いよいよ明日(日本時間)で閉幕する2016リオデジャネイロ・夏のオリンピック。
連日日本人選手が大活躍、手に汗握って観戦した方も多いと思います。もう明日で終わりなんて、ちょっぴり寂しいですね。
感動的なオリンピックの思い出を反芻しつつ、映画を楽しむのはいかがですか。まだまだ残暑が続きそうな日本列島。爽やかな気分になれそうなオリンピック関連映画を観て余韻を楽しみましょう。ちょっと変わり種(!?)もご紹介します。

リオデジャネイロ五輪、日本人選手が大活躍してくれましたね!


「炎のランナー」「ミュンヘン」

あのヴァンゲリスの力強い音楽と共にランナー達が駆け抜けていく印象的なシーン…「炎のランナー」の名場面です。
1981年の映画「炎のランナー」はアカデミー賞の作品賞・音楽賞など多くの賞に輝いた名作です。1924年のパリ五輪に出場したイギリス人選手たちの物語を、実話に基づき描いた作品です。戦前に開催されたオリンピック、当時の世相が色濃く滲んだ作品でした。
「炎のランナー」の中で描かれたオリンピックに影を落とす宗教・国家間、人種間の軋轢・アマチュアリズムなどの問題。でも100年近くたった現在のオリンピックも開催されるごとに世界情勢の様々な問題をはらんでいるのは変わらない気がします。しかしひたむきに競技に取り組む姿に心を動かされるのは万国共通。スポーツの前には問題も消え失せてしまうのです。だからこそ、(普段全くスポーツと縁の無い筆者のような者でも)人々に多くの感動を与えてくれるのでは…と、改めて考えさせてくれる映画です。
現在、オリンピック開催で一番の問題としてあげられるのがテロリズム対策ではないでしょうか。そのオリンピックとテロ、という相反する、切っても切り離せない関係…それを真っ向から描いた社会派映画がスティーブン・スピルバーグ監督の2005年の作品「ミュンヘン」です。オリンピック史上最悪の事件の舞台となってしまった1972年のミュンヘン・オリンピック。そのミュンヘン・オリンピック事件と、その後のイスラエルの諜報機関モサドによる報復を描いています。
事件から40年以上たった現在。オリンピックで事件は起きていませんが、当時よりはるかにテロが身近になってしまいました。本来ならスポーツの祭典であるオリンピックが政治的な事に利用されたりテロの標的となったり…大きな影を落としてきた近代。映画「ミュンヘン」では目を覆いたくなるような場面もありますが、こちらは改めてオリンピックと「平和」について考えさせられる映画かもしれません。
また、現在公開中の「栄光のランナー/1936ベルリン」タイトル通りナチス政権下に開催されたベルリン・オリンピックに出場するアメリカの黒人陸上選手の葛藤と活躍を描いた作品。過酷な状況で奮闘する主人公が人々に感動を与えてくれます。


ちょっと変わった視点から観るなら「フォックスキャッチャー」

続いて 2014年の作品「フォックスキャッチャー」。
アメリカのデュポン社、ご存知ですか?フライパンのフッ素コーティングといえばピンとくる方も多いと思います。
その巨大化学メーカーのデュポン社のデュポン家とオリンピックについて描いた作品が「フォックスキャッチャー」です。
大富豪デュポン家の御曹司が競技レスリングの熱狂的なファンで、莫大な私財を投じて自宅に最新設備のトレーニング場や豪華な宿舎を建設、選手達を住まわせ、ロサンゼルス五輪の金メダリストをコーチに招きソウル五輪に向けトレーニングをさせていたそう。そしてソウル五輪の後に、そこで実際に起きた悲惨な事件。当時アメリカではセンセーショナルな事件として取り上げられていたそうです。犯人の動機は謎に包まれている為、オリンピックとは直接関係はないかもしれません。
しかしスポーツ大国・アメリカですらメダリスト達も現役を退いた後、厳しい現実があることなども描かれていて、また違った視点でオリンピックを考えられる映画です。本人に似せるために気迫のこもった怪演をしている主演のスティーブ・カレルにも注目です。


そして、いよいよ東京オリンピック

前回の1964年開催の東京オリンピックの際に製作された公式記録映画「東京オリンピック」。
単なる記録映画ではないものを…と凝った演出で作品を監督したのは市川崑監督。当初は黒澤明、今村昌平など名だたる名監督に白羽の矢が立ちましたが紆余曲折、市川崑監督がメガフォンをとる事になったそうです。
当時は記録映画として、その内容・演出などに賛否両論でしたが、カンヌ映画祭で国際批評家賞を受賞したり、徐々に評価を得ていったそうです。
さぁ、そして前回から56年を経て開催される2020年の東京オリンピック。まだ公式記録映画が製作されるのか?など、詳細はわかりませんが、東京オリンピックを通してどんなメッセージが世界に発信されるのでしょうか。まだまだ開催に向け問題山積(!?)なようですが、ひたむきに練習を続ける選手達にはエールを送っていきたいですね。