さらにコスプレや映像なども展開する巨大イベントになっている。

オタクのすさまじい熱気にあふれた日本最大の造形物の祭典「ワンダーフェスティバル」 オタクのすさまじい熱気にあふれた日本最大の造形物の祭典「ワンダーフェスティバル」

2016年夏の入場者数は5万2141名。今回は公開直前だった『シン・ゴジラ』の関連の出展が目を引いた。「ゴジラ 対 エヴァンゲリオン」ブースでは、大型モデルやエヴァ仕様ゴジラなどコラボ展示やトークショーなどが開催され、主催の海洋堂のブースでは「シン・ゴジラ雛型レプリカ特別版」のレジンキャスト製完成品(税込・99万3600円)が展示されていた。

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◆KAIZU ZONE〜怪獣ゾーン〜

 ゴジラの二大アーティストのサイン会や、限定品販売、レプリカ展示を行っていたKAIZU ZONE。ゴジラのデザイナーで漫画家の西川伸司さんと、ゴジラコミックスアーティストのマット・フランクさん、USJでアトラクションやクリーチャーデザインを担当している、USJアートディレクターのアダム・ミリチェヴィッチさんらが顔を揃えた。

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 西川さん、フランクさんのブースには長蛇の列ができており、画集購入者にはその場で描き込んでくれるミニイラストにファンは目が釘づけ。海外からの来訪者も数多くいた。会場ではフランクさんが作画を担当したIDWコミック「ゴジラ:ルーラーズ・オブ・アース」の邦訳版がワンフェス限定版として発売され、こちらも好評を博していた。

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◆PRIME1 STUDIO

ポリストーンスタチューやキャラクターフィギュアの製作・販売の「PRIME1 STUDIO」。トランスフォーマーやバッドマン、スーパーマンなどのアメコミキャラクターのリアルなスタチューが並ぶ、圧倒的な存在感のあるブース展開。来年発売予定の「ダークナイト ジョーカー ポリストーン スタチュー 1/2スケール」(税別22万9900円)はその精巧さに舌を巻く。

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◆高知県ブース

 切断面から赤身と骨がちらちらと見える、高知県のゆるキャラ「カツオ人間」があまりに強烈で、「これは一体なに?」と足を止めたのが高知県ブース。会場では「まんが王国・土佐」、「海洋堂かっぱ館」「海洋堂ホビー館四万十」のPRを行なっていた。

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やなせたかしさんをはじめ数多くの漫画家を輩出している高知県は、県庁内にまんが・コンテンツ課を設置し、県をあげて「まんが甲子園」の開催やイベント、コンテンツ企画など、まんが文化の推進とコンテンツ産業の振興に取り組んでいる。

◆FLYING MEGALOPOLIS

 斬新でユニークな世界観を持つ造形作家が集まったブース。「SHOVEL HEAD」の宇田川 誉仁さんは紙粘土、金属、電子パーツや木などさまざまな素材を使い、実在の生物や空想上の生物をモチーフとしたオブジェを制作している。

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 オリジナルの木工製品を制作している「Ari'sFactory 蟻工房」は、組み立てキットの時計を展示。オルゴールのルーツともいわれるアフリカの楽器・カリンバを販売していたのは、長野県に工房を構える楽器職人でミュージシャン、イラストレーターでもある松崎暁天さん。さまざまな素材、大きさのカリンバが並び、数字で表記した独特の楽譜を見ながらその場で演奏もできる。

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◆にょロボてぃくす

 近畿圏を中心にライブやイベントなど、歌とダンスのパフォーマンスを行なっている“歌って踊れるアイドルロボットユニット”にょロボてぃくす。所属メンバーは現在8名。会場には画像左のメガネっ娘のサギリちゃんと、ピンクのアヤメちゃんが来場。最初は驚いたが、だんだん可愛く見えてくるのは不思議。コスプレイヤーの来場者からも大人気で、写真撮影に引っ張りだこだった。

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◆むにむに製作所

 オリジナルコスプレ用キャラクターマスク、コスプレグッズを制作、販売している「むにむに製作所」。ソフトビニール製の美少女マスクやウィッグ、レンズアイなどが並び独特な世界観を醸し出していた。パーツの組み合わせ次第で自分好みの美少女着ぐるみが完成する。浅草橋にショールームもあり試着もできる。

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【AJの読み】作り手と買い手の造形物に対する愛を感じるオタクイベント

 同人誌の即売会「コミックマーケット(コミケ)」と並ぶ、大規模なオタクイベントとして知られるワンフェス。コミケと大きく異なるのが「当日版権システム」と呼ばれる、ワンフェス会場内で販売されているすべての物品が、版権元の認可を受けた正規商品として販売されることだ。このシステムは当日に当会場のみに適用される限定枠の版権で、「その日のその会場内だけは、大手メーカーのマスプロダクト製品と、一個人が販売するアマチュアリズムあふれる造形物が並列している環境」(ワンフェス運営)。

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 ワンフェスの約9割を占めるのが学生やサラリーマンなどのアマチュアディーラーとのこと。プロの領域にあるような完成度の高いものから、趣味の域を出ないものまでさまざまで、宝探しのようにその中から好みのものを見つけるのが、ワンフェスの醍醐味といえる。

文/阿部 純子

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