管理栄養士が教える、「夏は麦茶」の理由

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執筆:永吉 峰子(管理栄養士)


夏といえば麦茶!
ご自宅で作ったり、お出かけ中にコンビニや自販機で購入したり、いつもより飲む機会が増えますよね。でもなぜ、夏は麦茶なのでしょう?そんな麦茶の理由や秘密を、管理栄養士がお伝えします。

麦茶が夏におススメな理由

夏に麦茶をおススメする理由は2つあります。

1つめの理由は、麦茶にミネラルが含まれている点。
私たちのかく汗には、水分だけでなくミネラルも含まれています。麦茶には、カリウムやリン、ナトリウムなどの失われがちなミネラルが含まれるため、失ったミネラルを補給できるのです。

もう1つの理由は、麦茶はカフェインを含まないという点です。
夏の熱中症の原因で意外と多いのが、水分を補給せず、寝ている間に寝汗をかいて熱中症になってしまうというもの。

その為、熱中症対策には、寝る前の水分補給も大切といわれています。そんな寝る前の飲み物には、興奮作用や利尿作用があるとされているカフェインを含む飲み物は避けたいですよね。

麦茶はカフェインを含んでいないので、寝る前に飲んでも安心です。また砂糖などを含まない為、カロリーがほとんどないのもうれしいところです。

ペットボトル製品と自宅で沸かす麦茶の違いは?

ペットボトル製品と自宅で沸かす麦茶の1番の違いは、風味といわれています。

ペットボトル製品は、日持ちをさせるために殺菌の工程があるので、麦茶の香ばしい香りが失われてしまうことがあるのです。またペットボトルや缶などの容器の香りの影響を受け、風味が損なわれてしまうこともあります。

一方、自宅で沸かす麦茶は出来立てを味わえ、香りなどの風味を十分に楽しむことができます。また好みの濃さに沸かすこともできるのも、自宅で沸かしたものならではの楽しみですね。

水出し麦茶と煮出した麦茶の違いは?

水出しと煮出しの主な違いは、作業工程と時間です。

水出しは、2〜3時間程度時間がかかりますが、ティーバックを入れて冷やしておけばよいので簡単です。一方、煮だしはお湯を沸かして数分で煮出すことが可能ですが、湯沸かしや冷ますなどの工程が必要です。

また全く同じティーバックでも作った場合に違いがでる、とされているのが風味です。

麦茶の香り成分は、加熱することで出やすくなるとされている為、やはり煮出しの方が味も濃く、おいしく感じられるようです。その為、おいしい麦茶を作るには、煮出しをおススメしたい!のですが、時間がない場合は「水出し専用パック」を使用すれば良いでしょう。

水出し専用のものは、香りが出やすいように麦の粒の大きさなどが工夫されているのです。また水出し専用のものを煮出しで使うと、雑味が出やすくなってしまいますので気を付けましょう。

麦茶のパックは、作り方によって選びたいものですね。

なお、気になる栄養成分ですが、濃度が同じであれば、麦茶に含まれるミネラルは加熱の影響を受けにくい為、ペットボトル製品でもご自宅で沸かしても、水出しでも栄養成分にかわりはないと考えられています。

自宅で作った麦茶の賞味期限は?

一般的に家庭で作った麦茶の賞味期限は、2〜3日とされています。

その理由は2つ。
1つは、この期日を過ぎると、麦茶に酸味や雑味が出てしまう為です。

そして、もう1つの理由は、「でんぷん」です。麦茶にはわずかにですが、でんぷんが含まれています。でんぷんは、簡単にいうと糖分の固まりなので、雑菌のエサになってしまうのです。ですから、わずかにでもでんぷんを含む麦茶は、他のお茶に比べ、腐りやすいお茶だといえます。

この雑菌の繁殖を防ぐには、2〜3日で飲み切る他、容器を清潔にすることが大切。中に傷などない、清潔な容器を使用しましょう。

ペットボトルなど、凹凸が多い容器は不向きです。尚、賞味期限や保存の注意点は、水出しでも煮出しでも変わらないとされています。


夏に嬉しいミネラルを含む麦茶。同じ飲むなら、ティーバックの種類にこだわったり、飲み切る期日や保存方法などを工夫したりして、おいしく味わいましょう!


【参考】
・伊藤園ホームページ:https://www.itoen.co.jp/mugicha/
・石垣食品ホームページ:http://www.ishigakifoods.co.jp/page024.html


<執筆者プロフィール>
永吉 峰子(ながよし・みねこ)
管理栄養士。大手小売企業にて店長、商品開発を経験後、現在は「健康」「食」に関する執筆を中心に活動中