相続人は、みな相続税の連帯保証人!?納税不能に陥らないための対策とは

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遺産相続は一生の内で最も高額な金銭や資産が移動する瞬間である。同時に金銭や資産の移動は課税の的になる。相続税もその一つである。相続税の基本は、総資産から基礎控除額(3000万円+600万円×法定相続人の数)を差し引いた額に、特定の税率を乗じて計算する。こうして算出された相続税は相続人で申告・納税する必要がある。まず「教えて!goo」には相続税申告は必須のものであるか否かを問う質問「相続税申告について」が寄せられた。

■基礎控除額以下なら申告不要。しかし資産調査は念入りに。

質問から見た被相続人は、これといった預金もなく、土地も二束三文であるとしている。そこへ税務署から所謂「お尋ね」書が来たことで、相続が少額でも申告する必要があるのかと心配している。回答は、基礎控除額以下なら申告不要で一致している。

「相続税の基礎控除額未満の遺産しか無い場合は、申告の必要はありません」(chie65535さん)

「自分で相続財産の総額を把握して、控除額以下で相続税の申告納付の必要が無いと確信されているなら、その『お尋ね』文書に相続財産の概要について記入されて返送されれば、相続税申告の必要はありません」(momo-kumoさん)

一方で、土地のような相続の際には、一般的な評価額よりも少し高い路線価で以て相続税を計算する場合があるため、資産調査は一度念入りにする必要があるという意見もあった。

「不動産などの評価は、現況(登記内容などとは異なる)と法律の優遇規定等の判断などによって、計算結果が異なります。ですので、心配であれば、税務署で相談されることですね」(ben0514さん)

「役所からの固定資産税の通知を税務署に持って行けば、いくらの評価額になるのか教えてもらえます」(ma-fujiさん)

自分が相続した財産についての相続税が申告・納税されなかった場合には、相応のペナルティも発生する。しかし、相続税の特徴は、このペナルティが各相続人の中で完結しない点にある。謂わば相続人は互いに互いの連帯保証人なのである。

■知らなかったじゃ済まされない!相続税の連帯納付義務

前項で述べたように、相続人は皆、連帯保証人である。これはどういうことなのか。詳しい話を、心に残る家族葬を行う葬儀アドバイザーに解説していただいた。

「連帯納付義務は、一定の条件次第で、他人の相続税を負担しなければならないという制度です。何故他人の相続税を負担しなければならないのでしょう。相続税法における規定によると、滞納がある他の相続人の相続税額まで相続人全員で連帯納付する義務を負うとなっています。
理由は、裁判所の判断によりますが、相続税の徴収をより確実にするために各相続人に特別の義務を課す必要があると認められたからです。この制度は、国税当局からすれば税金の徴収漏れを防ぐ、非常に有効な手段となっています。しかし、相続人にとっては自分の相続税でも手一杯なのに、何で滞納者の分まで納付しなければならないのかと納得がいかないでしょう。
事実、この件に関する国税の不服申立ての裁判が頻繁に起こっていますが、国に勝訴した事例は全くありません」

では、他の相続人が払えない相続税を、代わりに支払うことで自分も共倒れになる危険がある場合でも、この義務は免れ得ないのだろうか。例えば、自分は3人兄弟の一人として財産の1/6を相続したが、1/2相続した母親の相続税までも払わなくなってしまった場合などは、どうなのだろうか。

「連帯納付であっても相続額を限度とした限度額が設定されており、更には、平成24年度の税制改正により一定の要件により解除できるようになってきました。しかし、何よりも、知らないでは済まされないからこそ、事前に情報を収集し、専門家と相談しつつ家族全員での意思疎通を図っておくべきでしょう。そうすれば、誰にも悔いの残らない安全な終活ができます」

相続税の納税が困難になる場合で多いのは、即座に現金化できない高額な資産相続のケースである。そうしたケースで、納税の履行不能に陥る危険がある場合には、相続放棄や相続税の物納という手段も考えることができるという。しかしこうした対策は、遺産の所有者が生きている際に明確にしておきたいものだ。自分がどのように最期を迎えるかを考えるだけでなく、残される身近な方のことも考え整理しておくことも、終活の在り方だろう。

●専門家プロフィール:心に残る家族葬 葬儀アドバイザー
「葬儀の参列者を遺族や近親者など、本当に故人を亡くした悲しみを共有できる方だけに限定」し、「世間体を重視している感のある告別式を簡素化」する家族葬の提案を行う。

(樹木悠)

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)