台湾・台南市観光局が去る12日と13日の2日間、大阪市内でキャンペーンを実施した。同キャンペーンは「ひと味違う台南の魅力」を強調した。

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 台湾・台南市観光局が去る12日と13日の2日間、大阪市内でキャンペーンを実施した。同キャンペーンは「ひと味違う台南の魅力」を強調した。

 台湾の歴史は複雑だ。太古の時代から、先住民族が住んでいた。次にやってきたのはオランダ人など欧州人だった。ちなみにほぼ同じ時代、日本人も台湾に足を踏み入れているが、定着はしなかった。

 オランダ人は労働力として、大陸から多くの中国人を移住させた。次にやってきたのが鄭成功だ。鄭成功は台湾からオランダ勢力を駆逐し、台湾を拠点に清に抵抗して明朝復興運動に身を挺したが、急死した。

 このオランダ人や鄭成功が拠点としたのが、現在の台南市一帯だった。そのため台南市は「台湾の古都」とされている。ただしその後、台湾の経済や政治の中心は徐々に北部に移った。結果として台南では、台湾人本来の気質が色濃く残ったという。

 台湾人はよく情に厚いと言われるが、大都市である台北ではどうしても「ドライで合理的な考え」が目立つという。台南の人々は、「悪く言えば、アカ抜けしない」と言えるが、逆にその分「人情味あふれる、昔ながらの台湾人気質の人が多い」とされる。

 台南市では戦後も、台北ほどには近代都市化が急速に進まなかったので、戦前の日本統治時代の建物も比較的多く残っている。最近では、若い人が古い建物を利用して、「オシャレなカフェや喫茶店」として利用する例が注目を集めている。「レトロだけど新しい」特徴が、台湾人だけでなく外国人観光客にも人気だ。

 このあたり、開発の最先端からは取り残された地域が逆に、古くから残っているものをさらに新しい手法で利用できるという、興味深い実例のようだ。

 さて、台南市観光局が大阪で行ったキャンペーンでは、同局の王時思局長も登壇して台南の魅力をアピールした(写真)。王局長は来場した日本人に向けて、台南に来て、台南の良さを知って、台南人の友達になってほしいと繰り返した。

 もちろん、市の観光局長としては地元の観光関連産業の活性化、ひいては経済における利益獲得が任務だろう。しかし王局長の呼びかけの姿からはそれだけでなく、「日本の人々に台南市を知ってほしい。よい関係を築きたい」との熱意を強く感じることができた。

 ところで台湾人、あるいは外国人全般でも同じことなのだが、日本人は「おもてなし」をすることになる外国人客に、日本のどんな地方を見てもらいたいと思うだろうか。自分の住む地方を筆頭に挙げるのは当然だろうし、その他、東京、大阪、京都、奈良、さらにさまざまな地方を見てほしいと思うのでなかろうか。

 仮に外国人客から「そんなに、いろいろな場所を見るべきなのですか?」と尋ねられれば、「日本は小さな国ですが、地方ごとにさまざまなよさがあります。ですから、できたら多くの場所を見ていただきたい」と答えるのではないだろうか。

 台湾も同様だ。台湾は日本の九州ほどの大きさだが、歴史的経緯もあり文化は多用だ。自然条件もバラエティーに富む。台湾旅行と言えば、「まず最初は台北」となりがちなのだろうが、台北だけではあまりにももったいない。

 台湾と日本は互いに好感度が高い。そのことが、旅行人数にもあらわれている。2015年に日本を訪れた台湾人は約368万人で、総人口約2350万人の台湾人の約7.7人に1人が1年間だけで日本に来た計算になる。

 一方、15-16年の年末年始の期間中、日本人の海外旅行先のランキングで台湾はハワイを抜いて第1位になった。台湾を訪れる人数が増えれば、台湾のさまざまな土地にまで足を運ぶ人が増えていくのは自然な成り行きだ。今後は台南をはじめとする台湾南部を訪れる人が、もっともっと増えていくだろう。そして台南が、日本人観光客の期待を十二分に満たしてくれるだけの魅力ある土地であるということは、間違いなさそうだ。(編集担当:大平祥雲)(写真:サーチナ編集部)