うまい話に惑わされないで!「不動産投資」の基本とリスク

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最近では株取引や為替(FX)、先物取引など金融商品に自己資金を投資して資産運用する人が増えましたが、不動産投資も財テクの一つとして注目を集めています。上手に運用すれば利益が見込めますが、失敗すれば自己資金が消滅するばかりでなく借金を背負ってしまうケースもあるのでリスクについて理解しておかなければなりません。大切なお金の問題ですし、不動産投資の基本とリスクについてポイントをチェックしておきましょう。

■ 不動産投資って何?

不動産投資とは、まず自己資金を投資して物件のオーナーになり、その物件を第三者に貸して「賃料」や「家賃」を得ることで収益を生み出す方法です。アパートやマンション、一軒家や駐車場など様々な物件がありますが、より収益性の高い物件のオーナーになることが重要なポイント。たとえば、アパートを運営するのであれば、空き家にならず継続的に入居者が見込めるような物件である必要があります。このように第三者に物件を貸して得る収益を「家賃収入」と言いますが、人気があり継続的に借り手がいる物件ほど安定した家賃収入を生み出すわけです。

反対に、すぐ空き家になって借り手も見つからない物件なら家賃収入が安定せず、運用を失敗してしまう可能性が高くなるでしょう。つまり、どんな物件に投資するかで全てが決まってしまうと言っても大げさではありません。物件の立地や環境などを細かくリサーチし、情報を集めることが重要です。

※ 物件の立地など、まずは情報を集めることから始めましょう。

■ 不動産投資には主に2つの収益がある

不動産投資には物件のオーナーになって賃料で利益を得る運用法(家賃収入)と、不動産売買によって買値と売値の差額で値上がり益を得る2つの方法があります。不動産投資の「値上がり益」とは、自己資金で購入した不動産を第三者に転売し、買値と売値の差額で利益を得る方法。価値が上がる不動産(土地や物件)を早い時期に購入しておき、価値が上がった時点で売却することで買値よりも売値のほうが高くなり、その差額が利益になるという仕組みです。いずれにしても、運用する物件の価値が高くなければ多くの収益を得られませんし、しっかりと物件の価値を見極めたうえで投資することがポイントとなるでしょう。

※ 家賃収入と値上がり益の2つの収益があることを理解しましょう。

■ 利回りについて理解する

不動産投資で家賃収入を得る場合、「表面利回り」と「実質利回り」の違いは必ず覚えておかなければなりません。そもそも利回りとは、どれくらい儲かるかの基準になるからです。

・表面利回り
投資した不動産から得た年間の収入÷自己投資の額×100=表面利回り

・実質利回り
投資した不動産から得た年間の収入-経費=利益
利益÷自己投資の額×100=実質利回り

ざっくりした大よその利益を算出する「表面利回り」に対し、実際に手元に残る利益を算出するのが「実質利回り」となります。「表面利回り」では100万円の利益が出るはずだったのに、実際には50万円しか利益が出ていないというケースは、はじめに「実質利回り」で算出していないことが原因。一見、「表面利回り」では利益が高い優良な物件でも、経費や費用などコストを入れて「実質利回り」を計算すると利益率が低いという落とし穴もあるのです。

※ 「表面利回り」はおおよその利益を算出、「実質利回り」は手元に残る利益を算出することを指します。

■ 利回りの重要性

投資する物件を決めるにあたり、利回りを目安にして決めるのが一般的です。なぜなら、利回りで"いくら儲かるか"の収益モデルを予測するためです。利回りが1%違うだけで収益に大きく影響しますし、投資する額が大きくなるほど1%で動く利益のふり幅も大きくなります。この時点で、「たった1%で?」と思った人は、投資で失敗する人。1万円の1%は100円ですが、1,000万円の1%は10万円にもなりますから。不動産投資に限らず何かに投資して運用する際は、利回りの重要性を正しく把握することが基本。しっかりと利回りについて理解してから先に進みましょう!

◎ 家賃収入の「表面利回り」と「実質利回り」

・ 例題)「表面利回り」5%の3,000万円の物件で家賃収入を得る場合

自己投資3,000万円×5%=年間の家賃収入150万円
150万円÷12ヶ月=月間の家賃収入12万5,000円

自己投資の3,000万円を回収するには約20年という期間が必要になり、純粋な利益が発生するのは21年目からです。しかし、これはあくまでも「表面利回り」。物件の管理費や修繕費など維持費を差し引くと、実際は「表面利回り」よりも少ない収益になることを見落とさずに理解しておきましょう。

■ 家賃収入と値上がり益のダブルで運用

もし将来的に値上がりする可能性がある物件なら、ある程度の期間まで「家賃収入」で利益を得て、時期が来たら売却し、「値上がり益」で一気に投資分を回収する方法もあります。

・ 例題)表面利回り5%の3,000万円の物件で家賃収入を得る場合

自己投資3,000万円×5%=年間の家賃収入150万円
150万円÷12ヶ月=月間の家賃収入125,000円

150万円×10年=家賃収入は1,500万円
10年後に2,000万円で売却-初期の投資額3,000万円=値上がり益は1,000万円の赤字
家賃収入1,500万円-1,000万円の赤字=最終的な利益が500万円

「値上がり益」だけをみると1,000万円の赤字ですが、それまでに得た「家賃収入」を差し引くと最終的には500万円の黒字になる収益モデルです。不動産は価値が上がる場合もあれば、下がる場合もあり、どのタイミングで売却するかで結果が大きく変わります。人気の立地や環境が良い場所の物件ほど高値で売れますが、そうした物件は手放さず家賃収入を得る人が多いです。一発で回収を狙うか、長期的に家賃収入を得るか、その見極めは不動産を運営するオーナーの素質に左右されると言えますね。

※ 長期的な家賃収入か、一気に回収を狙う売却か、あなたはどちらのタイプ?

■ 「表面利回り」ではなく「実質利回り」が大事!

不動産を運営するにあたり、必ず発生するのが税金や維持費などのコストです。「表面利回り」では利益率が良くても、コストを入れて計算したときの「実質利回り」が低ければ問題。どの物件に投資するかを検討する際は、「表面利回り」ではなく「実質利回り」を考慮したうえで収益モデルを予測しなければなりません。とくに最近はインターネットで不動産投資を扱うサイトが多く、高い「表面利回り」で誘惑している業者を見かけます。「表面利回り」に惑わされず「実質利回り」で収益モデルを立て、「本当はいくら儲かるのか」を見極めることが大事。高い「表面利回り」に惑わされ、安易に判断しないよう注意しましょう。

■ 実例を参考にする

インターネットには怪しい情報が散漫していますが、参考になる優良な情報があることも確か。実際に不動産を運営している人のブログやサイトを参考にするのも一つの手段です。不動産投資で年間1,000万円クラスの収益を得ている人は、それに比例して複数の物件を所有しているので実践的なノウハウやコツを学ぶことができます。また、本気で不動産投資する気があるのなら、不動産業者とコンタクトをとって地主や実際に物件を運営している不動産オーナーを紹介してもらい、直接話を聞く方法もあります。どんな立地の物件が不動産投資に適しているのか、どれくらいの物件を所有すれば自分が望む収益モデルに近づけるかなど、最善の策を講じて様々な角度で収益を予測するための情報や知識を備えておきましょう。参考になる優良な情報をどれだけ集められるかが大事になります。

■ 不動産投資のリスク

不動産投資は短期で儲けるのではなく、長期的に運用して利益を積み重ねていくという考え方。そのため、物件の運営や管理にはリスクが伴うことも理解しておく必要があります。「値上がり益」に関しては不動産の価値が急激に下がったり、「家賃収入」に関して言えば災害で物件そのものが損失したりするなど、いろいろなリスクが考えられるわけです。

たとえばアパートやマンションを運営する場合、入居者が安定しなければ家賃収入も少なくなるでしょうし、近くに人気の物件が建つと大きく影響したりもします。不動産投資は実質利回りで現実的な収益モデルを立てることも重要ですが、リスクに備えて管理能力を高めておくことも大切なポイントです。つまり、ギャンブルではないということ。緻密な計画と予測に近い収益を得るために、守りを堅くして確実に利益を積み重ねていくことが成功の秘訣ですね。

不動産投資に関する書籍が多く販売されてしますし、そうした書籍は実際に不動産を運営している現役のオーナーや不動産投資の専門家が執筆している場合がほとんどです。リスクの管理や物件の選び方、必要経費やコスト、利回りの目安などノウハウやコツを不動産投資のプロから学ぶのも必要な準備かもしれませんね。不動産投資がギャンブルにならないように意識しておきましょう。

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(著&編集:nanapi編集部)